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聖夜編
357.魔法の粉の出番(遺伝子を書き換えろ!)
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スノードロップ・ディア。
千年前に生息していた希少種のモンスターだ。
マーシャル・ディアと同系列ではあるものの、何故に希少なのか。
それはスノードロップ・ディアと言うモンスターの成体にあった。
スノードロップ・ディアはマーシャル・ディアの季節限定の突然変異。
つまりは限定的な期間、特定の個体を含むマーシャル・ディアがスノードロップ・ディアへと変化する。
条件は大きく分けて三つ。
まずはマーシャル・ディアの中でも特別な個体。もはや遺伝子改造でもしなければ不可能なレベルで運に依存し、その中でも特に雌の方が身は引き締まっていて美味しい。
次に栄養素。高い魔力を含んでいなければスノードロップ・ディアには変貌しない。
最後に季節。最低限、ここがあっていなければスノードロップ・ディアには変化してくれず、季節は冬から春にかけて。寒さの厳しい時期の北の大陸。もっと言えば雪が降り積もってくれないと、スノードロップ・ディアにはなってくれないのだ。
言ってしまえばとってもシビア。
だからこそ、千年の月日を経て養殖産ができてくれたのは嬉しいのだが……
「まさかここまで味が違うなんてね」
ルカは少しがっかりした。
とは言え分かっていたことだった。素体のパワーでは不十分で、身がパサパサ。
甘みの本来の十分の一程で、ルカは頬を掻く。
「ルカ、食べないと勿体ないでしょ?」
「そうだね。まあ、私は食べるんだけどね。……その前に、コレを使うけど」
ルカは亜空間を展開した。
流石に店の料理にコレを掛けるのは忍びないが、今回は許して貰いたい。
だってこっちの方が美味しくなるからだ。
「ルカ、それ何よ?」
ルカは亜空間の中から筒を取り出した。
振ってみるとサラサラと音が聞こえてくる。
如何やら中身は粉物のようで、ルカは迷わずスノードロップ・ディアのステーキに振りかける。
「パラパラパラパラ……」
「ちょっとルカ。勝手に何をしているの!」
シルヴィアは席を立って怒りだした。
こうなることも予想済み。そして顔はスノードロップ・ディアのステーキ上空。
ルカが粉末を振りかけると、スノードロップ・ディアのステーキから大量の湯気が発生した。身が焦げるみたいに光だし、シルヴィアは瞬時に身を引いた。
「な、何よコレ!?」
「シルヴィ、少し離れて。だけどすぐに判るよ」
「判るってなに? くんくん……この甘い匂い、もしかしてステーキから出ているの?」
「そうだね」
ルカはナイフで切れ目を入れ、肉の色を確認する。
先程までと比べて締まっている。おまけに赤い部分がはっきりとしていて、完全に別物と化していた。
「これこれ。こうでないとね」
ルカなフォークを突き刺し、口の中にステーキを運ぶ。
すると唾液酵素と混ざり合って、口の中で溶け出した。
強烈な甘みを放ちながら、まるで雪の中にダイブしたようなひんやり感と、祖の内から秘める多大なまでの味と魔力の応酬に意識が吹き飛びそうになる。
「うん。美味しい」
ルカの喉をすんなりと通って行く。
その姿を目の当たりにしたシルヴィアははしたなく口から涎を垂らす。
目を奪われてしまっていて、手が震えていた。
「ル、ルカ。私にも一口頂戴!」
「うん、いいよ」
ルカはステーキを切ると、フォークで突き刺しシルヴィアの口の中に押し込む。
突然口の中を塞がれて苦しくなったのだが、それを覆してしまう強烈な旨味成分にシルヴィアは我を忘れそうになる。
「な、何よコレ! 甘い、美味しい。しかも歯応えもあって、コレが鹿肉なの?」
「トナカイの肉だけどね」
「そんなこと良いのよ。何でこんなに美味しいの……口の中が雪で覆われたみたいにひんやりしているのに、涎が止まらなくなっちゃうんだけど……美味しすぎる」
シルヴィアのこんな顔初めて見た。
ルカは茫然となる中、ダリアやライラックも食い付く。
「シルヴィアさん如何したんですか!?」
「シルヴィ、そんなに美味しいのぉー?」
「美味しいに決まっているわよ。こんなお肉、私は食べたことが無いわ!」
それもそうだ。だってスノードロップ・ディアは千年前の生き物。
時期的にも天然物が出て来る頃だが、かなり貴重な種類なのは昔から変わらない。
雪の様に溶けていく感触。歯と歯の間を滑り落ちていく一定一滴の肉汁にほんのりとした甘みが残る。
だからこそ止み付きになってしまう。
「こんなに美味しいなら、私も最初からこのステーキにすれば良かったかもね」
「そっちも美味しそうだけど?」
「ちょっとベクトルが違うのよ」
シルヴィアに比べる者の差を言われてしまう。
何となく言葉が出なくなり、ルカは照れ笑いを浮かべる。
「あはは……そうだね。っと、ちょっと近いような……うわぁ」
気が付けば人だかりになっていた。
如何やらルカの食べているスノードロップ・ディアのステーキから溢れた甘みを含む湯気に当てられて、店中のお客さんが集まってしまったらしい。
何だか食べ辛いなと思いつつも、ルカはバクバク食べるのだった。
千年前に生息していた希少種のモンスターだ。
マーシャル・ディアと同系列ではあるものの、何故に希少なのか。
それはスノードロップ・ディアと言うモンスターの成体にあった。
スノードロップ・ディアはマーシャル・ディアの季節限定の突然変異。
つまりは限定的な期間、特定の個体を含むマーシャル・ディアがスノードロップ・ディアへと変化する。
条件は大きく分けて三つ。
まずはマーシャル・ディアの中でも特別な個体。もはや遺伝子改造でもしなければ不可能なレベルで運に依存し、その中でも特に雌の方が身は引き締まっていて美味しい。
次に栄養素。高い魔力を含んでいなければスノードロップ・ディアには変貌しない。
最後に季節。最低限、ここがあっていなければスノードロップ・ディアには変化してくれず、季節は冬から春にかけて。寒さの厳しい時期の北の大陸。もっと言えば雪が降り積もってくれないと、スノードロップ・ディアにはなってくれないのだ。
言ってしまえばとってもシビア。
だからこそ、千年の月日を経て養殖産ができてくれたのは嬉しいのだが……
「まさかここまで味が違うなんてね」
ルカは少しがっかりした。
とは言え分かっていたことだった。素体のパワーでは不十分で、身がパサパサ。
甘みの本来の十分の一程で、ルカは頬を掻く。
「ルカ、食べないと勿体ないでしょ?」
「そうだね。まあ、私は食べるんだけどね。……その前に、コレを使うけど」
ルカは亜空間を展開した。
流石に店の料理にコレを掛けるのは忍びないが、今回は許して貰いたい。
だってこっちの方が美味しくなるからだ。
「ルカ、それ何よ?」
ルカは亜空間の中から筒を取り出した。
振ってみるとサラサラと音が聞こえてくる。
如何やら中身は粉物のようで、ルカは迷わずスノードロップ・ディアのステーキに振りかける。
「パラパラパラパラ……」
「ちょっとルカ。勝手に何をしているの!」
シルヴィアは席を立って怒りだした。
こうなることも予想済み。そして顔はスノードロップ・ディアのステーキ上空。
ルカが粉末を振りかけると、スノードロップ・ディアのステーキから大量の湯気が発生した。身が焦げるみたいに光だし、シルヴィアは瞬時に身を引いた。
「な、何よコレ!?」
「シルヴィ、少し離れて。だけどすぐに判るよ」
「判るってなに? くんくん……この甘い匂い、もしかしてステーキから出ているの?」
「そうだね」
ルカはナイフで切れ目を入れ、肉の色を確認する。
先程までと比べて締まっている。おまけに赤い部分がはっきりとしていて、完全に別物と化していた。
「これこれ。こうでないとね」
ルカなフォークを突き刺し、口の中にステーキを運ぶ。
すると唾液酵素と混ざり合って、口の中で溶け出した。
強烈な甘みを放ちながら、まるで雪の中にダイブしたようなひんやり感と、祖の内から秘める多大なまでの味と魔力の応酬に意識が吹き飛びそうになる。
「うん。美味しい」
ルカの喉をすんなりと通って行く。
その姿を目の当たりにしたシルヴィアははしたなく口から涎を垂らす。
目を奪われてしまっていて、手が震えていた。
「ル、ルカ。私にも一口頂戴!」
「うん、いいよ」
ルカはステーキを切ると、フォークで突き刺しシルヴィアの口の中に押し込む。
突然口の中を塞がれて苦しくなったのだが、それを覆してしまう強烈な旨味成分にシルヴィアは我を忘れそうになる。
「な、何よコレ! 甘い、美味しい。しかも歯応えもあって、コレが鹿肉なの?」
「トナカイの肉だけどね」
「そんなこと良いのよ。何でこんなに美味しいの……口の中が雪で覆われたみたいにひんやりしているのに、涎が止まらなくなっちゃうんだけど……美味しすぎる」
シルヴィアのこんな顔初めて見た。
ルカは茫然となる中、ダリアやライラックも食い付く。
「シルヴィアさん如何したんですか!?」
「シルヴィ、そんなに美味しいのぉー?」
「美味しいに決まっているわよ。こんなお肉、私は食べたことが無いわ!」
それもそうだ。だってスノードロップ・ディアは千年前の生き物。
時期的にも天然物が出て来る頃だが、かなり貴重な種類なのは昔から変わらない。
雪の様に溶けていく感触。歯と歯の間を滑り落ちていく一定一滴の肉汁にほんのりとした甘みが残る。
だからこそ止み付きになってしまう。
「こんなに美味しいなら、私も最初からこのステーキにすれば良かったかもね」
「そっちも美味しそうだけど?」
「ちょっとベクトルが違うのよ」
シルヴィアに比べる者の差を言われてしまう。
何となく言葉が出なくなり、ルカは照れ笑いを浮かべる。
「あはは……そうだね。っと、ちょっと近いような……うわぁ」
気が付けば人だかりになっていた。
如何やらルカの食べているスノードロップ・ディアのステーキから溢れた甘みを含む湯気に当てられて、店中のお客さんが集まってしまったらしい。
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