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6章
第70話 ゴブリン討伐で乾杯
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俺とエクレアは冒険者ギルドに戻ってきた。
もちろん少女と一緒だ。
結果的に、ゴブリン達から離れた後は森の中で戦闘になることはなかった。
エクレアの魔法のおかげでほとんどのモンスターは知らない間に討伐されていて、熱を探知するエクレアの魔法の応用で無事に帰って来ることができた。
「お父さーん!」
「はっ! ルーべン、無事だったのか!」
「うん。お姉さんたちが助けてくれたの」
「よかった。本当によかった……」
親子は抱き合っていた。
俺とエクレアはその光景を後ろから見ていたが、エクレアが隣で「よかったね」と口にしていた。
確かに無事に依頼が達成できてよかった。
すると俺は父親の耳元に近づくと、空気をぶち壊して悪いが当たり前のことを吐いた。
「娘は無事に取り返したんだ。報酬は後でギルドに払えよ」
「は、はい! ありがとうございました」
父親は俺に頭を下げた。
下げられて気持ちの悪い者じゃないが、俺のやったことは結局は自分のためだ。
だからそんな顔をするなと言いたかった。
父親の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
俺は1人で注文した飲み物を飲んでいた。
体は疲れていない。もちろんこの程度で疲れていては冒険者なんて務まらないからだ。
「お疲れさまでした、カイさん」
「ん? パフィさん。お疲れ様です」
そこにやって来たのはギルド職員のパフィだった。
俺は適当に挨拶を交わすと、パフィは俺に尋ねる。
「早速ですがお疲れさまでした。カイさんの行動を皮切りに悪さをしていたゴブリン達が、冒険者達によって討伐されました」
「そうか。それで、達成率は?」
「順を追ってですが既に90%近くは達成していると思いますよ。見てください、これが精かです」
パフィは最初は分厚かったゴブリンの被害だけを集めたファイルが、今はかなり薄くなっている。
残りは銀色のトレイの中に入っていて、ファイルの暑さよりも高い塔ができていた。
「これもカイさんが先陣を切っていただいたおかげです。本当にありがとうございました」
「頭を下げないでくれ。俺は大したことはしていない。それに敵の親玉を仕留めたのはエクレアだからな」
「それは結果です。そこに至るまでの行動を示してくれたのは、カイさんですよ。本当にカイさんのおかげで当ギルドは賑わいを見せていますよ」
「わざわざ酒まで解禁する意味はどこにもないがな」
「カイさんもお飲みになられては?」
「俺は酒は飲まない。それに法律で決まっているだろ。俺はまだ未成年だ」
「そうですか? ですが……」
パフィの目が泳いでいた。
するとエクレアが慌てた様子で戻ってきて、俺の隣に座った。
「カイ君。何だかお酒のニオイ凄いね」
「まさかお前付き合いで飲んだのか?」
「飲んでないよ! だけど周りが……」
確かに悪乗りしている奴らがいた。
冒険者なんいぇいわゆるはみ出し者だ。未成年で酒を飲みやつだっている。
国によって共通なわけではないので、獣人の中には俺達よりも若い奴が酒を飲んでいる姿を見て、俺はああはなりたくないと思った。
「俺は酒の溺れたいほど毎日が嫌いじゃないんだよ」
「良いことじゃないですか。私なんて……ああ、今日は飲みます!」
「馬鹿か。お前はダメだろ」
俺はいつの間に用意したのか、パフィが酒を飲もうとしていたので全力で阻止した。
パフィは俺のことを睨んだが、奥から他の職員の人達に連れていかれてしまった。
どうやら冒険者ギルドで酒が提供されないのはそういう背景があるらしい。
「あはは、連れて行かれちゃったね。それにしても意外な一面発覚!」
「そうでもない。ああいう人間はストレスの吐きどころを酒かたばこに委ねがちだからな」
俺はジュースを飲んでいた。
エクレアも持ってきたオレンジジュースをちびちび飲んでいると、俺に質問をしてきた。
「カイ君は他の人たちとパーティーを組む気はないの?」
「ない。正直お前とも切ってもいいとは思っている」
「えっ!?」
「そもそも俺は元はソロだ。わざわざ使えない仲間に命を任せるなんて馬鹿みたいな真似、俺はごめんだね」
俺は正直に伝えた。
するとエクレアは疑問になったのか、俺に気になっていたことを投げかける。
この質問の続きで、正直真っ当なものだった。
「それじゃあどうして私とパーティーを組んでくれているの?」
「はっ? お前が勝手に巻き込んだんだろ」
「うっ、確かにそうだけど……カイ君も楽しんでくれていると思ったよ」
「んなわけないだろ。ただし、1つだけ良い面もある」
俺は立ち上がるとテーブルに空のカップを置いて立ち去ることにした。
去り際に俺がエクレアの質問の続きの答えを投げかけると、エクレアは呆気に取られていた。
「俺はお前のことをどうとは思わないが、強さには気に入っている」
それだけ言い残すと、俺は陰者として冒険者ギルドを出た。
もちろん少女と一緒だ。
結果的に、ゴブリン達から離れた後は森の中で戦闘になることはなかった。
エクレアの魔法のおかげでほとんどのモンスターは知らない間に討伐されていて、熱を探知するエクレアの魔法の応用で無事に帰って来ることができた。
「お父さーん!」
「はっ! ルーべン、無事だったのか!」
「うん。お姉さんたちが助けてくれたの」
「よかった。本当によかった……」
親子は抱き合っていた。
俺とエクレアはその光景を後ろから見ていたが、エクレアが隣で「よかったね」と口にしていた。
確かに無事に依頼が達成できてよかった。
すると俺は父親の耳元に近づくと、空気をぶち壊して悪いが当たり前のことを吐いた。
「娘は無事に取り返したんだ。報酬は後でギルドに払えよ」
「は、はい! ありがとうございました」
父親は俺に頭を下げた。
下げられて気持ちの悪い者じゃないが、俺のやったことは結局は自分のためだ。
だからそんな顔をするなと言いたかった。
父親の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
俺は1人で注文した飲み物を飲んでいた。
体は疲れていない。もちろんこの程度で疲れていては冒険者なんて務まらないからだ。
「お疲れさまでした、カイさん」
「ん? パフィさん。お疲れ様です」
そこにやって来たのはギルド職員のパフィだった。
俺は適当に挨拶を交わすと、パフィは俺に尋ねる。
「早速ですがお疲れさまでした。カイさんの行動を皮切りに悪さをしていたゴブリン達が、冒険者達によって討伐されました」
「そうか。それで、達成率は?」
「順を追ってですが既に90%近くは達成していると思いますよ。見てください、これが精かです」
パフィは最初は分厚かったゴブリンの被害だけを集めたファイルが、今はかなり薄くなっている。
残りは銀色のトレイの中に入っていて、ファイルの暑さよりも高い塔ができていた。
「これもカイさんが先陣を切っていただいたおかげです。本当にありがとうございました」
「頭を下げないでくれ。俺は大したことはしていない。それに敵の親玉を仕留めたのはエクレアだからな」
「それは結果です。そこに至るまでの行動を示してくれたのは、カイさんですよ。本当にカイさんのおかげで当ギルドは賑わいを見せていますよ」
「わざわざ酒まで解禁する意味はどこにもないがな」
「カイさんもお飲みになられては?」
「俺は酒は飲まない。それに法律で決まっているだろ。俺はまだ未成年だ」
「そうですか? ですが……」
パフィの目が泳いでいた。
するとエクレアが慌てた様子で戻ってきて、俺の隣に座った。
「カイ君。何だかお酒のニオイ凄いね」
「まさかお前付き合いで飲んだのか?」
「飲んでないよ! だけど周りが……」
確かに悪乗りしている奴らがいた。
冒険者なんいぇいわゆるはみ出し者だ。未成年で酒を飲みやつだっている。
国によって共通なわけではないので、獣人の中には俺達よりも若い奴が酒を飲んでいる姿を見て、俺はああはなりたくないと思った。
「俺は酒の溺れたいほど毎日が嫌いじゃないんだよ」
「良いことじゃないですか。私なんて……ああ、今日は飲みます!」
「馬鹿か。お前はダメだろ」
俺はいつの間に用意したのか、パフィが酒を飲もうとしていたので全力で阻止した。
パフィは俺のことを睨んだが、奥から他の職員の人達に連れていかれてしまった。
どうやら冒険者ギルドで酒が提供されないのはそういう背景があるらしい。
「あはは、連れて行かれちゃったね。それにしても意外な一面発覚!」
「そうでもない。ああいう人間はストレスの吐きどころを酒かたばこに委ねがちだからな」
俺はジュースを飲んでいた。
エクレアも持ってきたオレンジジュースをちびちび飲んでいると、俺に質問をしてきた。
「カイ君は他の人たちとパーティーを組む気はないの?」
「ない。正直お前とも切ってもいいとは思っている」
「えっ!?」
「そもそも俺は元はソロだ。わざわざ使えない仲間に命を任せるなんて馬鹿みたいな真似、俺はごめんだね」
俺は正直に伝えた。
するとエクレアは疑問になったのか、俺に気になっていたことを投げかける。
この質問の続きで、正直真っ当なものだった。
「それじゃあどうして私とパーティーを組んでくれているの?」
「はっ? お前が勝手に巻き込んだんだろ」
「うっ、確かにそうだけど……カイ君も楽しんでくれていると思ったよ」
「んなわけないだろ。ただし、1つだけ良い面もある」
俺は立ち上がるとテーブルに空のカップを置いて立ち去ることにした。
去り際に俺がエクレアの質問の続きの答えを投げかけると、エクレアは呆気に取られていた。
「俺はお前のことをどうとは思わないが、強さには気に入っている」
それだけ言い残すと、俺は陰者として冒険者ギルドを出た。
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