底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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あずさと札幌ライフ

第四百一話 シューパー戦隊

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 昼は街で子供捜し、夜はあずさ達と盆踊り、数日間楽しい日々が続いた。

「今日が、最終日だ。心ゆくまで楽しもう」

「えっ????」

 俺は、この時のあずさとヒマリの驚いた顔は一生忘れないだろう。
 例えるのなら、死ぬまで他人のために善行を行なっていた人が、死んでから閻魔大王に地獄行きを言われたときのような顔だ。鳩が豆鉄砲を食ったような顔というのがあるが、おれは類義語として、善行閻魔という言葉を提案したい。
 二人は泣き出さないように下唇を噛むと、俺の腕に抱きついて来た。

「わわっ!!」

 二人は俺の手を力一杯引っ張って走りだした。

「そうと決まれば、遊びますよーー!!!! 決して忘れない最高の夏休みにするためにーーーー!!!! うおおおおおおおおおぉぉぉーーーーーーーー!!!!!」

 雄叫びを上げるあずさに、ヒマリまで雄叫びをあげて合せた。
 楽しそうな笑顔の二人の目には、一粒だけ涙が光っていた。
 ふふふ、俺も一生忘れられない楽しい最高の夏休みの思い出になりそうだ……



 翌朝、朝食のため婦人達が集ると、それを待っていたかのように招かざる客が来た。

「静まれーー!! 静まれーーーー!!!! 我らは北海道国陸軍憲兵隊の者だーーーー!!!!」

 偉そうな顔をした男達が、学校の正門から数名で入って来て叫んだ。
 良く見ると学校は、蟻の子一匹逃げ出せないように憲兵隊に取り囲まれているようだ。

「ここで、不正に北海道国の食糧を消費していると密告があった。ここにある物資はすべて、北海道国政府の物であーーる!! すべてを接収する。全員動くなーー!! 抵抗すれば反逆罪で射殺する。これは脅しではない!!」

 そう言うと、数人の憲兵が銃を空に向って発砲した。

「きゃああああーーーーーー!!!!!!」

 婦人達から悲鳴が上がった。
 それに気をよくしたのか発砲した憲兵がニヤニヤしている。勝ち誇ったような、人を見下したような嫌な笑いだ。
 密告者は、闇市をやっていた原田以外の親分衆のようだ。
 憲兵隊の後ろに隠れている。

「すみませーん。発言よろしいですか?」

 俺はその場で動かずに声だけを出した。

「ふん、貴様が首謀者の八兵衛か!!」

 一番偉そうな男が言った。
 階級章のラインが多い、偉いのだろうなあ。
 恐らくこいつが隊長だろう。
 事前に俺の特徴でも聞いていたのだろう。
 ふふ、豚みたいなデブな奴とでも聞いていたのだろうか、見事に俺を八兵衛と言い当てた。

「……」

 俺は、声を出さずに口をパクパクやった。

「貴様ーー!! 声が聞こえん!! 少し前に出ろーー!!」

 いちいち、言い方が偉そうだ。
 だが、これで動く許可をもらった。
 俺は群衆の中から出て、数歩隊長様に近づいた。

「止まれーー!!!! もういいだろう、それ以上は近づくな!」

 銃を持った憲兵が、俺に狙いをつけて言った。

「何が言いたいのだ。大きな声で言ってみろー!」

「は、はい。お、恐れながら申し上げます」

 俺は、おどおどしているフリをして見せた。
 ここにいる連中は、直接俺の実力を見ていないはずだ。

「ひゃははは、なんだ申してみよ」

 俺のおびえる様子を見て、気を良くしたのか上機嫌になって笑い出した。

「は、はい。ここにある物資は、すべて越後十田商会で用意した物。北海道国の物には、あたらないかと思います。はい」

「なっ、なにぃぃーーっ!!!!!!!!」

 あらまあ、顔がゆでだこのようになった。

「き、きさまぁぁーー!! 口答えをするなあーー!!」

 銃を構えている憲兵が眉毛をつり上げて言った。
 そんなん言われたら、なんも言えまへんがな。

「ひゃはははははーー!! 八兵衛!! 北海道にある時点で、それはもう北海道国の物なんだよ。わかったかーー!!」

「なるほど、そうですか。そうですね」

 俺はもう納得するしかなかった。

「八兵衛さん、そうですかではありません!!!!」

「そうです!!」

 威勢のいいご婦人方が前に出てきた。
 おいおい、動いたら撃たれるぜ……、と思ったら撃たれない。

「あんたーー!! 八兵衛さんには、皆が救われたんだ。恩人だよ!! 失礼をすると許さないよーー!!」

 どうやら、憲兵隊の幹部の奥さん達のようだ。

「うおっ!!」

 憲兵隊に動揺が走っている。

「ご婦人方、ご助力ありがとうございまーす。でも、ここは危険だ。全員避難して下さい。隊長さんもその方がいいだろう?」

「ふ、ふむ。北海道国の者は全員学校の敷地から出て行けーー!!!!」

「は、八兵衛さん……」

 威勢のよかったご婦人方が心配してくれた。

「俺は大丈夫です。安心して下さい。みなさーーん、避難してくださーーい。ほら、イルナちゃん、子供達を頼む。クザン残虐さんが逃げそうだ、残虐さんはアンナメーダーマンに変身させて残してくれ。あずさとヒマリは、どさくさに紛れて変身だ」

「豚のおじちゃーーん!!」

 子供達が別れを悲しんでくれた。
 って言うか、豚はいらねーだろ!!!!

「いやだーーーー!!!!」

 群衆に紛れていた残虐大臣が、逃げようとしてクザンに捕まってわめいている。
 響子さんとカノンちゃんも変身が終わったようだ。
 群衆が避難すると広い校庭に俺と、黒い残虐大臣のアンナメーダーマン、そして赤いアンナメーダーマンピーツインが二人、青いアンナメーダーマンアクアが二人、合計五人のアンナメーダーマンが、校庭の中央に立っている。

「か、かっこいい、シューパー戦隊だーーー」

 イルナちゃんに連れ去られる、幼児達がこっちを振り返って手を振っている。

「イルナ兄ちゃん! シューパー戦隊、かっこいい!!」

 子供達が、まるでショーを見るような感覚でワクワクしながら移動している。
 あずさとヒマリ、響子さんとカノンちゃんが子供達に手を振っている。
 こんな時には、なぜか風が吹いてくる。きっとさえぎる物が無くなったためだ。
 四人のヒラヒラのスカートが舞い上がり、あずさとヒマリのかわいい青と黄色のパンツと、大人なパンツが二人分丸見えになった。
 四人は恥ずかしそうに、両手でスカートを押さえたのだが、押さえたスカートはかえって暴れまくり、チラチラパンツが顔を出す。こうしてチラチラ見えるパンツの方が丸出しパンツよりエッチである。

「ぐぬぬぬ!!!! ふざけおってーー!!!! 貴様らは状況がわかっているのか!! かまわねえーー全員入ってこい。こいつら六人を囲めーー!!!!」

 学校の周囲をかこんでいた憲兵達が、次々入って来て俺とアンナメーダーマン戦隊五人を容赦無く包んでいく。
 絶体絶命の大ピンチである。

 危うしアンナメーダーマン戦隊!!
 戦えアンナメーダーマン戦隊!!!!

 つづく……
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