異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

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65.お風呂で浮いてる

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 シャワーを洗い流し、ユファ婆さま達はお風呂につかってホッと一息吐いていた。

 俺はというと、そんなユファ婆さまとシーナの間で足だけをお風呂につけて足湯を楽しんでいる。一歳なので流石にお風呂は深すぎて溺れてしまうので足湯なのだ。

〉ねぇ、レイン

《なに?》

〉なに?じゃなくてなんで妹ちゃん達がシャボン玉みたいなモノに入ってお風呂で浮いてるのよ!?
〉いや!確かに赤ちゃんが大人用のお風呂に入れないからそうしてるんでしょうけど!
〉それでも流石に危ないんじゃない!?
〉いくらなんでとそれはね~
〉ダメでしょ!
〉???
〉なんのことかさっぱりわからんな
〉映像見れないから仕方ないだろ

 女性リスナーは妹達の状況に混乱し、男性リスナー達はなんのことかわからずに混乱する。

 カオスすぎるな。

 しかし、それを説明できる人間は俺しかいないので、説明しようか。

《妹達を包んでいるシャボン玉みたいなのは結界だから熱気や蒸気は通さないし、エアコンの魔法で最適な温度になるように調整しているから大丈夫だよ》

 結界の中は適温だし、お湯に浮いてプカプカしていて気持ちいいから妹達は寝てしまっている。

〉なぁ。さらっとなんかおかしなこと言わなかったか?
〉だよな
〉やっぱり言ったよね
〉エアコンの魔法ってなんだよ!
〉さらっと言ったせいで聞き逃しそうになっちゃったじゃない!
〉また新しい魔法作ったのかよ!

《作ったよ》

 赤ちゃんと一緒に、それもみんなにお風呂の入り方を説明しながら入るとなると長風呂になるんだから、それぐらいのことはするだろう。

〉作ったよって
〉さらっと言いやがった
〉やっぱり異常だよな
〉このチートヤロウが
〉もうツッコむのすら疲れたよ

 疲れたのならツッコまないでもいいのに。

「はぁ~。気持ちいい~」
「お風呂ってこんなに気持ちいいのですね」

 フィーシャやシーナが気持ちよさそうにお風呂に浸かっている横でユファ婆さまが苦笑していた。

「この屋敷のお風呂はこんなに気持ちよくはないよ」

 この屋敷のお風呂に入ったことのあるユファ婆さまが言うのだからそうなのだろう。

「そもそも、普通はお風呂で体や頭を洗うなんてことはしないからね」

 ユファ婆さまが僕の方を見てきた。

「そうなの?」

 お風呂に入るからには体や頭を洗うのは普通だと思うんだけど。

 と、思ったのだが、それは日本での当たり前であって、こっちの世界での当たり前じゃないんだなと考え直した。

「そうよ。だって、体を洗うための石鹸とか頭を洗うためのシャンプーとかないのだから」

 ユファ婆さまは僕の頭を撫でてきた。

「あ~」

 それなら納得した。

〉そうよね
〉中世ヨーロッパぐらいの文明だと石鹸とかシャンプーがあるわけないよね
〉それだと体や頭を洗うなんて発想にはならないよね
〉体や頭を洗わずにお風呂に入ったところで、そんなに気持ちいいものじゃないか

《体や頭を洗って綺麗さっぱりしてから入ったほうが当然気持ちいいだろうな》

「それに、ここまでお風呂の温度がいい温度でキープされているなんてないからね」

 ユファ婆さまの言葉が示すように、アルにいたっては肩までお風呂に浸かって頭をへりに置いてスゴくリラックスしている。

「ねぇ、レイン」
「なに?ユファ婆さま」
「これから毎日こっちでお風呂に入ってもいいかな?」

 これだけここのお風呂を気に入った様子のユファ婆さまなら多分そう言ってくるとは思っていた。

〉別にいいんじないの?
〉お風呂入るだけだしな
〉お湯だって循環して勝手にキレイになるんだし
〉手間になることなんて何もないしな

 リスナー達の言う通りお風呂に入るだけなら俺の手間になることは何もないが、手間とは別の問題が発生することを忘れてもらっては困る。

「お風呂に入ってもらうことはいいんだけど、石鹸やシャンプーは月々使える数に制限があるから、使いすぎると月の最後の方は石鹸やシャンプーが切れてる場合があるけど、それでもいいならいいよ」

 石鹸とシャンプーは俺の自腹だから月々の使う値段によっては当然制限させてもらうことになるので、そこは了承してもらわないといけないね。

「あぁ。それは仕方ないことだから大丈夫だよ。こんなにいい温度の気持ちいいお風呂に入れるだけでも十分だからね」

 ユファ婆さまだけじゃなく、シーナまで俺の頭を撫でてきた。

 こちらの世界のお風呂をどう沸かすのかは知らないけど、ユファ婆さまの口ぶりからすると、ここまで安定した温度を保つことは出来ないみたいだ。

 それなら、こっちのお風呂のほうが気持ちいいと言う理由もわかるし、石鹸やシャンプーの件さえ了承してくれるのならダメと言う理由はない。

「だったらいいよ」

 俺が頷くと、アルが嬉しそうに拳を突き上げた。

 そこまで気に入ったのか。

 いつも冷静なアルがここまで感情的になることも珍しかったので驚いたが、自分が作ったモノでここまで喜んでくれるのは嬉しいので、俺は自然と笑顔になった。
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