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8.現状把握

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 さて、怒りの発散とリスナーイジりを楽しんだので、今出来る範囲で現状把握といきますか。

 視界の端では俺への怒りのコメントが流れ続けているが無視。

《ステータス》

 俺の呟きにコメント欄が一気に静かになった。

名前:
種族:ハイヒューマン
HP:50/50
MP:250/250
スキル
錬金・調合・鍛冶・付与・並列思考・隠密・速読
称号
転生者・影薄人間・本の虫

 うん。ツッコミどころ満載なステータスが現れやがった。

〉名前ないのは仕方ないよな
〉ハイヒューマンって何?
〉普通の人間より上なのか?
〉MPが多いみたいだし魔術師タイプかな
〉聞いてたスキルより多いんだけど
〉影薄人間と本の虫のせいで隠密と速読が増えてらwww
〉影薄人間で本の虫って草
〉前世でどんな生活してたんだよライwww
〉ボッチだったの?ボッチだったのwww?
〉それともコミュ障www?

 さっきの仕返しとばかりに言いたい放題だな。気にはしないけど。

《友達はそんなに多くはなかったがボッチでもコミュ障でもねーよ》

〉だったら影薄人間ってなんだよwww

 思い出せる原因とすれば、

《影薄人間は会社とか学校とかで厄介事に巻き込まれたくなかったから後ろの方とか隅っことかで静かに気づかれないようにしたりしてたからついた称号だろうな》

〉そういうことならわからなくもないな
〉でも、称号がつくなんてwww
〉どこまで徹底して影薄でいたんだって話だなwww

《本の虫っていっても読んでたのはラノベだぞ》

〉つまり、ライは俺達と同類か
〉だから異世界転生してもそんなに落ち着いているのか!

 リスナー達と同類と言われるのはあまり嬉しくはないが、いちいち否定するほどのことでもないのでスルーする。

《まぁそれも理由の一つだが、それ以上に唐突すぎて逆に冷静になれたから落ち着いていられたんだよな。
 それに、転生してからあーだこーだ言ったところで何も変わらねーからな》

〉達観してるな~
〉赤ちゃんらしからぬ落ち着きっぷり
〉中身大人だからな

 その通り。中身は大人だから落ち着いていられるのだ。

《しかし、レベルとか攻撃や防御の数値がないのはなんとも言えないな》

 そういう数値としてわかる差とかがあれば、もし今後戦闘する可能性が出てきても敵との力量差とかがわかりやすくてよかったのに。

《やっぱりゲーム自体が手抜きだったから、それがこっちにまで影響してしまってるのか?》

〉つまり、神さまは大雑把な性格だということか
〉ただのめんどくさがりなだけなんじゃ
〉もしかしてライの転生自体適当だったのかもな

《適当だったのなら転生させないでくれよ》

 そしたらまだ日本でゆっくり暮らせていたのに。

〉それは神さまの気まぐれだから仕方ない
〉暇を持て余した
〉神々の
〉遊び
〉遊ばれてるライwww
〉俺達から言わせてもらえれば贅沢な悩みだけどな
〉異世界転生してみたいからな!

 またお気楽に言ってくれるよ。

《はぁ。とりあえずステータスは見れたし、これからのことを考えないとな》

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天使「レベルとか攻撃とか防御の数値が無いのって完璧に作者の手抜きですよね?」
神「だって、そこら辺のことを考え出すと後で出てきたキャラとかモンスターとかとのレベル合わせとか面倒だろ。だからの手抜きだ」
天使「うわっ。前回の開き直りがまだ残ってるから簡単に認めた!」
神「だってリスナー達も言ってるだろ。暇を持て余した神々の遊びだって」
天使「神々じゃなくて作者の遊びでしょ!」
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