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聖夜編
300.ホーリーの町にやっと着いた
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ガタガタガタガタ!
特急竜車は四日目も勢いよく進んでいた。
体感で感じる風圧や時間の流れは凄まじく、一時間で百キロ近くは移動したと錯覚した。
「もうすぐ見えてきますよ」
「やっとですか。楽しみですね。どんなところなんでしょうか?」
「さあ? でも確か長閑な町だったはずですよー」
如何やらリネアも行くのは初めてのようだ。
それもそのはず、特急竜車をここまで飛ばすことは有っても、わざわざホーリーのような長閑な田舎町に行くことは少なかった。
だからだろうか、リネアも少し楽しみにしていた。
新しい町ではその町の特産品に出会えるからだ。
食事の品数を増やすべくジュルリと舌を巻いた。
「そう言えばシルヴィアさん達は起こさなくても良いんですかー?」
「ん? ああ良いですよ。そのうち強制的に起こしますから」
シルヴィア達はまだ眠っていた。
そのため竜車の中はもの凄く静かで喧騒も何も無かった。
「あっ、何か見えてきましたよー」
「えーっと、確かに何かありますね。おお、ちょっと低いけど壁がある」
「モンスター避けですねー。ちょっと古いですけどー」
「そうですね。大分苔生してます」
遠目からだったがお互いに視認することができた。
その結果、灰色の少し苔が生え、黒ずんだ壁が見えたのだ。
目の前には入り口らしきものもあった。
本当に田舎と言う訳ではなく、しっかりと木製の柵とは違う素材の壁が建設されていた。
それはつまりたくさんの人が行き交うということが窺えた。
「うわぁ、馬車や竜車で混雑してる」
「そうですねー。やっぱりこの時期は噂通りですねー。ちょっと飛ばしますねー。はっ!」
みんなホーリーに伝わるクリスマスが原因だった。
そのせいでたくさんの観光客がやって来るので、守衛達は慌ただしかった。
「えーっと、観光ですね。通行証は……あっ、はい大丈夫です」
「すみません。この時期は人がたくさん町を行き交うので万が一に備えて身分証付きの通行証明書が必要なんです。手続きをしますので、向こうに回っていただけますか?」
もの凄く手馴れていた。如何やらこの町の守衛を筆頭に国の方から派遣されているようだ。
腕の腕章の色が違ったので一目で判った。
如何やら入れるのはまだ先らしい。
「長そうですね。良いですけど」
「気長に待ちましょうー。ん?」
リネアは入り口を凝視した。
ルカは視線の先が気になったので目で追ってみると、小さな少年が守衛に何か訴えかけていた。かなり真剣な面持ちのようだが、その真剣さが伝わらず、守衛は厄介そうな顔をしていた。
「子供相手に酷いですねー」
「でもあの表情、それからこの怯えた魔力。何かあったみたいですよ」
「そんなことまで判るんですか! 流石はルカさんですねー」
「まあ何となくですよ。とは言えこの距離だと人混みもあって表情が掴みにくいな」
もう少し距離が詰まっていたら精度も上がっていた。
だけど他の馬車の荷車が邪魔をして顔色を窺うことが難しかった。
「あっ、帰っていきましたよー」
「うーん。あんまり良くないよね。大抵こういうことが引き金になって、後を引くことに繋がるんだから」
ルカは過去にそれで潰れた国があったと思いだした。
少しだけ意識を背けさせると、いつの間にか守衛のところに辿り着いた。
「次の方どうぞ」
「はい、ルカさん順番が回ってきましたよー。さっきの子のこと聞いてみますかー?」
「お願いできるかな?」
「任せてくださいよー」
リネアは守衛に通行証を見せた。
ナタリーが用意した特別仕様で、何処の国にも手続き無く入れた。
「はい」
「お預かりしますね。おっ、もしかして特急竜車のリネアさん?」
「はい。私のこと知っているんですか?」
「もちろんですよ。リネアさんは有名ですからね。はい、どうぞお入りください」
「あっ、ちょっと待ってください。さっき子供が守衛さんに話をしていたみたいですけどー、何かあったんですか?」
「ん? さあ、何の話だったんでしょうね?」
あまりに反応が悪かった。白を切っているわけではないようだけど、真剣に話を聞いていなかったようだ。
けれど担当の人が違っていたので仕方なかった。
後ろも詰まって来ていたので、リネアは残念そうに「そうですかー」と答えてその場を空けた。
「すみませんねルカさん。話が聞けなくて」
「大丈夫ですよ。それより怖いのはヘルボロスの小指に子供が守衛に話しかける行為……もの凄く嫌な予感がする」
あまりもフラグを踏み過ぎていてルカは不気味に思った。
しかしリネアは「まあこういうこともありますよねー」ともっぱら呑気だった。
それからルカ達はリネアのおかげですんなりと町の中に入った。
最初に飛び込んできたのは長閑で少し肌寒い空模様だった。
「ここがホーリー」
「そうですよー。噂通り静かな所ですけど、今はクリスマス仕様です。きっと面白い物が見られるはずですねー」
リネアははしゃいでいた。少しでも場を盛り上げようとしてくれていた。
だけど面白い物なら目の前にあった。
建物を突き抜けるくらい背の高い木の先端が遠近法で見えていた。
特急竜車は四日目も勢いよく進んでいた。
体感で感じる風圧や時間の流れは凄まじく、一時間で百キロ近くは移動したと錯覚した。
「もうすぐ見えてきますよ」
「やっとですか。楽しみですね。どんなところなんでしょうか?」
「さあ? でも確か長閑な町だったはずですよー」
如何やらリネアも行くのは初めてのようだ。
それもそのはず、特急竜車をここまで飛ばすことは有っても、わざわざホーリーのような長閑な田舎町に行くことは少なかった。
だからだろうか、リネアも少し楽しみにしていた。
新しい町ではその町の特産品に出会えるからだ。
食事の品数を増やすべくジュルリと舌を巻いた。
「そう言えばシルヴィアさん達は起こさなくても良いんですかー?」
「ん? ああ良いですよ。そのうち強制的に起こしますから」
シルヴィア達はまだ眠っていた。
そのため竜車の中はもの凄く静かで喧騒も何も無かった。
「あっ、何か見えてきましたよー」
「えーっと、確かに何かありますね。おお、ちょっと低いけど壁がある」
「モンスター避けですねー。ちょっと古いですけどー」
「そうですね。大分苔生してます」
遠目からだったがお互いに視認することができた。
その結果、灰色の少し苔が生え、黒ずんだ壁が見えたのだ。
目の前には入り口らしきものもあった。
本当に田舎と言う訳ではなく、しっかりと木製の柵とは違う素材の壁が建設されていた。
それはつまりたくさんの人が行き交うということが窺えた。
「うわぁ、馬車や竜車で混雑してる」
「そうですねー。やっぱりこの時期は噂通りですねー。ちょっと飛ばしますねー。はっ!」
みんなホーリーに伝わるクリスマスが原因だった。
そのせいでたくさんの観光客がやって来るので、守衛達は慌ただしかった。
「えーっと、観光ですね。通行証は……あっ、はい大丈夫です」
「すみません。この時期は人がたくさん町を行き交うので万が一に備えて身分証付きの通行証明書が必要なんです。手続きをしますので、向こうに回っていただけますか?」
もの凄く手馴れていた。如何やらこの町の守衛を筆頭に国の方から派遣されているようだ。
腕の腕章の色が違ったので一目で判った。
如何やら入れるのはまだ先らしい。
「長そうですね。良いですけど」
「気長に待ちましょうー。ん?」
リネアは入り口を凝視した。
ルカは視線の先が気になったので目で追ってみると、小さな少年が守衛に何か訴えかけていた。かなり真剣な面持ちのようだが、その真剣さが伝わらず、守衛は厄介そうな顔をしていた。
「子供相手に酷いですねー」
「でもあの表情、それからこの怯えた魔力。何かあったみたいですよ」
「そんなことまで判るんですか! 流石はルカさんですねー」
「まあ何となくですよ。とは言えこの距離だと人混みもあって表情が掴みにくいな」
もう少し距離が詰まっていたら精度も上がっていた。
だけど他の馬車の荷車が邪魔をして顔色を窺うことが難しかった。
「あっ、帰っていきましたよー」
「うーん。あんまり良くないよね。大抵こういうことが引き金になって、後を引くことに繋がるんだから」
ルカは過去にそれで潰れた国があったと思いだした。
少しだけ意識を背けさせると、いつの間にか守衛のところに辿り着いた。
「次の方どうぞ」
「はい、ルカさん順番が回ってきましたよー。さっきの子のこと聞いてみますかー?」
「お願いできるかな?」
「任せてくださいよー」
リネアは守衛に通行証を見せた。
ナタリーが用意した特別仕様で、何処の国にも手続き無く入れた。
「はい」
「お預かりしますね。おっ、もしかして特急竜車のリネアさん?」
「はい。私のこと知っているんですか?」
「もちろんですよ。リネアさんは有名ですからね。はい、どうぞお入りください」
「あっ、ちょっと待ってください。さっき子供が守衛さんに話をしていたみたいですけどー、何かあったんですか?」
「ん? さあ、何の話だったんでしょうね?」
あまりに反応が悪かった。白を切っているわけではないようだけど、真剣に話を聞いていなかったようだ。
けれど担当の人が違っていたので仕方なかった。
後ろも詰まって来ていたので、リネアは残念そうに「そうですかー」と答えてその場を空けた。
「すみませんねルカさん。話が聞けなくて」
「大丈夫ですよ。それより怖いのはヘルボロスの小指に子供が守衛に話しかける行為……もの凄く嫌な予感がする」
あまりもフラグを踏み過ぎていてルカは不気味に思った。
しかしリネアは「まあこういうこともありますよねー」ともっぱら呑気だった。
それからルカ達はリネアのおかげですんなりと町の中に入った。
最初に飛び込んできたのは長閑で少し肌寒い空模様だった。
「ここがホーリー」
「そうですよー。噂通り静かな所ですけど、今はクリスマス仕様です。きっと面白い物が見られるはずですねー」
リネアははしゃいでいた。少しでも場を盛り上げようとしてくれていた。
だけど面白い物なら目の前にあった。
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