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魔術運動会編1
66.惨状の記憶
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完全にこと切れた遺体を見てしまった。
最初は制止していたシルヴィアたちも、時間の経過でいたたまれなくなり、勇気を出して遺体を見ていた。
それからルカ達は、簡単ではあるが、遺体を始めとして現場保存をした。
「如何して、こんなことに……」
「シルヴィ、大丈夫?」
「如何して、如何してこんな酷いことをするんだろう……」
「それはわからないけど、私達にできるのは、このくらいしかないから」
「う、うん。でも、一体誰が……」
悲しそうな顔をする、シルヴィア。
それからしばらくすると、誰かが走ってくる音がした。
ここは林だ。人通りも、そこまでないので、一般人が迷い込むことも少ないはずだった。
「皆んな、そこで何をしている!」
「あれは、生徒会長?」
やって来たのは、生徒会長だった。
それからすぐに別の人影、それはノーブル先生だった。
「ルカさん達、こんなところで何をしているんですか」
「生徒会長、ノーブル先生」
「それが、その……」
「人が死んでるんだよねー」
ライラックは頭の上で、腕を組んでいた。
へらへら話ライラックを辛辣な目で見るルカ達だったが、生徒会長のニイジマ・ナナミはそんな彼女たちの話を真意に受け止め、背後で横たわる男子先生の遺体を見つけた。
「これは、かなり酷い光景ですね」
「ニイジマ生徒会長、至急先生方を呼んできてください。貴女も、この気配に気づいていたのでしたら」
「もう声は掛けてあります。私は先行してきたまでです」
「なるほど、それで誰を呼んだのですか?」
「それは私ですよ、ノーブル先生」
聞き慣れた声がした。振り返ってみてみれば、そこにいたのは、ナタリー校長だった。
しかも今回は本体だった。
「やはり、魔力のこと切れは反応はありましたか」
「校長は、気づいておられたのですか」
「多少は。ですが、まさか魔術が関わっているとは思いませんでしたよ」
ナタリーは気が付いていた。
この遺体がただの爆発ではなく、まるで溶かされたみたいな、強烈な熱量でこんな姿に変えられていたことに。
しかし何を思ったのか、この瞬間に、ナタリーは無言だった。
それから手を合わせる素振りをしながら、ナタリーは無言を貫いた。
けれど、一人だけその声を聞いていた。
『ルカさん、これは一体』
『さあね。でも、こんなことをするような奴らだよ。平気でいられないよ』
『優しいですね。しかしこの熱量は、ただの魔術でしょうか?』
『わからないよ。でも、ただものじゃない気がする。多分、魔術を固めた砂爆弾みたいなものに近いと思うんだ』
『可能性は高いですね。それで目星は付きましたか?』
『何となくね。でも、私は知らないかな。黒い服を着た、黒い猫の刺青があった気がするけど』
『黒い猫の刺青?……ルカさん、これは相当のことです。例の件、お願いできますか』
『えっ!?』
ナタリーは考え込んでいた。
しかし声が聞こえなくなり、急に飛び出してきたのは、ルカが記憶を辿ってみた光景を話した瞬間。
まるで嫌悪するみたいな空気になり、ただ事ではない。おそらく、普通の魔術師だと、か
なり相手取るのが難しい相手何だろう。
それを受けたルカは、了承した。
『わかった。でも、満足のいく結果にはならないと思うよ』
『心得ています。その後のことは、私が』
『はいはい。あんまり、魔法使いらしいことは、してほしくないかな』
ルカは溜息交じりだった。
しかしナタリーは、生徒会長たちに、できることを伝えると、その場から全員を離すことにした。それからルカはたった一人で、その場から抜け出すと、別の場所に行くことになった。もちろん行く当てがないのではない、残った魔力の断片を探り、先程までの間に高速で処理したから、その足の向かう先は決まっていた。
最初は制止していたシルヴィアたちも、時間の経過でいたたまれなくなり、勇気を出して遺体を見ていた。
それからルカ達は、簡単ではあるが、遺体を始めとして現場保存をした。
「如何して、こんなことに……」
「シルヴィ、大丈夫?」
「如何して、如何してこんな酷いことをするんだろう……」
「それはわからないけど、私達にできるのは、このくらいしかないから」
「う、うん。でも、一体誰が……」
悲しそうな顔をする、シルヴィア。
それからしばらくすると、誰かが走ってくる音がした。
ここは林だ。人通りも、そこまでないので、一般人が迷い込むことも少ないはずだった。
「皆んな、そこで何をしている!」
「あれは、生徒会長?」
やって来たのは、生徒会長だった。
それからすぐに別の人影、それはノーブル先生だった。
「ルカさん達、こんなところで何をしているんですか」
「生徒会長、ノーブル先生」
「それが、その……」
「人が死んでるんだよねー」
ライラックは頭の上で、腕を組んでいた。
へらへら話ライラックを辛辣な目で見るルカ達だったが、生徒会長のニイジマ・ナナミはそんな彼女たちの話を真意に受け止め、背後で横たわる男子先生の遺体を見つけた。
「これは、かなり酷い光景ですね」
「ニイジマ生徒会長、至急先生方を呼んできてください。貴女も、この気配に気づいていたのでしたら」
「もう声は掛けてあります。私は先行してきたまでです」
「なるほど、それで誰を呼んだのですか?」
「それは私ですよ、ノーブル先生」
聞き慣れた声がした。振り返ってみてみれば、そこにいたのは、ナタリー校長だった。
しかも今回は本体だった。
「やはり、魔力のこと切れは反応はありましたか」
「校長は、気づいておられたのですか」
「多少は。ですが、まさか魔術が関わっているとは思いませんでしたよ」
ナタリーは気が付いていた。
この遺体がただの爆発ではなく、まるで溶かされたみたいな、強烈な熱量でこんな姿に変えられていたことに。
しかし何を思ったのか、この瞬間に、ナタリーは無言だった。
それから手を合わせる素振りをしながら、ナタリーは無言を貫いた。
けれど、一人だけその声を聞いていた。
『ルカさん、これは一体』
『さあね。でも、こんなことをするような奴らだよ。平気でいられないよ』
『優しいですね。しかしこの熱量は、ただの魔術でしょうか?』
『わからないよ。でも、ただものじゃない気がする。多分、魔術を固めた砂爆弾みたいなものに近いと思うんだ』
『可能性は高いですね。それで目星は付きましたか?』
『何となくね。でも、私は知らないかな。黒い服を着た、黒い猫の刺青があった気がするけど』
『黒い猫の刺青?……ルカさん、これは相当のことです。例の件、お願いできますか』
『えっ!?』
ナタリーは考え込んでいた。
しかし声が聞こえなくなり、急に飛び出してきたのは、ルカが記憶を辿ってみた光景を話した瞬間。
まるで嫌悪するみたいな空気になり、ただ事ではない。おそらく、普通の魔術師だと、か
なり相手取るのが難しい相手何だろう。
それを受けたルカは、了承した。
『わかった。でも、満足のいく結果にはならないと思うよ』
『心得ています。その後のことは、私が』
『はいはい。あんまり、魔法使いらしいことは、してほしくないかな』
ルカは溜息交じりだった。
しかしナタリーは、生徒会長たちに、できることを伝えると、その場から全員を離すことにした。それからルカはたった一人で、その場から抜け出すと、別の場所に行くことになった。もちろん行く当てがないのではない、残った魔力の断片を探り、先程までの間に高速で処理したから、その足の向かう先は決まっていた。
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