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魔術運動会編1
103.砕かれる闇の翼
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特別席は見えなくなった。
それもそのはず、ナタリーの仕上げたものだ。そう簡単に使えなくなったりはしない。
しかしそれこそが狙いでもあった。この者にとっては。
「それでは女王陛下。これより閉会式ですので、少々お時間を要しますがよろしいでしょうか?」
「はい、構いません」
「それでは女王陛下、しばし……」
パニラ教頭の声が止んだ。
冷ややかな気配を感じて動けなくなる。
それだけではない。マンダー教頭も、威圧的な冷たい空気に苛まれていた。
「いやはや、これは一体何ごとですかな」
「わかりません。ですが女王陛下……」
「動くな、既にお前たちの命は、私が握っている」
「やはり……」
剣の先から冷たい空気が出ていた。
魔剣と呼ばれる剣だ。この剣は王国の剣士がかつて使っていたとされる、スカーレットとは対になるような意味を持つ他国の剣。その国との友好関係により、これまで使って来たまさに秘剣でしたが、三人は震えあがった。
隣にいるはずのメイドも動くことはできず、その剣を持つ騎士だけが動けていた。そう、これは騎士の剣だ。
「第二騎士団長。如何してこんなことを……」
「もともと私は、貴女の首を狙う騎士です。いや、黒影の翼とでも言ったらよいのでしょうか」
「その名は、やはり」
キダチ・E・スカーレットは眉根を寄せた。
その名は知っている。何故なら、ダリアの心に鍵をかけた事件。その張本人たちとも呼ぶべき集団だった。
しかし当初いたはずのメンバーのうち、二十三人はダリアが殺した。その生き残りがいたのでしょうか。
「貴方は、あの時の……」
「ふん。随分と長くなってしまった。あの時唯一生き残った私には、悲願を成す義務があった。そのため、これまで辛抱してきたが、まさか最後は私に手で下すことになるなって」
「目的は……この国の終焉ですか」
「わかっているなら、教える必要はないな。この国は血の色が足りない。そのためには、あんたが邪魔なんだよ、とっとと死ね! キダチ・E・スカーレット!」
「させませんよ」
男の手が止まった。
いや、手首を掴まれて動けないでいた。
しかし、男は振り返ることはできない。そもそもその必要はない。
何故なら、この場で動ける人間は他に一人だけなんだ。
「何故だ同士」
「同士? 私はそんな薄汚いものとは違いますよ。それにしてもナタリー校長と、ニッカ先生には感謝しないといけませんね」
「どういうことだ」
「それに答える義務はありませんよ」
とは言っても答えは決まっていました。
ナタリー校長が作った魂の無い人形に、ニッカ先生が精神を潜り込ませて、夜間の間必死に仲間のふりをしてくれていた。
それを聞いたノーブルが、【秩序】の能力を行使して、《無垢なる秩序》を発動。自らの魔力の反応を消し、他者の望む形に書き換えたんだ。難しいことではあるが、できていた。
「と言うわけで、私の勝ちです」
「馬鹿な。掴まれたぐらいで勝ったと……れ、冷気が!」
「私は秩序ですよ。貴方の魔力は飽和して、崩壊した。無効ではなく、散らしたんです」
「ば、馬鹿なそんなことが、うわぁ!」
「終わりです」
ノーブルは容易だった。
無効には劣るとも思われがちだが、散らす行為はその魔力を取り込むことにある。
それを極めたノーブルは体術で軽く落とした。
「これで終わり。結局最後が一番弱かったですね」
「それを言っては可哀そうですよ、ノーブル」
「はい、女王陛下。それにしても、女王陛下。今回の事件、貴女は……」
「気づいていましたよ。しかし、それも数刻前です」
「そうですか。でも、無事でよかった」
「ありがとうございます。ミスト幹部、【秩序】のノーブル」
「炎帝の剣巫女」
二人はそう呼び合った。
しかし周りはわかっていない。
それもそのはずと、二人の空気は異なっていたが、これにて事件は終息した。
それもそのはず、ナタリーの仕上げたものだ。そう簡単に使えなくなったりはしない。
しかしそれこそが狙いでもあった。この者にとっては。
「それでは女王陛下。これより閉会式ですので、少々お時間を要しますがよろしいでしょうか?」
「はい、構いません」
「それでは女王陛下、しばし……」
パニラ教頭の声が止んだ。
冷ややかな気配を感じて動けなくなる。
それだけではない。マンダー教頭も、威圧的な冷たい空気に苛まれていた。
「いやはや、これは一体何ごとですかな」
「わかりません。ですが女王陛下……」
「動くな、既にお前たちの命は、私が握っている」
「やはり……」
剣の先から冷たい空気が出ていた。
魔剣と呼ばれる剣だ。この剣は王国の剣士がかつて使っていたとされる、スカーレットとは対になるような意味を持つ他国の剣。その国との友好関係により、これまで使って来たまさに秘剣でしたが、三人は震えあがった。
隣にいるはずのメイドも動くことはできず、その剣を持つ騎士だけが動けていた。そう、これは騎士の剣だ。
「第二騎士団長。如何してこんなことを……」
「もともと私は、貴女の首を狙う騎士です。いや、黒影の翼とでも言ったらよいのでしょうか」
「その名は、やはり」
キダチ・E・スカーレットは眉根を寄せた。
その名は知っている。何故なら、ダリアの心に鍵をかけた事件。その張本人たちとも呼ぶべき集団だった。
しかし当初いたはずのメンバーのうち、二十三人はダリアが殺した。その生き残りがいたのでしょうか。
「貴方は、あの時の……」
「ふん。随分と長くなってしまった。あの時唯一生き残った私には、悲願を成す義務があった。そのため、これまで辛抱してきたが、まさか最後は私に手で下すことになるなって」
「目的は……この国の終焉ですか」
「わかっているなら、教える必要はないな。この国は血の色が足りない。そのためには、あんたが邪魔なんだよ、とっとと死ね! キダチ・E・スカーレット!」
「させませんよ」
男の手が止まった。
いや、手首を掴まれて動けないでいた。
しかし、男は振り返ることはできない。そもそもその必要はない。
何故なら、この場で動ける人間は他に一人だけなんだ。
「何故だ同士」
「同士? 私はそんな薄汚いものとは違いますよ。それにしてもナタリー校長と、ニッカ先生には感謝しないといけませんね」
「どういうことだ」
「それに答える義務はありませんよ」
とは言っても答えは決まっていました。
ナタリー校長が作った魂の無い人形に、ニッカ先生が精神を潜り込ませて、夜間の間必死に仲間のふりをしてくれていた。
それを聞いたノーブルが、【秩序】の能力を行使して、《無垢なる秩序》を発動。自らの魔力の反応を消し、他者の望む形に書き換えたんだ。難しいことではあるが、できていた。
「と言うわけで、私の勝ちです」
「馬鹿な。掴まれたぐらいで勝ったと……れ、冷気が!」
「私は秩序ですよ。貴方の魔力は飽和して、崩壊した。無効ではなく、散らしたんです」
「ば、馬鹿なそんなことが、うわぁ!」
「終わりです」
ノーブルは容易だった。
無効には劣るとも思われがちだが、散らす行為はその魔力を取り込むことにある。
それを極めたノーブルは体術で軽く落とした。
「これで終わり。結局最後が一番弱かったですね」
「それを言っては可哀そうですよ、ノーブル」
「はい、女王陛下。それにしても、女王陛下。今回の事件、貴女は……」
「気づいていましたよ。しかし、それも数刻前です」
「そうですか。でも、無事でよかった」
「ありがとうございます。ミスト幹部、【秩序】のノーブル」
「炎帝の剣巫女」
二人はそう呼び合った。
しかし周りはわかっていない。
それもそのはずと、二人の空気は異なっていたが、これにて事件は終息した。
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