1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう

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悪魔教会編

171.巻き込まれた彼女たち

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「と言うことで、いつもの3人には集まってもらったんだけど……」
「いやいや、いつもの3人って何よ! 私何も聞いてないんだけど」
「うん、言ってないからね」

 シルヴィアは文句を吐いた。だけど当然として飲み込む。
 ライラックも眠たいのか瞼を擦り、対照的にダリアはわくわくして拳を握っていた。
 やっぱり面白い3人だ。

「ちなみにみんなは誰から呼ばれたの?」
「校長先生に決まっているでしょ。それにしても、今回は何なの」
「今回って、まあいつもの事だよ」

 シルヴィアに言われ、反応に困るルカ。
 正直、“いつもの事”で流していいような簡単な話じゃない。
 スカーレット王国の危機に直面していると言えば女王陛下の事案と似ている。
 けれど安易に片づけて言いものでもない。

「ルカさん、私は全力で力を貸しますね」
「ありがとうダリア。だけど……あはは、正直信頼され過ぎてる気が……」
「ルカさんのすることに間違いはありません! 断言できます」
「断言しないで!」

 ルカはダリアに断言されても困った。
 その間ライラックは大きな欠伸をかきながら、話が進まないことにツッコみを入れてくる。

「それでふぁー、こんな朝早くから……しかも学校を休んでまで何するのー?」
「概要は聞いていると思うけど、シルヴィア?」
「何倒置法なのよ! 私は睡眠不足じゃないわよ」
「いや、隈ができているから。それで概要は聞いてる?」
「もちろんよ。って言いたいけど、何か大変なことが起きているのよね? それぐらいしか聞いていないわ」
「うわぁ、ざっくりしてるね」

 ナタリーはシルヴィアたちに何も教えていないらしい。
 これは簡潔に話した方が納得してもらえるかもしれない。
 ライラックとダリアはいいとして、シルヴィアはそう簡単に納得してくれるかわからない。

「えーっと、じゃあざっくり。この町で古い悪魔召喚の儀式が密かに行われているらしくて、その儀式を半年前から止めようと頑張っているうちのクラスの首席の手伝いをして敵対組織を叩き潰して来いってことらしいよ」
「えっ、はい? えーっと、もう一回言って……あれ?」

 案の定、シルヴィアはパニックに陥った。
 けれど幸いなことにライラックとダリアは納得してくれたらしい。
 「「なるほど、わかりました」」と2人ももちら側に引き込めたので、多数決は勝った。
 シルヴィアは孤立して、「あれ? えっ?」とあたふたし出す。

「つまりさー、悪魔召喚をやろうとしている組織を叩き潰せってことだねー」
「それはこの国の危機ですね。全部壊しましょう!」
「うん、壊しちゃダメね。死んじゃうからね」
「「えっ? ダメなの」」
「ダメでしょ」

 ルカは忘れていた。2人は肝が据わっている。
 シルヴィアだけこちら側で安堵したものの、あまりに突飛すぎてまだ付いて来てくれない。

「ってことで、大体わかった?」
「わからないわよ! そもそも悪魔召喚の儀式って、そんな千年前の遺物がまだ残っているわけないでしょ!」
「いや、残っているよ。例えば、あそこに」

 ルカは指を差した。
 マギアラの町中にある大きな広場、その噴水の中に千年前の魔法の跡が残っている。
 ルカはシルヴィアに噴水の中を調べるように言うと、仕方なく噴水の中に足を付けた。
 すると凸凹とした無数の凹み痕が残っている。

「初めて入ったけど、こんなのがあったのね」
「それが千年前の魔法。ナタリー校長曰く、この町全体に水が行き届いているのはその魔法の効果で絶えず水を生み出し続けているかららしいよ」
「そうだったの! 知らなかった」
「ちなみに悪魔召喚の儀法もちゃんとあるらしいから、信じるかはシルヴィアが決めればいいけどね」

 とは言え、ここまで来たら本物だ。
 シルヴィアの性格上、正義に準ずる。真実が後押しになって、シルヴィアは溜息を吐いた。

「わかったわよ。それで、主席は何処にいるの」
「こっち。ちなみにこれから命懸けになるから気を付けてね」
「はい?」

 シルヴィアは首を捻ったが、ルカはにやりと笑みを浮かべていた。
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