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第一章
03 俺は見なかったフリを出来ただろうか?
表紙を捲り、少し面白い内容を期待した俺だったが、正直言って普通の内容の様だった。
店長の日記とか、黒歴史でも載ってるのかと思ってドキドキしながらここまで来たのに!常連の方は結局何を伝えたかったんだろうか。
内容は切り取られた写真が貼られてるだけだ。1枚目は草原っぽいところ?
俺は違和感に気付いた。写真の場所に既視感があったのだ。明らかな既視感があった。
「あれ?俺が異世界に転生して最初に目覚めた場所に凄く似てる…」
いや、ここは俺が最初に目覚めた場所だ。なんでここの写真があるんだ?
俺はすぐ次のページを捲って二枚目の写真を見つめた。この写真には宿の建物が写っている。それも俺が"前まで泊まっていた宿"である。
俺はもう偶然とは思えなくなってしまってまた次のページを捲った。この写真は俺が行こうと思っていた魔術専門の本屋、次のページは俺が気になっていた魔術学校の建物の写真。さらに捲っても全て俺が関係した写真ばかりだった。
「流石に店長でも俺についてこんなに詳しいのは有り得ないはずなのに…」
まだ宿とかは履歴書的な紙に書いたからまだ分かるが、目覚めた場所や魔術専門の本屋の事などは絶対に伝えてない。よく話す常連の方にすら話した事は無いのだ。
そんな事を知っている店長はいつどこで俺を見て…
変な汗が出てきた気がして、早く見終わろうと最後のページを捲ろうとした時に、誰かの足音が聞こえた気がして何故かノートまで持ち出して倉庫から出てきてしまった。持ち出してしまったノートはしょうがなく倉庫の近くにある本棚にそっと隠して店長がいる所に戻る事にした。
店長は心配した様な顔をして「結構(お手洗い)長かったけど大丈夫?休む?」と聞いてくれたが、店長が何故か怖く見えてきて咄嗟に「大丈夫です」と言ってしまった。
店長は心配した顔から穏やかな顔をして「そっか!でも休みたくなったらすぐに言ってね」とイケメンに言われたい言葉ランキング上位に入るだろう言葉をサラッと言い、俺は自然と分かりやすい作り笑いをしていた。だがそんな事を気にしないように微笑みながらまた店長は話し始めた。
「あと質問なんだけど、コハクくんがお手洗いに行っていた時に倉庫に入ったりしてないよね?あと倉庫の中の資料とかも読んだりしてないよね?」
俺はその言葉に体が固まってしまうような感覚に襲われて、冷や汗がだらだらと垂れてきた。
でもあのノートを読んでしまったからにはもう正直に答える事は出来ない。俺は出来るだけ自然に笑って答えた。
「行く訳ないじゃないですか~資料とかも読みませんし!」明らかに誤魔化したと分かってしまうような話し方なのに店長は気付かなかったのか、気付かなかったフリをしたのか「そうだね、コハクくんはそんな事しないよね!疑っちゃってごめんね!」と言って奥へ行ってしまった。
俺は気付かぬ間に溜息をついていた。罪悪感は勝手に倉庫に入った時より大きい。大きすぎてどうすればいいのかまだ戸惑っている。「これからどうすればいいんだよ…」
とりあえずノートをどうにかしないといけないと思い、ノートを隠していた倉庫近くの本棚を見に行く事にした。
「あれ…おかしいな」
その本棚に隠していたノートが無くなっていたのだ。
店長の日記とか、黒歴史でも載ってるのかと思ってドキドキしながらここまで来たのに!常連の方は結局何を伝えたかったんだろうか。
内容は切り取られた写真が貼られてるだけだ。1枚目は草原っぽいところ?
俺は違和感に気付いた。写真の場所に既視感があったのだ。明らかな既視感があった。
「あれ?俺が異世界に転生して最初に目覚めた場所に凄く似てる…」
いや、ここは俺が最初に目覚めた場所だ。なんでここの写真があるんだ?
俺はすぐ次のページを捲って二枚目の写真を見つめた。この写真には宿の建物が写っている。それも俺が"前まで泊まっていた宿"である。
俺はもう偶然とは思えなくなってしまってまた次のページを捲った。この写真は俺が行こうと思っていた魔術専門の本屋、次のページは俺が気になっていた魔術学校の建物の写真。さらに捲っても全て俺が関係した写真ばかりだった。
「流石に店長でも俺についてこんなに詳しいのは有り得ないはずなのに…」
まだ宿とかは履歴書的な紙に書いたからまだ分かるが、目覚めた場所や魔術専門の本屋の事などは絶対に伝えてない。よく話す常連の方にすら話した事は無いのだ。
そんな事を知っている店長はいつどこで俺を見て…
変な汗が出てきた気がして、早く見終わろうと最後のページを捲ろうとした時に、誰かの足音が聞こえた気がして何故かノートまで持ち出して倉庫から出てきてしまった。持ち出してしまったノートはしょうがなく倉庫の近くにある本棚にそっと隠して店長がいる所に戻る事にした。
店長は心配した様な顔をして「結構(お手洗い)長かったけど大丈夫?休む?」と聞いてくれたが、店長が何故か怖く見えてきて咄嗟に「大丈夫です」と言ってしまった。
店長は心配した顔から穏やかな顔をして「そっか!でも休みたくなったらすぐに言ってね」とイケメンに言われたい言葉ランキング上位に入るだろう言葉をサラッと言い、俺は自然と分かりやすい作り笑いをしていた。だがそんな事を気にしないように微笑みながらまた店長は話し始めた。
「あと質問なんだけど、コハクくんがお手洗いに行っていた時に倉庫に入ったりしてないよね?あと倉庫の中の資料とかも読んだりしてないよね?」
俺はその言葉に体が固まってしまうような感覚に襲われて、冷や汗がだらだらと垂れてきた。
でもあのノートを読んでしまったからにはもう正直に答える事は出来ない。俺は出来るだけ自然に笑って答えた。
「行く訳ないじゃないですか~資料とかも読みませんし!」明らかに誤魔化したと分かってしまうような話し方なのに店長は気付かなかったのか、気付かなかったフリをしたのか「そうだね、コハクくんはそんな事しないよね!疑っちゃってごめんね!」と言って奥へ行ってしまった。
俺は気付かぬ間に溜息をついていた。罪悪感は勝手に倉庫に入った時より大きい。大きすぎてどうすればいいのかまだ戸惑っている。「これからどうすればいいんだよ…」
とりあえずノートをどうにかしないといけないと思い、ノートを隠していた倉庫近くの本棚を見に行く事にした。
「あれ…おかしいな」
その本棚に隠していたノートが無くなっていたのだ。
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