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第二百六話 居眠り
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前戦からは連戦連勝の報告が続く。
第一軍イゴウさん、第二軍ギールさん、残りの五軍はリコさんとアドを抜いた五大将軍に担当してもらっている。
僕が天帝の勇者の元へ行くチャンスを狙っていると、一週間後にそのチャンスが来た。
四人の監視は、交代でやっていれば居眠りをする事も無いはずなのに、毎日夜通し全員で監視しています。
そのためか、とうとう一週間目の早朝、全員が居眠りしています。
僕は、部屋のメイドさん達に唇に人差し指をあてて、静かにしてと合図を送った。
「ジュウドウ、これからの僕の行動は極秘です。シャドウにも箝口令を出して下さい」
「はっ」
「では、行ってきます」
僕は移動魔法で寝室を後にした。
僕は新築中の魔王の居城に来た。船の形に造っている巨大な住居です。
まだまだ、完成には時間がかかりそうですが、屋上には行けるようです。
屋上に上がると、朝日に照らされた魔王国の景色が美しかった。
ここで、イルナとフォリスさんと暮らしたいと思っていましたが、かなわぬ夢となりました。
次に僕は、あの懐かしいボロ舟の家に移動しました。
船はぼろいままですが、何故か掃除をしたみたいに綺麗になっています。
思わず横になってしまいます。
ここで、フォリスさんイルナ、爺さん、僕の順で眠ったのはまだ数年前です。
もう随分昔の事に感じます。
目を閉じると、この場所だからか、イルナの気配を感じます。
仰向けになり、鼻から大きく息を吸うと、濃い潮のかおりがします。
「わしはこの臭いが嫌いじゃ。魚の腐った臭いがする」
「ふふふ、そうですか。僕は大好きです」
ランロンは、相変わらず潮の臭いが嫌いなようです。
僕は目を閉じたままじっとしています。
「ふふふ、僕はきっと行きたくないのかもしれませんねー。ここで眠ってしまいたいです」
「……」
ランロンは答えたくないのか、関心が無いのか返事をしてくれなかった。
「さあ、眠ってしまう前に移動しましょう」
「ちーっ!! 馬鹿がー!!!」
国王の座る玉座の上で天帝の勇者ハルラが叫んでいる。
「も、申し訳ありません。ただ、魔王軍に多大な被害を与えたと報告にありました」
僕の所には、そんな報告は来ていませんけどね。
「報告にありましたじゃねえ! 負けたら一緒なんだよ。まだお前達は一度も勝ってねえじゃねえか!!」
「はっ……」
「こうなったら、王国中から十二歳以上の成人男女を徴兵しろ! そうすりゃあ、一千万人位の兵士が集まるだろう。それで魔王軍を叩き潰せ」
本気で言っているのでしょうか?
もうこれ以上は黙って聞いていられません。
「おいおい、何を言ってるんだ。子供まで戦場に送るつもりかテメーは!!」
「だ、誰だ?」
「俺だよ!」
「なんだガキ! どこから入り込んだーーー!! 貴様らぼやぼやしねえでガキを叩き殺せーーーーー!!!!」
衛兵がワラワラ集まってきた。
「やれやれだぜ!!」
僕は、天帝の勇者と、レベル五のダンジョン、百五十階層に移動した。
第一軍イゴウさん、第二軍ギールさん、残りの五軍はリコさんとアドを抜いた五大将軍に担当してもらっている。
僕が天帝の勇者の元へ行くチャンスを狙っていると、一週間後にそのチャンスが来た。
四人の監視は、交代でやっていれば居眠りをする事も無いはずなのに、毎日夜通し全員で監視しています。
そのためか、とうとう一週間目の早朝、全員が居眠りしています。
僕は、部屋のメイドさん達に唇に人差し指をあてて、静かにしてと合図を送った。
「ジュウドウ、これからの僕の行動は極秘です。シャドウにも箝口令を出して下さい」
「はっ」
「では、行ってきます」
僕は移動魔法で寝室を後にした。
僕は新築中の魔王の居城に来た。船の形に造っている巨大な住居です。
まだまだ、完成には時間がかかりそうですが、屋上には行けるようです。
屋上に上がると、朝日に照らされた魔王国の景色が美しかった。
ここで、イルナとフォリスさんと暮らしたいと思っていましたが、かなわぬ夢となりました。
次に僕は、あの懐かしいボロ舟の家に移動しました。
船はぼろいままですが、何故か掃除をしたみたいに綺麗になっています。
思わず横になってしまいます。
ここで、フォリスさんイルナ、爺さん、僕の順で眠ったのはまだ数年前です。
もう随分昔の事に感じます。
目を閉じると、この場所だからか、イルナの気配を感じます。
仰向けになり、鼻から大きく息を吸うと、濃い潮のかおりがします。
「わしはこの臭いが嫌いじゃ。魚の腐った臭いがする」
「ふふふ、そうですか。僕は大好きです」
ランロンは、相変わらず潮の臭いが嫌いなようです。
僕は目を閉じたままじっとしています。
「ふふふ、僕はきっと行きたくないのかもしれませんねー。ここで眠ってしまいたいです」
「……」
ランロンは答えたくないのか、関心が無いのか返事をしてくれなかった。
「さあ、眠ってしまう前に移動しましょう」
「ちーっ!! 馬鹿がー!!!」
国王の座る玉座の上で天帝の勇者ハルラが叫んでいる。
「も、申し訳ありません。ただ、魔王軍に多大な被害を与えたと報告にありました」
僕の所には、そんな報告は来ていませんけどね。
「報告にありましたじゃねえ! 負けたら一緒なんだよ。まだお前達は一度も勝ってねえじゃねえか!!」
「はっ……」
「こうなったら、王国中から十二歳以上の成人男女を徴兵しろ! そうすりゃあ、一千万人位の兵士が集まるだろう。それで魔王軍を叩き潰せ」
本気で言っているのでしょうか?
もうこれ以上は黙って聞いていられません。
「おいおい、何を言ってるんだ。子供まで戦場に送るつもりかテメーは!!」
「だ、誰だ?」
「俺だよ!」
「なんだガキ! どこから入り込んだーーー!! 貴様らぼやぼやしねえでガキを叩き殺せーーーーー!!!!」
衛兵がワラワラ集まってきた。
「やれやれだぜ!!」
僕は、天帝の勇者と、レベル五のダンジョン、百五十階層に移動した。
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