異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

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81.窓が

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「レイン様!これはどうやってるのですか!?」

 シーナは窓に駆け寄ってまじまじと映る景色を見ていたかと思えば、窓を開けようとし始めたが、窓の形をしているだけで窓としての機能があるわけではないので開くことはない。

「レイン様!窓が開きません!」

 それでもまだ窓を開けようとするシーナの姿が微笑ましくて笑ってしまう。

「開くための窓じゃないから開かないのは当然だよ」

 俺はシーナの隣まで飛んでいく。

「そうなのですか?」

〉そうなのか?
〉それって窓としては不良品じゃね?
〉ミスったのか?

《ミスってはねーよ》

「だってここは地下なんだから、窓を開けたところで意味ないでしょ」

 俺がシーナに笑顔を向けると、俺の指摘にハッとしたシーナは顔を赤くした。

〉そうだった!
〉忘れてたな!
〉レインが異常なことをするせいで!
〉そんなおかしな窓を作るせいで!
〉つまり全部レインのせいだ!
〉そういうことだ!

《はいはい。そうですね。それでいいですよ》

〉うわっ
〉雑に返事された
〉イヤな感じだよな
〉もっとリスナーを労れよ

 雑に返事をされるのが嫌なら返事をしないでおこう。

「でも、この窓の風景はホントにどうなっているのですか?」

 シーナは不思議そうに窓のガラス部分を触っていた。

「構造としては簡単で、前にスクリーンの魔法を見せたでしょ?」

 スクリーンは以前みんなに俺のことを説明する時に他の場所からでも見えるように使った際、シーナにも見せたのだ。

「はい。声や映像を映し出す魔法でしたよね」
「そう。そのスクリーンの魔法を窓の形になるように壁に付与して、その上から窓を作るとこうして地下なのに外の風景が見える窓が出来上がるんだよ。
 ちなみに、今映っている風景は前世で見た森林の癒やし映像だね」

 こうして見ていると、さっきまでリスナーの相手をして受けたストレスが癒やされてきた。

〉そんなの前世で見てたのか?
〉癒やし映像を見て癒やされないといけない前世ってwww
〉それだけストレスを受けてたんだなwww
〉もしかしてブラック企業だったとかwww?
〉上司から嫌がらせされてたとかww?
〉サービス残業してたとかw?
〉仕事が終わらないからいつも終電逃してるんだよな………
〉家に帰っても1人だし………
〉メシはコンビニ弁当ばかり………
〉休日も疲れて何もやる気が起きず………
〉ただ寝て過ごすだけ………
〉俺ってなんのために働いてたっけ………
〉え~と………
〉なんて言えばいいの………?
〉かける言葉が見つからないわね………
〉重苦しい空気すぎて、な………
〉社会人乙www!
〉社畜乙www!
〉勇者がいた!
〉この流れにそのテンションで入ってくるのか!?
〉マジか!

《ウザってー愚痴をここに書き込むな》

 ここは愚痴を書き込む場所でもないし、そんな暗い話題を書き込まれても反応に困る。というか、ホントによくこの流れに切り込めるリスナーがいたな。

〉レインも辛辣www
〉確かにそうだけどwww
〉なんでこんな流れになったんだよwww
〉レインが癒やし映像見てるなんて言ったからだろwww
〉地雷踏み抜いといて辛辣ってwww

《勝手に落ち込んだだけだろうが。
 こっちは前世で見ていたと言っていただけで、別に地雷を踏み抜きにいったわけじゃねーからな》

 それなのに俺のせいにされても困る。

 というか、こんな些細なことすら地雷になるのなら、ホントに何も言えなくなるって話だ。

「レイン様の前世では、こんな映像を見ることが出来るんですね」

 シーナは森林の癒やし映像が気に入った様子だったので、工房の角に木で作った椅子やテーブルを置いてカフェのテラス席のような場所を作って仕切り、そこの壁と天井をスクリーン張りにして森林の癒やし映像を流した。

「森林の映像だけじゃなくて、海だったり山だったり川だったり動物だったりと色々あるから来るたびに変えるのもいいかもね」
「はい!」

 スゴく嬉しそうにシーナが頷いたので、来るたびに映像を変えていこうと思った。

〉そんなに色々見てるなんて………
〉レインの前世はホントに社畜?
〉俺達ど同類なのか!
〉類友か!

《社会人ではあったけど、社畜っていう程忙しく休みなく働いていたわけでもないし、ブラック企業ってわけでもなかったな》

 俺の前世はそこそこ忙しく、そこそこの給料を貰い、そこそこな生活をするという、そんな普通の社会人だった。

〉なんだ
〉社畜じゃねーのかよ
〉類友じゃねーのかよ
〉チッ!
〉期待させるなや!
〉社畜達が八つ当たってるwww
〉それは流石にダメだろwww
〉そんなあなた達こそ癒やし動画で今すぐ癒やされるべきよ!

《そうだ。こんなくだらない配信見てる暇があるなら癒やし動画を見とけ》

 そしたら俺も安心して生活出きるってものだ。

〉それもそうだな
〉そうする
〉ちょっと癒やされてくる
〉八つ当たりしてわるかったな、レイン

 社畜リスナー達も落ち着いてくれたのでホッとしつつ、俺はシーナから離れた。

「シーナ。工房にいる間はこの空間にいてね」
「はい」

 嬉しそうに頷いたシーナは早速椅子に座り、森林の癒やし映像を見始めた。
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