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第78章
暴露戦術
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「お父さん、どうしよう?」
早紀江は夫に意見を求めた。
「・・・・・・・。マスコミに暴露しよう。」
滋は静かに決然と言った。
「そんな・・・・・。もし、美月ちゃんがバーンと殺られたらどうするの。」
早紀江は不安を口にした。それに対し、滋は冷静にどうしてそうした方が良いのかを説明する。
「美月の事件は14年間の間、何の情報も入って来なかった。やっと手に入れた手がかりなんだ。本当に北朝鮮に居るのなら、今が奪還の最後のチャンスかもしれない。今を逃したらまた、14年間、何の動きも無いかもしれないじゃないか。そんな事になったら、私たちはもう、この世に居ないかも知れないんだよ。」
「・・・・・・・。」
「それに今ならアン・ヒョクさんが詳しい証言をしてくれる。今を逃したら、証言を翻すかも知れない。そうなったら、美月が北朝鮮に拉致されているという証拠はなくなってしまう。もう、手は出せない。」
「待って。証言を翻すってどういう事?アンさんが嘘でしたって言うかも知れないって事なの?」
早紀江の疑問に秋元が説明する。
「早紀江さん。美月さんと同じ様にアン・ヒョクさんにも危険があるんです。韓国に亡命しただけでも裏切り者なのに、機微に触れる内容を敵国に漏らしたとなれば、命を狙われる危険がありますし、北朝鮮に残してきた家族もただでは済まない筈です。証言を翻したり、黙秘したりする事は充分にあり得ます。」
「・・・・・・・。」
「早紀江。今を逃すともうチャンスは無いかもしれないんだ。それでも良いのか?」
「・・・・・・・。」
「アンさんも危険を冒してくれているんだ。こちらも多少のリスクは覚悟しなければ美月は戻って来ない。」
「でも・・・・・。それで美月ちゃんが危険な事になるのは嫌よ。」
早紀江はあくまで反対だった。だが、滋は
「マスコミに暴露する事で危険な事はあるかもしれないけど、ここまで来たら、洗いざらい暴露して日本だけでなく世界中の世論に訴えた方が美月の助けになる。」
と自分の考えを静かに述べた。早紀江は言っている意味が分からない。
「???どういう事?」
「早紀江さん。こちらが知っている事を全て暴露して、北朝鮮を牽制した方が美月さんを助ける事になるかも知れないんです。」
真夏は滋の考えが分かる様子だったが、早紀江にはピンと来なかった。どういう事なのか?
「こちらはこれだけの情報を持っている。美月さんに手出しをしたら大変な事になるぞと、向こうに間接的にメッセージを出すんです。」
「秋元さんの言う通りだ。向こうを牽制する事で、むしろ美月の安全は守られる。」
「・・・・・・・。」
真夏と滋の意見を聞き、早紀江は目から鱗が落ちる思いだった。成程・・・・・。マスコミに暴露する事で、北朝鮮に美月に対して危害が加えられない様に牽制しつつ、世論にも訴える。一石二鳥である。早紀江には全く考え付かなかった戦略である。二人とも凄いなと率直に思うと同時に、これしか他に手はないなと思えた。
「良いわ。それで行きましょう。」
早紀江は夫に意見を求めた。
「・・・・・・・。マスコミに暴露しよう。」
滋は静かに決然と言った。
「そんな・・・・・。もし、美月ちゃんがバーンと殺られたらどうするの。」
早紀江は不安を口にした。それに対し、滋は冷静にどうしてそうした方が良いのかを説明する。
「美月の事件は14年間の間、何の情報も入って来なかった。やっと手に入れた手がかりなんだ。本当に北朝鮮に居るのなら、今が奪還の最後のチャンスかもしれない。今を逃したらまた、14年間、何の動きも無いかもしれないじゃないか。そんな事になったら、私たちはもう、この世に居ないかも知れないんだよ。」
「・・・・・・・。」
「それに今ならアン・ヒョクさんが詳しい証言をしてくれる。今を逃したら、証言を翻すかも知れない。そうなったら、美月が北朝鮮に拉致されているという証拠はなくなってしまう。もう、手は出せない。」
「待って。証言を翻すってどういう事?アンさんが嘘でしたって言うかも知れないって事なの?」
早紀江の疑問に秋元が説明する。
「早紀江さん。美月さんと同じ様にアン・ヒョクさんにも危険があるんです。韓国に亡命しただけでも裏切り者なのに、機微に触れる内容を敵国に漏らしたとなれば、命を狙われる危険がありますし、北朝鮮に残してきた家族もただでは済まない筈です。証言を翻したり、黙秘したりする事は充分にあり得ます。」
「・・・・・・・。」
「早紀江。今を逃すともうチャンスは無いかもしれないんだ。それでも良いのか?」
「・・・・・・・。」
「アンさんも危険を冒してくれているんだ。こちらも多少のリスクは覚悟しなければ美月は戻って来ない。」
「でも・・・・・。それで美月ちゃんが危険な事になるのは嫌よ。」
早紀江はあくまで反対だった。だが、滋は
「マスコミに暴露する事で危険な事はあるかもしれないけど、ここまで来たら、洗いざらい暴露して日本だけでなく世界中の世論に訴えた方が美月の助けになる。」
と自分の考えを静かに述べた。早紀江は言っている意味が分からない。
「???どういう事?」
「早紀江さん。こちらが知っている事を全て暴露して、北朝鮮を牽制した方が美月さんを助ける事になるかも知れないんです。」
真夏は滋の考えが分かる様子だったが、早紀江にはピンと来なかった。どういう事なのか?
「こちらはこれだけの情報を持っている。美月さんに手出しをしたら大変な事になるぞと、向こうに間接的にメッセージを出すんです。」
「秋元さんの言う通りだ。向こうを牽制する事で、むしろ美月の安全は守られる。」
「・・・・・・・。」
真夏と滋の意見を聞き、早紀江は目から鱗が落ちる思いだった。成程・・・・・。マスコミに暴露する事で、北朝鮮に美月に対して危害が加えられない様に牽制しつつ、世論にも訴える。一石二鳥である。早紀江には全く考え付かなかった戦略である。二人とも凄いなと率直に思うと同時に、これしか他に手はないなと思えた。
「良いわ。それで行きましょう。」
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