黒いサルビア

ぺつぺつ

文字の大きさ
上 下
2 / 4
第一章

M104 ソンブレロ にて

しおりを挟む

「レムラ少佐!」
「起きてください!少佐!」
「今日は予行練習ですぞ!」

部下達に強制的に起こされて僕は重いからだを起こす
感染症除去シャワーを浴びて、今日の朝飯をいただく
いつものどろどろした完全栄養スープを口にして今日の予行練習やタイムスケジュールについてパネルでチェック
自分のお気に入りのAIが横でペチャクチャしゃべってるのはなんだか心地がいい

「レムラ少佐 今日の第Ⅱ予行連習のことですが…たぶん前回と同じなので大丈夫です!」
「お前はいつも適当だな レマ」
「てへっ」
「じゃあまたあれを押すだけでいいのか?」
「そうです少佐!それが終わればいよいよ来週には実践ですよ!もしかしたら昇進もあるかも…」
「…行くか」

僕は今、ものすごく燃えている
そう『昇進』に燃えている
理由は単純
もっと遠くへ、まだ誰もいったとこのないところへ行きたい
中佐になったら惑星間をワープ運転できるクルマが支給されるからな
決意を固め、僕は予行連習場へ向かう

「あ!少佐」
「なんだレマ」
「もー食器そのままにしているとーまたおばさんにぐちぐち言われますよ
何でいつも忘れちゃうんですか?」
「あーわりいわりい いつもの癖でね」

そそくさと食器をホールに落とす
これで洗浄消毒もできるとは
さすが母船だな
気を取り直して、予行練習場第Ⅵワンバーに僕は向かう
しおりを挟む

処理中です...