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実はボク、ダメ人間だったんです。4

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そしてボクのバレー人生が始まった。
基礎的な事から難しい事まで
とことん練習した。
こんなに熱中したのは
どれくらいぶりだろう。
そう思いながらも毎日必死に
練習した。
その甲斐あってか
レギュラーに選ばれるまでになった。
自慢じゃないが2ヶ月ほどで(笑)

レギュラーになって初の大会。
ボクは緊張していたが
試合が始まればそんなの関係なしに
どんどん得点を重ねた。
そしてボクのレギュラー初試合は
勝利に終わった。

そして2回戦。
圧倒的に勝っていたボクらは
あと2点で試合終了のところまで
きていた。
誰もがこのまま終わると思っていた時、
相手の選手がボクらのコートまで
入ってきてしまい、
ボクらのエースの足を踏んだ。
そしてそのまま倒れ込み
立ち上がれず、病院へと
運ばれる事態となった。
エース不在のまま試合は再開し、
この試合は勝利した。
今日の試合はここまでで
明日も試合を控えていた。
しかし、エースの足の状態は
いいものではなかった。
明日の試合には出場できないという
知らせを聞いた。

次の日、エースは
観客席でボクらの試合を観ていた。
何がなんでも勝つ。
その一心で試合に挑んだ。
しかしエースが抜けた穴は大きく
いつものような連携がとれない。
集中力も落ちている事にも気づいた。
1セット目はあっけなく落とした。
そして2セット目、
ここを落とすと負ける。
この試合に勝てば九州大会へといける。
全力を出したが
2セット目も取られてしまい
ボクのバレーボール人生は
そこで終わった。
こんなに悔しい気持ちは
初めてだった。
相手もそんな特別強いわけでも
なかったのに。。
エース主体にゲームを作る
ボクらのチームには
エース不在がとてもでかかった。
いなくてもいいくらいの
能力を身につけていればと思った。
そんな事言ってもしょうがないんだけどね。
そしてボクは引退した。

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