1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう

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魔術運動会編1

47.買い出しに来ただけなのに

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 ルカは、〈マギアラ〉の中にある雑貨屋さんに来た。
 ここだと大体揃う。それを見越してのはずだったが、まさか問題が生じた。
 他のクラスと鉢合わせになった。

「あの、もしかしてペンキ使うんですか?」
「ええ。この青いペンキがね!」
「うーんと。それはちょっと困るかな」

 ルカもそうだが、相手も同じ色のペンキで被ってしまった。

「譲ってくれない?」
「駄目ですよ。これは私たちのクラスのものです」
「違うんじゃないかな? まだ買ってないし」
「そうですか。ではお先に……?」

 そう言いながら、勝手に持ち出されては困る。ルカの決意は固かった。

「あのー、放してくれないかしら」
「嫌だけど」
「まあ! この私に、指図する気ですか!」

 当たり前だ。絶対に譲らない。
 ルカは食い下がらなかった。

「悪いけど、一つしかないんだ。仲良く使うとかできないのかな?」
「できませんわ。これは私が頼まれたことですもの、失望されては困る由々しき事態ですの」
「由々しきって。それほどでもない気がするけど」

 それこそ、ルカがそう感じているだけなのか。それともこんなしょうもないことで、本気になるのがおかしいのか? ルカにはわからない。
 しかし引き下がるわけにはいかないラインにまで来ている。
 そこで、ルカが手を離さないでいると、周りのお客の目が痛い。

「あのさ、一旦外に出ない? 目立ってるけど」
「目立つのは嫌いではないので、構いませんわ」

 いやいや、そうではない。ルカは溜息交じりに、

「周りの人の迷惑になるからだよ。ほら、出るよ」
「は、はうう」

 少女は、ルカに連れられ、お店の外に出た。
 それこそ、ペンキは先に買っておく。領収書を切った。

 それから外に出ると、ルカと少女は少し開けた場所に来た。
 すると、

「さてと、そのペンキの入った缶。いただきますわね」
「それは困るよ。だから公平に」

 ルカが話し出そうとした。
 しかし少女は、制服のネクタイを締め直し、

「そうですね。ここは公平に、勝負と行きましょうか」
「はい?」

 ルカは顔を顰める。
 すると、少女は持っていた手袋を投げつけ、決闘を申し込む。これぞ決闘。それこそ、ルカは久々だった。

「決闘ですか?」
「ええそうよ。この私、スプラ・ブルーウェブは、貴女に決闘を申し込むわ」
「本気なんだ。でもこれ、私が拾わなかったら、いいだけだよ」
「ふん逃げるのね!」
「逃げるではなく、私は面倒なだけなんだけど」

 正直に言おう。こんなことするよりも、隣町まで言って買ってきた方がいい。
 あ、そうか。確か、隣町はシルヴィアたちの活躍により、壊滅したんだっけ。仕方ない。面倒だけど、こっちの方が早かった。

「わかった。でも、使うのは中級までで、町への被害は出さないこと」
「当たり前ですわ。私、そこまで馬鹿じゃないのよ」
「はいはい」

 ルカは手袋を拾い、決闘の申し出を受けた。

「スプラ・ブルーウェブ」
「トキワ・ルカ」
「「神聖なる魔術の祖よ、我らの決闘を見定めよ!」」

 そんな二人は決闘の掛け声を合わせた。
 それは昔からの仕来りではあるが、意味はないものだった。
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