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アンニュイなオレの葛藤 2
しおりを挟む「・・・これからどうすっかな・・・」
右腕がなくなっちまったせいで時間はかかったが、いくらなんでも、このまま野晒しにはしておけねえから、死体は全部土に埋めてやった。
・・・ニャン吉やレオン。フォーテル。ミノのもだ。
「オレだけ生き残るなんて・・・運が良いのか悪いのか・・・悪いに決まってるか・・・」
今までも、同じ召喚術者の仲間が死ぬところは何度も見てきたが、こんなにキツイのは初めてだぜ・・・。
もちろん仲間が死ぬのはいつだって辛いが、今回のは尚更だ・・・。
「・・・はぁ・・・」
レオンの最後の言葉を思い出しながら、自分の胸を見る。
そこにはミシェリアとの召喚契約の印があったはずだが、今は消えてなくなっていた。
考えられる理由は2つ。
1つは、ミシェリアがオレとの召喚契約を破棄した。
もう1つは、ミシェリアが死んだか。
どちらなのかは今のオレに確かめる術はない。
ただ、レオンはミシェリアが連れ去られたって言ってた。
そして助けてやってくれとも。
「・・・はぁ・・・」
もう何度目かわからない溜息をつき、仲間を埋めた場所を見る。
「・・・ミシェリアも、家族を殺されてこんな気持ちだったんかな・・・」
自分だけが生き残ってしまった罪悪感。
何も出来ず、仲間を守れなかった無力感。
もう2度とあいつらと話すことが出来ない虚無感。
そして・・・仲間を奪った奴への、怒りと憎しみ。
「・・・やっぱし、どう考えても、このままじゃ済まされねえよな・・・」
レオンにゃ悪いが、ミシェリアがどうなろうと、どうなってようとオレにはどうでもいい。
いや、はっきり言ってミシェリアにも恨みはある。
あいつがバカみたいに強制契約執行なんかしねえで撤退してりゃ・・・まあ、撤退したところで、どのみち逃げ切れてはいねえか・・・。
まあとにかく、ミシェリア以上にあいつだけは許せねえ。
合成モンスターを生み出し、オレの仲間を殺したあいつだけは。
「ん? あれは・・・」
ふと、視界の端にある物が映った。
「・・・ははは。面白れえこともあるもんだ」
オレの愛用の槍が、壊れることなく地面に転がってた。
まるで、この槍もあいつを許すなっつってやる気になってるみてえだ。
「あいつは北に行くって、レオンは言ってたよな・・・」
オレはなくなっちまった右腕に代わって左手で槍を拾い上げると、そのまま軽く振り回してみる。
さすがに両手じゃない分、今までのようには扱えねえが、まあなんとかなるだろ。
「・・・待ってろよみんな。お前らを殺したこと、死ぬほど後悔させて来てやっからな」
オレは槍を握り締め、最後にもう一度だけ仲間を埋めた場所に振り返ると、そこからは1度も振り返らず、北へ向かって歩き出したのだった。
・・・数時間後・・・
オレみたいな、人種側からモンスターって呼ばれてるのがたった一体で行動するのは、かなりのリスクを伴う。
人種に見つかりゃ問答無用で襲い掛かって来るし、別のモンスターの縄張りに入ったりしても襲われる。
だから普段なら人種が作った街道や、他のモンスターが縄張りにしてそうな場所は避けて進むんだが・・・今はそんなことを気にしてる余裕はない。
なぜなら、確実に奴を見つけ出すために、奴が残していった目印を追う必要があったからだ。
その目印ってのが、北に進むにつれて見つかるモンスターの死体。
十中八九、奴が手当たり次第、見つけたモンスターを殺して進んでるんだろう。
レオンが言ってた、北にある拠点へ行くって言葉は間違ってねえらしい。
「これのお陰で、って言っちゃ気分悪いが、これがあるから道に迷わずに済むが・・・出来れば見たくねえもんだ」
わざとモンスターの縄張りに入り、襲って来たモンスターを返り討ちにしてる感じだな。
最初の方こそ見つけた死体を土に埋めてやってたが、いかんせん数が多くて、全部を土に埋めてたら、どんだけ時間がかかるかわからん。
だから今は、心の中で黙祷を捧げて歩き続けてる。
「・・・ん? あれは・・・」
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