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4章
第35話 ナイトライダー
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そんなことがあったのだが、俺はあれから雛鳥と仲良くなって帳と名前を付けた。
やはりアルビノ種だったらしく、俺が去る頃までずっと白かった。
ちなみにトワイライト・クロウはかなり珍しいモンスターであり固有種。その特徴は食べたものを何でもかんでも消化して、取り込んだものの能力をコピーできる唯一無二のものだった。
「果たして何百キロも離れているのに聞こえるのか。魔笛とは言え厳しいだろ」
俺は正直来てくれるとは思っていなかった。
これだけ離れているんだ。トワイライト・クロウは魔力の流れに敏感で俺の魔笛の鳴らし方もあるが聞こえるのかはわからない。
その生態もかなり複雑で、1年ほどでかなり大きくなる。けれどもとんでもなく長生きだ。
だから成長具合も相まって、来てくれると信じていた。あの時の布石もそろそろだろうと勝手に願っていた。
すると遠くの方から声が聞こえてきた。この声、間違いなく帳だ。
キュカァー!
「本当に来たのか。帳は凄いな」
空を見上げると優雅に飛んでいる白いカラスの姿があった。
やっぱりアルビノ種だ。何度見てもその姿は美しく、俺の姿を見つけるや地上に降りてきた。
キュカァー!
「おーよしよし。よく来てくれたな帳。早速だが仕事だ。モトライドになってくれるか?」
俺は帳に頼んだ。するとトワイライト・クロウならではの特徴が反映し、姿形が変わってしまう。先程まで人が乗っても大丈夫なくらい大きなカラスだったが、陸路を踏破するいわゆる乗り物になってしまった。
その見た目は白いカラスの姿は残しつつも、二輪の車輪が付いており地上を走れるようになっていた。
これがいわゆるバイクと呼ばれるモトライドの姿で、トワイライト・クロウにその姿を真似てもらった。空を飛べば街の人間に怪しまれるだろうからな。まだこっちの方がいい。
「それにしても感覚は覚えているんだな。モトライドに乗るのはかなり久しぶりだぞ」
俺はモトライドに乗ったことがある。
そもそもこの道具は北の大陸で使われている乗り物で、雪が多く悪路が続く土地では生き物だけに頼るには難しい。そこから生まれた一種の魔道具ではあるが、車輪を搭載することで魔力を介して燃料さえあればどれだけでも進むことができる。
その構造がモトライドと呼ばれる魔道具であり、今の帳の姿だ。
もちろん、二輪だけではなく四輪などもある。
「お前は生き物だからなハンドルしかないんだよな。よし、行ってくれ!」
キュカァー!
帳は喜んで高く鳴いた。俺を背中に乗せ、空を飛べないことに文句の一つも言わない。
モトライドは馬車よりも速い。
帳はとんでもないスピードを維持して、俺を乗せて進んでくれた。
丁度持ち手の部分に持ち手の棒があるが、これがハンドルになる。
「速いな……いや、速すぎないか?」
どれだけ魔力を吹かしているんだ。
俺はそう思ったが、どうやら地の走りが速いらしい。
俺は圧倒的なスピードに気圧されてしまったが、気が付けば50キロ近く離れているプエルクを目の前にしていた。
「どんだけ速いんだよ。もう少し遅くならないのか?」
キュカァー!
帳は少しだけ遅くしてくれた。けれどそれでも早くて俺は目を丸くした。
全てのモトライドの中で一番速いんじゃないのか?
正直俺には理解できなかったが、とにかく言えるのは乗っていて楽しいことだった。
「やっぱり最高だな。帰りも頼めるか?」
キュカァー!
帳はもう一回叫んだ。
久しぶりのモトライドの清々しさに、俺は名前を付けてみることにした。
「モトライドの時の帳には別の名前を付けてもいいな。よし、白いお前には黒い名前を付けてやる。今のお前はナイトライダーだ!」
ナイトライダー・クロウ。正確にはそんな名前を付けてみる。
白い翼が優雅に羽ばたき風を切る音は心地が良かった。
やはりアルビノ種だったらしく、俺が去る頃までずっと白かった。
ちなみにトワイライト・クロウはかなり珍しいモンスターであり固有種。その特徴は食べたものを何でもかんでも消化して、取り込んだものの能力をコピーできる唯一無二のものだった。
「果たして何百キロも離れているのに聞こえるのか。魔笛とは言え厳しいだろ」
俺は正直来てくれるとは思っていなかった。
これだけ離れているんだ。トワイライト・クロウは魔力の流れに敏感で俺の魔笛の鳴らし方もあるが聞こえるのかはわからない。
その生態もかなり複雑で、1年ほどでかなり大きくなる。けれどもとんでもなく長生きだ。
だから成長具合も相まって、来てくれると信じていた。あの時の布石もそろそろだろうと勝手に願っていた。
すると遠くの方から声が聞こえてきた。この声、間違いなく帳だ。
キュカァー!
「本当に来たのか。帳は凄いな」
空を見上げると優雅に飛んでいる白いカラスの姿があった。
やっぱりアルビノ種だ。何度見てもその姿は美しく、俺の姿を見つけるや地上に降りてきた。
キュカァー!
「おーよしよし。よく来てくれたな帳。早速だが仕事だ。モトライドになってくれるか?」
俺は帳に頼んだ。するとトワイライト・クロウならではの特徴が反映し、姿形が変わってしまう。先程まで人が乗っても大丈夫なくらい大きなカラスだったが、陸路を踏破するいわゆる乗り物になってしまった。
その見た目は白いカラスの姿は残しつつも、二輪の車輪が付いており地上を走れるようになっていた。
これがいわゆるバイクと呼ばれるモトライドの姿で、トワイライト・クロウにその姿を真似てもらった。空を飛べば街の人間に怪しまれるだろうからな。まだこっちの方がいい。
「それにしても感覚は覚えているんだな。モトライドに乗るのはかなり久しぶりだぞ」
俺はモトライドに乗ったことがある。
そもそもこの道具は北の大陸で使われている乗り物で、雪が多く悪路が続く土地では生き物だけに頼るには難しい。そこから生まれた一種の魔道具ではあるが、車輪を搭載することで魔力を介して燃料さえあればどれだけでも進むことができる。
その構造がモトライドと呼ばれる魔道具であり、今の帳の姿だ。
もちろん、二輪だけではなく四輪などもある。
「お前は生き物だからなハンドルしかないんだよな。よし、行ってくれ!」
キュカァー!
帳は喜んで高く鳴いた。俺を背中に乗せ、空を飛べないことに文句の一つも言わない。
モトライドは馬車よりも速い。
帳はとんでもないスピードを維持して、俺を乗せて進んでくれた。
丁度持ち手の部分に持ち手の棒があるが、これがハンドルになる。
「速いな……いや、速すぎないか?」
どれだけ魔力を吹かしているんだ。
俺はそう思ったが、どうやら地の走りが速いらしい。
俺は圧倒的なスピードに気圧されてしまったが、気が付けば50キロ近く離れているプエルクを目の前にしていた。
「どんだけ速いんだよ。もう少し遅くならないのか?」
キュカァー!
帳は少しだけ遅くしてくれた。けれどそれでも早くて俺は目を丸くした。
全てのモトライドの中で一番速いんじゃないのか?
正直俺には理解できなかったが、とにかく言えるのは乗っていて楽しいことだった。
「やっぱり最高だな。帰りも頼めるか?」
キュカァー!
帳はもう一回叫んだ。
久しぶりのモトライドの清々しさに、俺は名前を付けてみることにした。
「モトライドの時の帳には別の名前を付けてもいいな。よし、白いお前には黒い名前を付けてやる。今のお前はナイトライダーだ!」
ナイトライダー・クロウ。正確にはそんな名前を付けてみる。
白い翼が優雅に羽ばたき風を切る音は心地が良かった。
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