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雷鳥編
251.真白な山頂
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ルカたちは何とか崖を登り切った。
一時はどうなることかと思ったが、気を付けながら慎重に指を掛け、滑りやすい岩肌を筋力で上がっていく。
徐々に切れ目が近くなり、その度に落ちる心配をした。
けれどモンスターが襲ってくることも自然が敵になりルカ達を襲うこともなかった。
あっさり切れ目まで辿り着くと、腕の力を使ってルカは身を乗り出した。
「よいっしょっと」
上半身を出し、周囲を確認。
久々に見た外の景色にホッとして、同時に敵の姿がないことを目視した。
魔力を飛ばして気配を探るも、敵意を持った怪しい魔力は無い。
ひとまず安心を安全を確認したルカは這い上がり、シルヴィア達に手を伸ばす。
「とりあえず大丈夫そうだから、みんなも上がって来て」
そう言いつつ、シルヴィアに手を差し伸べた。
ギュッと強く握り、ルカは腕の力を使ってシルヴィアを引き上げる。
「ありがとルカ。よいっしょっと」
「気を付けてね。少し滑りやすくなっているから」
シルヴィアを引き上げると、案の定足下が滑りやすくなっていた。
冷え込んでいるせいか、霜が張っている。
つるんと足が滑り、ルカにもたれかかった。
「キャッ!」
「おっと。だから気を付けてって言ったんだよ」
シルヴィアに抱きつかれたルカだがいつも通り注意をした。
シルヴィアは変な声が出てしまい恥ずかしくなる。
顔がリンゴのように赤くなり、それでも「ありがと」と再度感謝した。
「あっ、ズルいです。シルヴィアさん、私もルカさんに抱きつきたいです」
「何意味不明なことを言っているのかな?」
ダリアは頬を膨らませてむくれていた。
突然意味が解らないことを言われたので、ルカは眉根を寄せている。
人の不幸を笑っているように聞こえたので、あまり同情できないのだ。
「よいっしょっと。ふはー、空気薄いなー」
それからダリア、ブルースターに続きライラックも崖を登り切った。
そんなライラックの第一声が今の場所を表している。
「相当高いところまで来たね。多分、山頂まで僅かだよ」
「最初来た崖があんなに殺風景だったのに、ここは白いわね」
シルヴィアは降り積もった薄い雪を見ながら感想を述べた。
周囲には降り積もっているわけではないにしろ、薄い雪が敷き詰められていた。
まさに天然の絨毯に、ダリアは感動している。
「凄いです。それに懐かしいです」
「懐かしい? もしかして修行していた時のこと?」
「はい。心が廃れていたころの私が修行で雪山に先生と来た時、こんな雪を見たんです。それから死にかけました」
「如何いう修業を積んでいるのかな? しかもそれに対して何も言わない王族はどうなっているのかな?」
ルカはとんでもない修行を積んできたなと思った。
千年前の魔法使いならではの無茶な発想に幻滅した。
「ま、まあそれはさておき……」
「あっ、何か流したわね」
「流してない流してない。それはさておき、山頂を目指そう。そこまで行けば、雷鳥の巣も近いはずだからね」
そろそろ雷鳥の子供を亜空間から出してやりたい。
生物がずっと亜空間に留まるとむず痒い気分になる。
ルカの足取りが自然と速くなり、山頂を目指して歩き始めた。
「それにしても山頂まで結構あるわね」
「ざっと五百メートルくらいかな? 強化魔術を使って進みよ。ここまでかなり時間押しているから」
アクシデントに見舞われた代償は大きい。
山の天気は変わりやすく、先程崖から見た時は晴れていたのに少し曇り空になっている。
このままゆっくり山頂を目指していたら全員死ぬ。
それくらいこの山は恐ろしい。
「少し雪が増えましたね。うわぁ、見てください。ホワイトハーブですよ!」
「本当ですね。こちらにはヤリオレ草が生えていますね。よほど魔力の循環が良いのでしょう」
「一応霊山の一種らしいからね。地脈の流れ的に魔力も相当供給されているんだよ。しかも純度は高いと来た。多分この雪が解けた影響で、何万年もの間に凝縮されているんだろうね」
だから雷鳥が棲んでいる。
どれと同時に天気もある程度は一定。時には危険な空模様が現れる。
どちらにしてもルカにとっては面白い部類だった。
「一つ気になったんだけど、密猟者は如何しているのかしら?」
「多分もっと下の方じゃない? ほら、ここまで来るのって相当時間かかるでしょ? 私たちみたいに魔術が使えるわけじゃないんだからさー」
ライラックはシルヴィアの質問に的確に返した。
これ以上ない返しにルカも首を縦に振る。
「私も同意見かな。多分私たちが死んだと思って浮かれているんだよ」
「何だか釈然としないわね」
「でも戦闘になったら容赦しないでしょ?」
「当たり前よ。こうなったのもアイツらのせいなんだから。徹底的にやっちゃうわよ」
「いいじゃんかー、私もやろーっと」
シルヴィアに乗っかりライラックもやる気満々だ。
流石に穏便に解決する手段は残っていないし、こっちの提案も飲まない。
やりすぎは本当に注意して、万が一の時は間に入って適当に流そうとルカは決めた。
一時はどうなることかと思ったが、気を付けながら慎重に指を掛け、滑りやすい岩肌を筋力で上がっていく。
徐々に切れ目が近くなり、その度に落ちる心配をした。
けれどモンスターが襲ってくることも自然が敵になりルカ達を襲うこともなかった。
あっさり切れ目まで辿り着くと、腕の力を使ってルカは身を乗り出した。
「よいっしょっと」
上半身を出し、周囲を確認。
久々に見た外の景色にホッとして、同時に敵の姿がないことを目視した。
魔力を飛ばして気配を探るも、敵意を持った怪しい魔力は無い。
ひとまず安心を安全を確認したルカは這い上がり、シルヴィア達に手を伸ばす。
「とりあえず大丈夫そうだから、みんなも上がって来て」
そう言いつつ、シルヴィアに手を差し伸べた。
ギュッと強く握り、ルカは腕の力を使ってシルヴィアを引き上げる。
「ありがとルカ。よいっしょっと」
「気を付けてね。少し滑りやすくなっているから」
シルヴィアを引き上げると、案の定足下が滑りやすくなっていた。
冷え込んでいるせいか、霜が張っている。
つるんと足が滑り、ルカにもたれかかった。
「キャッ!」
「おっと。だから気を付けてって言ったんだよ」
シルヴィアに抱きつかれたルカだがいつも通り注意をした。
シルヴィアは変な声が出てしまい恥ずかしくなる。
顔がリンゴのように赤くなり、それでも「ありがと」と再度感謝した。
「あっ、ズルいです。シルヴィアさん、私もルカさんに抱きつきたいです」
「何意味不明なことを言っているのかな?」
ダリアは頬を膨らませてむくれていた。
突然意味が解らないことを言われたので、ルカは眉根を寄せている。
人の不幸を笑っているように聞こえたので、あまり同情できないのだ。
「よいっしょっと。ふはー、空気薄いなー」
それからダリア、ブルースターに続きライラックも崖を登り切った。
そんなライラックの第一声が今の場所を表している。
「相当高いところまで来たね。多分、山頂まで僅かだよ」
「最初来た崖があんなに殺風景だったのに、ここは白いわね」
シルヴィアは降り積もった薄い雪を見ながら感想を述べた。
周囲には降り積もっているわけではないにしろ、薄い雪が敷き詰められていた。
まさに天然の絨毯に、ダリアは感動している。
「凄いです。それに懐かしいです」
「懐かしい? もしかして修行していた時のこと?」
「はい。心が廃れていたころの私が修行で雪山に先生と来た時、こんな雪を見たんです。それから死にかけました」
「如何いう修業を積んでいるのかな? しかもそれに対して何も言わない王族はどうなっているのかな?」
ルカはとんでもない修行を積んできたなと思った。
千年前の魔法使いならではの無茶な発想に幻滅した。
「ま、まあそれはさておき……」
「あっ、何か流したわね」
「流してない流してない。それはさておき、山頂を目指そう。そこまで行けば、雷鳥の巣も近いはずだからね」
そろそろ雷鳥の子供を亜空間から出してやりたい。
生物がずっと亜空間に留まるとむず痒い気分になる。
ルカの足取りが自然と速くなり、山頂を目指して歩き始めた。
「それにしても山頂まで結構あるわね」
「ざっと五百メートルくらいかな? 強化魔術を使って進みよ。ここまでかなり時間押しているから」
アクシデントに見舞われた代償は大きい。
山の天気は変わりやすく、先程崖から見た時は晴れていたのに少し曇り空になっている。
このままゆっくり山頂を目指していたら全員死ぬ。
それくらいこの山は恐ろしい。
「少し雪が増えましたね。うわぁ、見てください。ホワイトハーブですよ!」
「本当ですね。こちらにはヤリオレ草が生えていますね。よほど魔力の循環が良いのでしょう」
「一応霊山の一種らしいからね。地脈の流れ的に魔力も相当供給されているんだよ。しかも純度は高いと来た。多分この雪が解けた影響で、何万年もの間に凝縮されているんだろうね」
だから雷鳥が棲んでいる。
どれと同時に天気もある程度は一定。時には危険な空模様が現れる。
どちらにしてもルカにとっては面白い部類だった。
「一つ気になったんだけど、密猟者は如何しているのかしら?」
「多分もっと下の方じゃない? ほら、ここまで来るのって相当時間かかるでしょ? 私たちみたいに魔術が使えるわけじゃないんだからさー」
ライラックはシルヴィアの質問に的確に返した。
これ以上ない返しにルカも首を縦に振る。
「私も同意見かな。多分私たちが死んだと思って浮かれているんだよ」
「何だか釈然としないわね」
「でも戦闘になったら容赦しないでしょ?」
「当たり前よ。こうなったのもアイツらのせいなんだから。徹底的にやっちゃうわよ」
「いいじゃんかー、私もやろーっと」
シルヴィアに乗っかりライラックもやる気満々だ。
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