異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

文字の大きさ
82 / 148

73.大の大人

しおりを挟む
「わからないわね」

 自力で魔力の塊の位置を探っていたユファ婆さまが首を振った。

「わからない?」
「わからないわね」

 魔力の塊の位置がわからなかったユファ婆さまは少し落ち込んでいたけど、そこまで落ち込むことではないと思うけどね。

《やっぱりわからなかったか》

 そんな気はしていた。

〉みたいだな
〉やっぱり場所だけ教えてもムリなのね
〉そんな簡単なことじゃないんだな
〉でも、そっちの世界の人にとってはそれが当たり前なんだろうな
〉だからレインは特に残念がってるわけじゃないんだろ

《まぁね。わかってくれたらいいな~くらいの気持ちでいたからね》

 教えただけでわかるのなら、俺がすべきことが一つ減るので楽になっていいと思ったのだが、やっぱりそううまくことは運ばないか。

 ユファ婆さまのもとまでいって、慰めるように頭を撫でた。

「ユファ様。私達は今まで魔力を数値でしか見てこず、体の中に魔力の源があるなんて思いもしなかったので、それがわかるレイン様の補助なしに魔力の源を見つけることは誰にも出来ないと思います」

 キュリアスは力強く言いきった。

〉キュリアスがユファ婆さま慰めてるwww
〉そして、言葉にはしなかったがレインが異常だと認めたwww
〉いや、もう地下室作りとかで異常なのは認めてるからwww
〉でも、それを雇い主であるユファ婆さまに言うのは初めてwww
〉それを聞いたユファ婆さま苦笑www
〉内心では「仕方ないわね~」とか思ってるんじゃねwww?
〉絶対思ってるwww

「それもそうね」

〉はい。ユファ婆さまもレインが異常だと認めたwww
〉いや、ユファ婆さまもすでにレインが異常だと思っていたはずだぞwww
〉結局のところ、レインが異常という解釈はみんな一致した、ということだなwww
〉満場一致だろうなwww

 さっきリスナー達に「毒されるかどうかはお前達次第だから知らん!」と言ったが、異常異常と言われてもなんとも思わなくなっている俺も十分毒されているのだろうな。

 と、内心ため息を吐く。

「となると、レインにやってもらうしかなくなるわね」
「そういうことですね」

 ユファ婆さまとキュリアスがそう言うと、シーナ達やタイロイナまでスゴい眼力で俺の方を見てきた。

《うひぃ》

〉あ~、うん
〉これは恐いな
〉大の大人がみんなして一斉に見てきたからね
〉しかも、眼力ハンパないし
〉まず間違いなくひ孫に向ける目じゃないね
〉それだけ魔力の源を知りたいのだろう
〉早く教えろという催促が含まれているんだろうな

《いやまぁその気持ちはわかるし、ちゃんと教えるからこの圧はやめてほしいね》

 圧どころかジリジリと近づいてくるので物理的にも圧倒されそうだった。

「わかってるから!ちゃんと一人ずつ教えるから!」

 そう言うとユファ婆さま達は近づいてくるのをやめて笑顔になったので、俺は内心ホッと息を吐いた。

 ホッとしていると、ユファ婆さまが何かを考え始めた。

「どうかした?ユファ婆さま」

〉何を考えてるんだ?
〉やっぱり魔力についてじゃね?
〉まぁ、普通はそうだよな
〉それ以外に考えることってあるのか?
〉レインの化け物っぷりとか?
〉それは考えるだけムダじゃねwww?
〉ムダだろうなwww

《それはないだろ》

 ないよな?

 なんて思っていると、何かを思いついたみたいだ。

「なぁレイン」
「なに?」
「手を合わせることで教えることが出来るのなら、みんなで手を繋げば一度に教えることが出来るんじゃない?」

 いい考えじゃない、とばかりに俺を見てくるユファ婆さま。

〉おぉ!
〉確かにそうすれば一度に済んで楽だな!
〉レインの負担を考慮しつつみんなの待ち時間まで無くす!
〉まさにWin-Winの提案!
〉ユファ婆さま天才か!
〉それを思いつかないレインは凡人以下だなwww
〉ふっ。どうやら俺達はレインを過大評価していたようだなwww
〉化け物の称号は返上してもらわないとなwww

 勝手につけられた称号なので勝手に返上してもらってかまわない。

《まぁ、お前達が俺のことをどう思おうが勝手だからいいけど、ユファ婆さまの考えは確かにいい考えだな。それが出来ればだけど》

 最初は俺もそう考えていたが、キュリアスに教えたことでそれが出来ないとわかったのでみんなで手を繋ぐやり方を提案しなかったのだ。

〉???
〉出来ないのか?
〉まさか
〉そんなに難しいことじゃないように思えるけど?
〉手を繋いで一気に魔力を流すだけだろ?
〉なんでそんな簡単なことが出来ないんだ?

《それが難しんだよな》

〉何が難しんだよ!
〉説明プリーズ!
〉はよはよ!
〉教えろよ!

《はいはい》

 リスナー達に説明を急かされるし、ユファ婆さまも「どう?」とばかりに見つめてきているので、説明を始めるとするか。

「ユファ婆さま。それは出来ないよ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

男女比1:50の世界に転生したけど、前世の感覚で普通に接してたら幼馴染も姉妹もお嬢様もみんな沼にハマっていった件 ~ダンジョンにも潜ります〜

ベリーブルー
ファンタジー
男女比1:50――この世界で男は、守られ、大切にされ、穏やかに生きることを求められる存在。 だけど蓮は違った。 前世の記憶を持つ彼には、「男だから」という枷がない。女の子にも男の子にも同じように笑いかけ、距離を詰め、気負いなく手を差し伸べる。本人にとってはただの"普通"。でもこの世界では、その普通が劇薬だった。 幼馴染は気づけば目で追っていた。姉は守りたい感情の正体に戸惑い始めた。名家のお嬢様は、初めて「対等」に扱われたことが忘れられなくなった。 そして蓮はと言えば――。 「ダンジョン潜りてえなあ!」 誰も見たことのない深淵にロマンを見出し、周囲の心配をよそに、未知の世界へ飛び込もうとしている。 自覚なき最強のタラシが、命懸けの冒険と恋の沼を同時に生み出す、現代ダンジョンファンタジー。 カクヨムさんの方で先行公開しております。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...