野球の王子様2 芦田愛菜はマネージャーになりたい。

軽部雄二

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第16章(終)

反省なし!

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「それじゃあ、愛菜ちゃん。早速だけど、ユニフォームの泥落としと洗濯お願い出来る?」
「は~~~~~い。」
 咲良の依頼を今度は元気のいい返事で返す愛菜。部室に向かって歩き出した愛菜を越前以外の部員が微笑ましく見送ったのだが・・・・・。
「チッ!」
 愛菜は歩きながら舌打ちした。
「ペッ!」
 更に唾をグラウンドに吐く。そして言った。
「なあにが、泥落としと洗濯だ。調子こきやがって、自分でやれば良いだろうが。いずれ野球部から追い出してやる!芋女が。」
 愛菜は独り言を言ったつもりであったが、それはグラウンドに居た野球部員と咲良にハッキリと聞こえていた。
「芦田さん・・・・・。聞こえているんだけど。」
 後ろから咲良にそう呼び止められ、愛菜はギクリと体を硬直させた。恐る恐る後ろを振り向くと、そこには冷たい目をした皆の顔が愛菜を睨んでいた。
「え、え、聞こえましたかね?」
「お前、今、舌打ちしたろ。」
 越前が追及した。
「唾も吐きましたヨ。神聖なグラウンドへ。」
 王も後に続いた。
「追い出してやるって何?私を追い出そうとしてるって事?」
 咲良も甲高い声で追及する。
「やだなあ。皆さん、今のは冗談です。皆さんの反応を見ようとボケたんですって。突っ込んで下さって有難う御座います。」
 愛菜はその場を取り繕うと、作り笑いを浮かべた。
「反応を見るって、何の反応を見るんだよ?」
「やっぱり僕は、芦田さんが怖いよ。」
 蛭田、石井会長も不信感を露わにする。またもや失言でマネージャーの地位が危うくなったと見た愛菜は、部室に向かって駆け出した。
「皆さん。ちゃんとやりますから心配しないで下さい。愛菜の働きぶりを見て評価して下さい。それじゃあ、洗濯して来ます~~~。」
 愛菜は脱兎の如く退散した。
「おい、待て、お前。まだ、話は終わってないだろ!」
 越前が呼び止めるも、愛菜は一目散に逃げて行った。それを咲良は厳しい顔で見送った。
「あの野郎、シバいてやろうか!」
 咲良はボソリと呟いた。その肩をポンと叩く者がいた。咲良が振り返ると手塚であった。
「最初は手が掛かると思うけど、色々と教えてやって。頼むよ。」
 手塚にそうまで言われると嫌とは言えない。咲良は不承不承答えた。
「大丈夫、任せて。」
「くれぐれもシバかないでね。」
 そう言うと手塚は咲良の背中をポンポンと叩いた。咲良は顔を赤らめた。シバいてやろうかと言ったのを聞かれていた。我ながら柄が悪いなあと反省だ。印象を挽回する為にも、不良マネージャーの芦田愛菜を何とか使い物にしなくてはならない。どうなる事やら。咲良は深い溜息を吐いた。

 また一人、新たな仲間が野球部に加わりました。その名も芦田愛菜。印象最悪なこの子がこの先、様々なトラブルを巻き起こして行く事になるのですが、それはまだ先の話。取り敢えず部員11人。マネージャー2人態勢で聖ミカエル青春学園は船出です。向かう先は甲子園。遂に出航です。最初の寄港地は今週末。県内覇者・習志野高等学校との練習試合・・・・・・・。
                  (完)
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