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聖夜編
417.クリスマスも大詰め(夢を忘れてはいけない)
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ルカ達は魔法の袋を肩に掛けると、子供達の寝室を目指した。
その様子を不審に思ったのか、ゴライアスは止めに入る。
「待ってください。何処に行こうとしているんですか!」
この様子を見ても伝わらなかったらしい。
ルカ達は通せんぼをされると仕方なく立ち止まる。
時間は有限。早く退けて欲しい。
「これからプレゼントを届けるんですよ」
「プレゼント?」
ルカは包み隠さずにそう言った。これできっと理解されたはずだ。
けれどそう思い込んでいたのはルカだけで、ゴライアスは眉根を寄せる。
訝しい表情を浮かべ、ルカ達のことを信じてくれない。むしろ嫌悪感さえ示しそうで危ない。
「なにを言っているんです? プレゼントを届けるのは、サンタ・ク・ロースのはずでは?」
「えっと、だから……」
「まさか貴女方がサンタ・ク・ロースだと? 冗談も大概にして欲しいものですね」
「冗談じゃないんだけど……どういうこと?」
珍しくルカは狼狽えてしまった。
一番近くに居たブルースターに耳打ちすると、神妙な表情を浮かべる。
「どうやらゴライアスさんは、この町に伝わるサンタ・ク・ロースのことを信じているようですね」
「つまり、私達が騙りだと思われているのかな?」
「恐らくは。これは一筋縄ではいきませんよ」
そんなことになれば孤児院だけはぶりになる。
そんなことになればサンタ・ク・ロースの伝承に傷が付き、私達も報酬がない。
困ったなとルカは腕を組んで目を瞑ると、ジルアに応援を頼んだ。こういう時は仲間内から崩すのだ。
ルカは人知れずウィンクをした。
ジルアはあからさまなアイコンタクトに気が付いてくれない。
けれど隣で暇そうに佇むライザーには伝わったようで、肩をポンポン叩かれていた。
「えっと、どうしましたか?」
ジルアは完全に分かっていない。むしろこっちにも伝わっていない。
これは不味い状況だ。余計に怪しまれてしまったようで、ピリピリとした魔力が突き刺さる。
「どうするのよ、ルカ!」
「どうもこうも無いよ。とりあえずここは夢を壊さないように努めるだけだよ」
こうなったらプランを変更する。手作業で渡すことは諦めた。
それならば如何やってプレゼントを届けるのか。
この押し問答を強行突破するのは論外。ならばとばかりに視線を配ると、一人だけ作業できる人がいた。そう、ライラックだ。
「ライ、数は幾つ?」
「うーん。二十かな?」
「全部糸で行ける? 魔糸に《インビジブル》を掛けるから、連携でできるかな?」
「できると思うよー。あー、そういうことね」
如何やら感触的に伝わったらしい。ライラックは頭が良く、反応も早いおかげだ。
ルカはライラックの出した魔糸に《インビジブル》を加える。
すると伸びたいとはただでさえ視認性が悪いのに、余計に見えなくなってしまった。
その糸は全員の魔法の袋の中に溶けていくと、プレゼントを運び出す。どちらも気が付かれていない。これなら夢を壊さなくても済みそうだ。
「となるとこっちは……」
ルカがやるべきことは決まった。
最後の大詰めだ。ここまで来たなら夢を壊さないのが良いと見た。
「ゴライアスさんはサンタ・ク・ロースを信じているんですか?」
「なにを今更。もちろんいるに決まっていますよ」
まさか否定されるでもなく、真正面からそう言われるとは思わなかった。
ルカだけじゃない。シルヴィア達も表情を硬くした。
けれどサンタ・ク・ロースは実在する。それを知ってしまったがゆえに、単なる夢が夢でなくなってしまったのだ。だから反応として、ゴライアスの方が正しい。
「ジルアさんたちはどうですか?」
ルカはジルアとライザーにも尋ねた。
二人の反応もこの際見ておきたかった。
するとライザーはお手上げの構えを見せ、ジルアは考える素振りをする。
「さぁねぇ。私はぁ、どっちでもいいけどなぁ」
「どっちでもいいんですね」
「まぁねぇ。だって私は見たことないからぁ。でもさぁ、夢って考えると素敵じゃないかなぁ? 知らないけどぉ」
ライザーはどっちつかずだった。
対してジルアは夢を見ていた。
「私はいると思いますよ。この町に長くいると、サンタ・ク・ロースの噂は実在すると思うようになるんです。現にそのおかげでこの町は栄えているんです」
かなり現実的だった。だけどそう思っても不思議はない。
ルカは夢を見る子供は素敵だと思った。夢を追い続ける大人もカッコいいと思った。
真実を知ってしまい、夢を見ることを忘れてしまったルカ達にはとても痛いことを突かれた。
「なんだか心が痛いわね」
「そうだねー。んでさ、もう終わったよ?」
「早っ!?」
こんな会話をしていると、いつの間にかライラックは終わらせていた。
結局精神的ダメージを受け、考えさせられたのは、話しを引き延ばそうとしたルカ達。
完全に墓穴を掘ってしまい、頭を抑えるのだった。
その様子を不審に思ったのか、ゴライアスは止めに入る。
「待ってください。何処に行こうとしているんですか!」
この様子を見ても伝わらなかったらしい。
ルカ達は通せんぼをされると仕方なく立ち止まる。
時間は有限。早く退けて欲しい。
「これからプレゼントを届けるんですよ」
「プレゼント?」
ルカは包み隠さずにそう言った。これできっと理解されたはずだ。
けれどそう思い込んでいたのはルカだけで、ゴライアスは眉根を寄せる。
訝しい表情を浮かべ、ルカ達のことを信じてくれない。むしろ嫌悪感さえ示しそうで危ない。
「なにを言っているんです? プレゼントを届けるのは、サンタ・ク・ロースのはずでは?」
「えっと、だから……」
「まさか貴女方がサンタ・ク・ロースだと? 冗談も大概にして欲しいものですね」
「冗談じゃないんだけど……どういうこと?」
珍しくルカは狼狽えてしまった。
一番近くに居たブルースターに耳打ちすると、神妙な表情を浮かべる。
「どうやらゴライアスさんは、この町に伝わるサンタ・ク・ロースのことを信じているようですね」
「つまり、私達が騙りだと思われているのかな?」
「恐らくは。これは一筋縄ではいきませんよ」
そんなことになれば孤児院だけはぶりになる。
そんなことになればサンタ・ク・ロースの伝承に傷が付き、私達も報酬がない。
困ったなとルカは腕を組んで目を瞑ると、ジルアに応援を頼んだ。こういう時は仲間内から崩すのだ。
ルカは人知れずウィンクをした。
ジルアはあからさまなアイコンタクトに気が付いてくれない。
けれど隣で暇そうに佇むライザーには伝わったようで、肩をポンポン叩かれていた。
「えっと、どうしましたか?」
ジルアは完全に分かっていない。むしろこっちにも伝わっていない。
これは不味い状況だ。余計に怪しまれてしまったようで、ピリピリとした魔力が突き刺さる。
「どうするのよ、ルカ!」
「どうもこうも無いよ。とりあえずここは夢を壊さないように努めるだけだよ」
こうなったらプランを変更する。手作業で渡すことは諦めた。
それならば如何やってプレゼントを届けるのか。
この押し問答を強行突破するのは論外。ならばとばかりに視線を配ると、一人だけ作業できる人がいた。そう、ライラックだ。
「ライ、数は幾つ?」
「うーん。二十かな?」
「全部糸で行ける? 魔糸に《インビジブル》を掛けるから、連携でできるかな?」
「できると思うよー。あー、そういうことね」
如何やら感触的に伝わったらしい。ライラックは頭が良く、反応も早いおかげだ。
ルカはライラックの出した魔糸に《インビジブル》を加える。
すると伸びたいとはただでさえ視認性が悪いのに、余計に見えなくなってしまった。
その糸は全員の魔法の袋の中に溶けていくと、プレゼントを運び出す。どちらも気が付かれていない。これなら夢を壊さなくても済みそうだ。
「となるとこっちは……」
ルカがやるべきことは決まった。
最後の大詰めだ。ここまで来たなら夢を壊さないのが良いと見た。
「ゴライアスさんはサンタ・ク・ロースを信じているんですか?」
「なにを今更。もちろんいるに決まっていますよ」
まさか否定されるでもなく、真正面からそう言われるとは思わなかった。
ルカだけじゃない。シルヴィア達も表情を硬くした。
けれどサンタ・ク・ロースは実在する。それを知ってしまったがゆえに、単なる夢が夢でなくなってしまったのだ。だから反応として、ゴライアスの方が正しい。
「ジルアさんたちはどうですか?」
ルカはジルアとライザーにも尋ねた。
二人の反応もこの際見ておきたかった。
するとライザーはお手上げの構えを見せ、ジルアは考える素振りをする。
「さぁねぇ。私はぁ、どっちでもいいけどなぁ」
「どっちでもいいんですね」
「まぁねぇ。だって私は見たことないからぁ。でもさぁ、夢って考えると素敵じゃないかなぁ? 知らないけどぉ」
ライザーはどっちつかずだった。
対してジルアは夢を見ていた。
「私はいると思いますよ。この町に長くいると、サンタ・ク・ロースの噂は実在すると思うようになるんです。現にそのおかげでこの町は栄えているんです」
かなり現実的だった。だけどそう思っても不思議はない。
ルカは夢を見る子供は素敵だと思った。夢を追い続ける大人もカッコいいと思った。
真実を知ってしまい、夢を見ることを忘れてしまったルカ達にはとても痛いことを突かれた。
「なんだか心が痛いわね」
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