53 / 100
第153章『由来』
しおりを挟む
第153章『由来』
「疑問に思ったのなら私に直接聞きゃ良かったじゃねぇか、私は聞かれなかったから言わなかっただけで、別に隠してたわけじゃねぇからな?」
何をやっているのか、そうとでも言いた気な呆れた面持ちで室内へと入って来たタカコが黒川の隣へと腰を下ろす。敦賀や黒川なりの配慮が有っての事とは思わないのか無視しているのか、
「馬鹿じゃないの二人共」
そう言いながらポケットから取り出した煙草に火を点けたタカコに対して、最初に口を開いたのは黒川の方。
「タカコよ、そりゃ正論だけどよ、ちっとばかし気遣いってもんが無ぇんじゃねぇか?」
「勝手に配慮して遠慮して勝手に嗅ぎ回って勝手に落ち込んで、そんな馬鹿二人にどんな気遣いをしろってのよ?」
遠慮会釈等微塵も無い斬り捨て、それに思わず黒川が押し黙れば、タカコは煙を吐き出しながら少し困った様に笑い、天井を見詰めながら口を開いた。
「……少し、昔話をしようか」
「……昔話?」
「ああ、昔話。聞く人間があまり愉快な気持ちにはならん様な話だから殆どした事も無かったが、何か二人して勘違いしてるみたいだし、良い機会だ、聞いてくれるか?」
敦賀と黒川が何と答えれば良いものかと顔を見合わせる中、タカコはその沈黙を肯定ととったのか、静かに、静かに話し出す。
「私の人生の始まりは貧民街の路地裏のごみ捨て場、そこで建物と建物の間から覗く空を見上げて泣いてたそうだ。それを見つけた近所の住民が死なれても気分が悪いと思って教会に、ああ、大和で言う寺とか神社みたいなもんな、そこに届けて、それで私は自分の人生を歩み出した。種も畑も、どんな人間なのかどころか顔も知らん、興味も無いがな」
「……それ、何歳位の話なんだ?」
「何歳どころか、生後直ぐから数日。まだ臍の緒も乾いてなかったってよ」
そこ迄言って一度二人の顔を見るタカコ、やはり少々重い話だなと笑い、手にしていた煙草を咥え、深く煙を吸い込んでからまた天井を見上げ、煙を吐き出しつつ再び話し始めた。
「それから五年間位は教会で育てられて、でも、聞かん気が強くて牧師、ああ、坊主みたいなもんね、牧師の言う事も全然聞かなくてさ、結局は教会を飛び出して。それからは路地で雨風凌いでごみ箱漁ったり盗んだりして食べ物手に入れて、初めて人を殺したのがいつかなんてもう覚えてないけど、その時期だったのは確かでさ。未来の展望とか有る無し以前にその時の私にはそんな概念すら無くって、いっつもお腹空かせてたのはよく覚えてるよ、食べ物の事しか考えてなかったかな、あの時期は。年齢一桁の女のガキだから、他の奴との奪い合いに負けるのなんてしょっちゅうで、時々は捕まって半殺しにされたりしてさ。ま、殺されたり捕まって売り飛ばされなかっただけ幸運なんだけど」
益々重くなる話と二人の空気、やはり話さない方が良かっただろうかとタカコは小さく笑い、あの日々へと思いを馳せる。
何も頼る事は出来ず、守ってくれる人間もいなかった、ただ食料を得る事だけを考え、それ以外は何も知らず、知ろうとも思わなかった荒んだ日々。否、それは今だから思う事、当時の自分はそれ以外の世界を知らず、荒んでいるのだとは気付きもしなかった。
「そんな一人きりの生活を数年続けて生き延びて、或る日、出会ったんだ……『タカユキ』に」
そこ迄言ってタカコは一旦言葉を区切り、煙草を咥えて数度吹かし、薄い靄の様に漂う煙を見詰めて目を細める。そう、『あの日』、あの出会いが自分の全てを変えた、今の自分の全てに繋がる基礎を作り上げた、否、与えてもらった。
「その時は数日間何も食べてなくて凄くお腹を空かせててさ、そんな時にその辺りでは見掛けた事の無い若い男を見つけて。普段ならそんな手強そうなのには手は出さないんだけど、空腹で判断力が鈍ってたのかな、ナイフ片手に襲い掛かったのよ、で、敢え無く返り討ち。殺されるのかなー売り飛ばされるのかなーと思ってたらさ、知らない家に連れて行かれて、そこの住人は私の事知ってて、ここいらの鼻摘みだから関わるな、止めておけって言ってたんだけど、そいつは聞かなくて。で、風呂借りるぞとか言って私を風呂に叩き込んでガッシガシ洗われて、教会飛び出して以来の風呂だったからなかなか綺麗にならなくてな、私も大暴れして。漸く解放されたと思ったら、住人が服を買って来てくれてて、それ着せられて。で、食卓には温かい食べ物が用意してあって、食べて良いよって言われてさ、もうがっついたね、あの時は。美味しかった。それを私を拾った奴と住人が見ててさ、食べ終わったら、拾った奴が私に『名前は?』って聞いて来て。でもさ、答えられなかったんだ、私。教会で付けられた名前が有った筈なんだけど、飛び出してから三年位経ってて、すっかり忘れちゃってて。路上で生活してる時には誰も自分を固有名詞で呼ぶ人はいなくて、『あれ』とか『それ』って言われてて、それを正直に言ったらさ、拾った奴が……タカユキが、『じゃあ俺が付けてあげるよ、名前』って」
自分の名前を忘れてしまう程に他者との関わりを持たなかった日々、それがあの時、あの瞬間に終止符を打たれたとタカコは小さく笑い、タカユキの唇から放たれた言葉を反芻する。
「『俺の名前、タカユキっていうんだけど、それとお揃いにしようか、見た目俺と同じ東洋系だし。でもお揃いって言ってもタカユキは男の名前だから君には変だし……あ、俺のご先祖の日本人は女の子は名前の最後にコがつくのがよくあったんだって、だから、俺の名前からタカをとって、タカコってどうかな?』ってさ、そう言われて、誰かが自分の事を考えて自分の為だけに何かを与えてくれたのが凄い衝撃で……思わず頷いてた」
そう、自分はあの日タカユキから名前を与えられ、人生に意味を与えられた。今の自分にとっては、ごみ捨て場に捨てられていた時ではなく、タカユキから名前を与えられたあの日がこの世に生を受けた日、誕生日なのだ。
「……これが、私が『タカユキ』って名前に固執する理由。別に、敦賀の事を否定してるわけでもないし、旦那の首を斬り落としたのを恨んでるんでもないよ、それに関しては寧ろ感謝してるよ?ただ、今はまだ心の整理もつかなくてさ……もう少し、待っててくれないか?」
言葉も無く神妙な面持ちで話しに聞き入っていた二人の顔を見てそう言えば、一度大きく息を吐いた黒川が立ち上がり、
「ああ、よく分かった。ここから先は二人で話せ、俺は関りの無い事だからな」
そう言って優しく微笑み、タカコの頭を一撫でして執務室を出て行った。後に残ったのはタカコと、そして部屋の主である敦賀の二人。
「……敦賀?」
自分の椅子に座ったまま黙している敦賀へとタカコが声を掛ければ、敦賀は無言のまま立ち上がり、応接セットの方へと歩いて来て彼女の隣へと腰を下ろす。そして、やはり無言のままタカコの頭を抱き寄せて自らの胸板に押し付けると、
「……有り難う」
と、短くそれだけ言ってもう片方の腕で身体を抱き締めて来た。
「……何もしてないけど、私」
「……話してくれただろうがよ、馬鹿女」
交わした言葉はそれだけ、その後は言葉も無く、静かな時間が流れていた。
「疑問に思ったのなら私に直接聞きゃ良かったじゃねぇか、私は聞かれなかったから言わなかっただけで、別に隠してたわけじゃねぇからな?」
何をやっているのか、そうとでも言いた気な呆れた面持ちで室内へと入って来たタカコが黒川の隣へと腰を下ろす。敦賀や黒川なりの配慮が有っての事とは思わないのか無視しているのか、
「馬鹿じゃないの二人共」
そう言いながらポケットから取り出した煙草に火を点けたタカコに対して、最初に口を開いたのは黒川の方。
「タカコよ、そりゃ正論だけどよ、ちっとばかし気遣いってもんが無ぇんじゃねぇか?」
「勝手に配慮して遠慮して勝手に嗅ぎ回って勝手に落ち込んで、そんな馬鹿二人にどんな気遣いをしろってのよ?」
遠慮会釈等微塵も無い斬り捨て、それに思わず黒川が押し黙れば、タカコは煙を吐き出しながら少し困った様に笑い、天井を見詰めながら口を開いた。
「……少し、昔話をしようか」
「……昔話?」
「ああ、昔話。聞く人間があまり愉快な気持ちにはならん様な話だから殆どした事も無かったが、何か二人して勘違いしてるみたいだし、良い機会だ、聞いてくれるか?」
敦賀と黒川が何と答えれば良いものかと顔を見合わせる中、タカコはその沈黙を肯定ととったのか、静かに、静かに話し出す。
「私の人生の始まりは貧民街の路地裏のごみ捨て場、そこで建物と建物の間から覗く空を見上げて泣いてたそうだ。それを見つけた近所の住民が死なれても気分が悪いと思って教会に、ああ、大和で言う寺とか神社みたいなもんな、そこに届けて、それで私は自分の人生を歩み出した。種も畑も、どんな人間なのかどころか顔も知らん、興味も無いがな」
「……それ、何歳位の話なんだ?」
「何歳どころか、生後直ぐから数日。まだ臍の緒も乾いてなかったってよ」
そこ迄言って一度二人の顔を見るタカコ、やはり少々重い話だなと笑い、手にしていた煙草を咥え、深く煙を吸い込んでからまた天井を見上げ、煙を吐き出しつつ再び話し始めた。
「それから五年間位は教会で育てられて、でも、聞かん気が強くて牧師、ああ、坊主みたいなもんね、牧師の言う事も全然聞かなくてさ、結局は教会を飛び出して。それからは路地で雨風凌いでごみ箱漁ったり盗んだりして食べ物手に入れて、初めて人を殺したのがいつかなんてもう覚えてないけど、その時期だったのは確かでさ。未来の展望とか有る無し以前にその時の私にはそんな概念すら無くって、いっつもお腹空かせてたのはよく覚えてるよ、食べ物の事しか考えてなかったかな、あの時期は。年齢一桁の女のガキだから、他の奴との奪い合いに負けるのなんてしょっちゅうで、時々は捕まって半殺しにされたりしてさ。ま、殺されたり捕まって売り飛ばされなかっただけ幸運なんだけど」
益々重くなる話と二人の空気、やはり話さない方が良かっただろうかとタカコは小さく笑い、あの日々へと思いを馳せる。
何も頼る事は出来ず、守ってくれる人間もいなかった、ただ食料を得る事だけを考え、それ以外は何も知らず、知ろうとも思わなかった荒んだ日々。否、それは今だから思う事、当時の自分はそれ以外の世界を知らず、荒んでいるのだとは気付きもしなかった。
「そんな一人きりの生活を数年続けて生き延びて、或る日、出会ったんだ……『タカユキ』に」
そこ迄言ってタカコは一旦言葉を区切り、煙草を咥えて数度吹かし、薄い靄の様に漂う煙を見詰めて目を細める。そう、『あの日』、あの出会いが自分の全てを変えた、今の自分の全てに繋がる基礎を作り上げた、否、与えてもらった。
「その時は数日間何も食べてなくて凄くお腹を空かせててさ、そんな時にその辺りでは見掛けた事の無い若い男を見つけて。普段ならそんな手強そうなのには手は出さないんだけど、空腹で判断力が鈍ってたのかな、ナイフ片手に襲い掛かったのよ、で、敢え無く返り討ち。殺されるのかなー売り飛ばされるのかなーと思ってたらさ、知らない家に連れて行かれて、そこの住人は私の事知ってて、ここいらの鼻摘みだから関わるな、止めておけって言ってたんだけど、そいつは聞かなくて。で、風呂借りるぞとか言って私を風呂に叩き込んでガッシガシ洗われて、教会飛び出して以来の風呂だったからなかなか綺麗にならなくてな、私も大暴れして。漸く解放されたと思ったら、住人が服を買って来てくれてて、それ着せられて。で、食卓には温かい食べ物が用意してあって、食べて良いよって言われてさ、もうがっついたね、あの時は。美味しかった。それを私を拾った奴と住人が見ててさ、食べ終わったら、拾った奴が私に『名前は?』って聞いて来て。でもさ、答えられなかったんだ、私。教会で付けられた名前が有った筈なんだけど、飛び出してから三年位経ってて、すっかり忘れちゃってて。路上で生活してる時には誰も自分を固有名詞で呼ぶ人はいなくて、『あれ』とか『それ』って言われてて、それを正直に言ったらさ、拾った奴が……タカユキが、『じゃあ俺が付けてあげるよ、名前』って」
自分の名前を忘れてしまう程に他者との関わりを持たなかった日々、それがあの時、あの瞬間に終止符を打たれたとタカコは小さく笑い、タカユキの唇から放たれた言葉を反芻する。
「『俺の名前、タカユキっていうんだけど、それとお揃いにしようか、見た目俺と同じ東洋系だし。でもお揃いって言ってもタカユキは男の名前だから君には変だし……あ、俺のご先祖の日本人は女の子は名前の最後にコがつくのがよくあったんだって、だから、俺の名前からタカをとって、タカコってどうかな?』ってさ、そう言われて、誰かが自分の事を考えて自分の為だけに何かを与えてくれたのが凄い衝撃で……思わず頷いてた」
そう、自分はあの日タカユキから名前を与えられ、人生に意味を与えられた。今の自分にとっては、ごみ捨て場に捨てられていた時ではなく、タカユキから名前を与えられたあの日がこの世に生を受けた日、誕生日なのだ。
「……これが、私が『タカユキ』って名前に固執する理由。別に、敦賀の事を否定してるわけでもないし、旦那の首を斬り落としたのを恨んでるんでもないよ、それに関しては寧ろ感謝してるよ?ただ、今はまだ心の整理もつかなくてさ……もう少し、待っててくれないか?」
言葉も無く神妙な面持ちで話しに聞き入っていた二人の顔を見てそう言えば、一度大きく息を吐いた黒川が立ち上がり、
「ああ、よく分かった。ここから先は二人で話せ、俺は関りの無い事だからな」
そう言って優しく微笑み、タカコの頭を一撫でして執務室を出て行った。後に残ったのはタカコと、そして部屋の主である敦賀の二人。
「……敦賀?」
自分の椅子に座ったまま黙している敦賀へとタカコが声を掛ければ、敦賀は無言のまま立ち上がり、応接セットの方へと歩いて来て彼女の隣へと腰を下ろす。そして、やはり無言のままタカコの頭を抱き寄せて自らの胸板に押し付けると、
「……有り難う」
と、短くそれだけ言ってもう片方の腕で身体を抱き締めて来た。
「……何もしてないけど、私」
「……話してくれただろうがよ、馬鹿女」
交わした言葉はそれだけ、その後は言葉も無く、静かな時間が流れていた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる