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悪魔教会編
212.悪魔憑き
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教祖の目は狂っていた。
白い部分と青い部分がありえない方向を向いている。
もう人間じゃないのは明らかで、「遅かった」と口にしてまで後悔する。
この人は既に悪魔になってしまったんだ。しかも召喚ではなく、自分の体に悪魔を降ろすことでその能力を手に入れたらしい。
「さぁ、これで私は無敵となった。千年前の悲願を果たそうではないか!」
「させないけどね」
ルカは瞬時に駆け出すと、教祖に向かって拳を繰り出した。
しかし教祖はルカのパンチを簡単に避けると、悪魔を降ろしたことで手に入れた膨大な魔力と魔法を発動する。
「これが千年前の魔法。魔術などと言う劣化品ではない、私たちが悲願の魔法!」
「うわぁ、体が重たい」
「ルカさん!」
ルカの体が地面に叩きつけられた。ようなふりをした。
しかし本当に重力を支配している。
これが教祖が降ろした悪魔バルトラの能力。血の契約によって結ばれた重力操作だった。
「ブルースター気を付けて。キョウソは既にバルトラと契約してる。体の半分がバルトラになっているんだ!」
「そんな……くっ、《星の銃》!」
ブルースターは《星の銃》を繰り出した。
指先に光が凝縮し、教祖に迷いなく撃ち出した。
「ぬるい」
教祖が腕を振ると、ブルースターがせっかく放った《星の銃》がかき消されてしまった。
その光景を見ていたルカは、ブルースターの魔法がバルトラの重力操作によって光そのものが分散されたと感じた。
倒れた状態で見ていたらよくわかったが、強力な重力によって飲み込まれたみたいだ。
上や下に重力で光が引っ張られて、強力な重力場の網の中に消えてしまったんだ。
(まあ、強力な重力は光すら飲み込むからね。これは大変だぞ。さて、どうするブルースター)
本当はルカはいつでも動けた。しかしブルースターの実力をこの目で見たくて少しだけ戦闘不能のふりをする。
どれだけ強力な光を放とうが、それ以上の重力によって消されてしまうなら結局手詰まりだ。
「……質問してもよろしいですか?」
「ははっ、ここに来て時間稼ぎか。まあいいだろう。どのみちこの世界は終わる」
「この世界が終わるなんて根拠がその魔法にあるのですか? 確かに重力を支配することで、私の攻撃はかき消せても、本当にこの世界を滅ぼすことが可能なんですか?」
ブルースターの質問は根幹にかかわるようなものだった。
しかしそれをそう易々と教える馬鹿はいない。
だが教祖は価値を確信しているのか、ルカが気絶していないにもかかわらず気付かずに口にした。
「冥途の土産にでも教えて差し上げましょう。この重力は私の領域の中にある。もっとも、貴方の先祖が遺してくれた教会の欠片があってこそですがね」
教祖はそう言うと、口の中から何かを取り出して見せた。
それは小さな石の欠片のようだが、バルトラ召喚の触媒にも使用したプラネット教会の外壁だ。千年前にバルトラ召喚を阻止され、その残骸を再利用したものなので、千年の時が経っても尚その悪魔の触媒として利用できたのだろう。
「つまり、その触媒を破壊さえしてしまえば貴方とバルトラとの契約は無効になる。そういうことですね」
「それができればな」
教祖はそう言うと触媒としているプラネット教会の外壁の欠片を飲み込んだ。
ドクン!
血が脈打つ音が聞こえた。ルカもブルースターも異変を感じると、一歩身を退いた。
教祖の頭から鋭い角が生えた。
両手の爪が鋭く伸びて、全身が鱗のように硬化する。
「これは……マズいですね」
ルカも同意見だった。
ブルースターは《星の銃》を高速で撃ち出し、教祖を殺そうとした。
しかし教祖はバルトラの魔法を使い重力場を発動させると、《星の銃》をかき消してしまう。
「そんな……私の《星の銃》がっ。行けっ!」
今度は《星の銃》を指先からではなく空中に三つ展開した。
一つ一つから極太のレーザーのように撃ち出されたが、全部重力場によって阻害され屈折してしまう。
ブルースターの渾身の魔法をバルトラの魔法を得た教祖には効果がなく、苦汁を舐める姿をルカは見ていた。
(重力を操るってことは引力と斥力すら操れるってこと。つまり、まだ教祖には隠し玉がある)
「先程の答えの続きを説明してあげましょうか。この世界を滅ぼすことは簡単ですよ。こうすればいいんです!」
バルトラの魔法で強力な引力が部屋の中を飲み込んだ。
ルカとブルースターの体が地面に叩きつけられる。
壁や天井が軋み出し、完全に空間の支配を取られてしまった。
「こんなところで……こんな……私は負けません。これは私がやらないといけないんです!」
ブルースターの肩甲骨から虹色の光が迸った。
まだ方法はある。ルカはブルースターの実力を垣間見た。
白い部分と青い部分がありえない方向を向いている。
もう人間じゃないのは明らかで、「遅かった」と口にしてまで後悔する。
この人は既に悪魔になってしまったんだ。しかも召喚ではなく、自分の体に悪魔を降ろすことでその能力を手に入れたらしい。
「さぁ、これで私は無敵となった。千年前の悲願を果たそうではないか!」
「させないけどね」
ルカは瞬時に駆け出すと、教祖に向かって拳を繰り出した。
しかし教祖はルカのパンチを簡単に避けると、悪魔を降ろしたことで手に入れた膨大な魔力と魔法を発動する。
「これが千年前の魔法。魔術などと言う劣化品ではない、私たちが悲願の魔法!」
「うわぁ、体が重たい」
「ルカさん!」
ルカの体が地面に叩きつけられた。ようなふりをした。
しかし本当に重力を支配している。
これが教祖が降ろした悪魔バルトラの能力。血の契約によって結ばれた重力操作だった。
「ブルースター気を付けて。キョウソは既にバルトラと契約してる。体の半分がバルトラになっているんだ!」
「そんな……くっ、《星の銃》!」
ブルースターは《星の銃》を繰り出した。
指先に光が凝縮し、教祖に迷いなく撃ち出した。
「ぬるい」
教祖が腕を振ると、ブルースターがせっかく放った《星の銃》がかき消されてしまった。
その光景を見ていたルカは、ブルースターの魔法がバルトラの重力操作によって光そのものが分散されたと感じた。
倒れた状態で見ていたらよくわかったが、強力な重力によって飲み込まれたみたいだ。
上や下に重力で光が引っ張られて、強力な重力場の網の中に消えてしまったんだ。
(まあ、強力な重力は光すら飲み込むからね。これは大変だぞ。さて、どうするブルースター)
本当はルカはいつでも動けた。しかしブルースターの実力をこの目で見たくて少しだけ戦闘不能のふりをする。
どれだけ強力な光を放とうが、それ以上の重力によって消されてしまうなら結局手詰まりだ。
「……質問してもよろしいですか?」
「ははっ、ここに来て時間稼ぎか。まあいいだろう。どのみちこの世界は終わる」
「この世界が終わるなんて根拠がその魔法にあるのですか? 確かに重力を支配することで、私の攻撃はかき消せても、本当にこの世界を滅ぼすことが可能なんですか?」
ブルースターの質問は根幹にかかわるようなものだった。
しかしそれをそう易々と教える馬鹿はいない。
だが教祖は価値を確信しているのか、ルカが気絶していないにもかかわらず気付かずに口にした。
「冥途の土産にでも教えて差し上げましょう。この重力は私の領域の中にある。もっとも、貴方の先祖が遺してくれた教会の欠片があってこそですがね」
教祖はそう言うと、口の中から何かを取り出して見せた。
それは小さな石の欠片のようだが、バルトラ召喚の触媒にも使用したプラネット教会の外壁だ。千年前にバルトラ召喚を阻止され、その残骸を再利用したものなので、千年の時が経っても尚その悪魔の触媒として利用できたのだろう。
「つまり、その触媒を破壊さえしてしまえば貴方とバルトラとの契約は無効になる。そういうことですね」
「それができればな」
教祖はそう言うと触媒としているプラネット教会の外壁の欠片を飲み込んだ。
ドクン!
血が脈打つ音が聞こえた。ルカもブルースターも異変を感じると、一歩身を退いた。
教祖の頭から鋭い角が生えた。
両手の爪が鋭く伸びて、全身が鱗のように硬化する。
「これは……マズいですね」
ルカも同意見だった。
ブルースターは《星の銃》を高速で撃ち出し、教祖を殺そうとした。
しかし教祖はバルトラの魔法を使い重力場を発動させると、《星の銃》をかき消してしまう。
「そんな……私の《星の銃》がっ。行けっ!」
今度は《星の銃》を指先からではなく空中に三つ展開した。
一つ一つから極太のレーザーのように撃ち出されたが、全部重力場によって阻害され屈折してしまう。
ブルースターの渾身の魔法をバルトラの魔法を得た教祖には効果がなく、苦汁を舐める姿をルカは見ていた。
(重力を操るってことは引力と斥力すら操れるってこと。つまり、まだ教祖には隠し玉がある)
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ルカとブルースターの体が地面に叩きつけられる。
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