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第十四章 「すれ違い」
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―虹色の夏―
第十四章 「すれ違い」
わたしが旅館に戻った時はもう夕飯が和室にすでに運ばれていて
七海とカイ、隼人の三人が揃っていた
「要、遅かったね、隼人の後を追っていったんじゃなかったの?」
七海が言った。
「えっ??」隼人が驚いた顔でわたしを見た
「もう、七海ってば。確かに窓から隼人の姿をみたけど、隼人を追いかけたわけじゃないよ
ちょっと、散歩をしたかっただけだから・・」わたしは焦って否定した・・。
「そうなのか?随分慌てた様子だったけどな」カイが夕飯の煮魚を食べながら言った。
「あ、カイもう食べてるのね。要も早く座ってご飯食べよう。ご飯が冷めちゃう」
今日の旅館の夕食は白いご飯に若芽の味噌汁、そして煮魚、あとお刺身と漬物というシンプルな和食だった。
「うん、そうだね」わたしはそういい隼人の隣を避けてカイの隣にまた座った。
「・・・なあ、要、もしかして俺のこと避けてる?」隼人がカイの隣に座った
わたしをじっと見ながら言った。「え、そんなことないよ、隼人気にしすぎ」
わたしはご飯を食べ始めた
前にも隼人の隣を避けたことがあったけど今は隼人の顔を見たくないと思った
ご飯を食べ終えた後はわたしと七海は自室に戻った
「ねえ、要、本当は隼人を追いかけて外に出たんでしょ?
隼人見つからなかったの?それとも何かあった?」七海がわたしの顔を覗き込んだ
「うん。あのね・・」わたしは七海に隼人と優里さんが会って話をしていたこと、
恐喝事件の事を話そうかと迷ったけどやめた。
七海やカイも多分知らないだろう・・・。
でも隼人と優里さんが一緒にいたのは事実だった・・・。
いろんなことを考えて頭が混乱したわたしは思い切って隼人に聞こうと思った
「七海、ごめん。ちょっと飲み物自販で買ってくる」わたしはそう言って
急いで廊下に出た
「あ、要、飲み物なら、夕方カイが人数分買ってきたのよ」
七海がそう言っていたがわたしには聞こえなかった・・。
わたしは廊下に出て隣の和室のドアをノックした
「ごめん、カイ、隼人いる?」わたしがドア越しに言った
ガチャと音がしてドア越しにカイが「隼人ならいないよ、どこ行ったんだろう?」
「えっそうなんだ?どこに行ったか知らない?」
「夕飯食ってちょっと出かけてくるって」「そうなんだ。ありがとう」
わたしはそれだけ言ってドアを閉めた
隼人、まさかまた優里さんと?わたしは隼人を探しに行くことにした
五階の部屋を出たわたしは一階のお土産コーナーがあるフロアに行くことにした
この旅館は地下一階から五階まであって、地下一階は大浴場、ロビーとお土産屋さんは一階
二階~五階までが客室だった。だから館内にいるとしたら、一階のロビーになる。
隼人はお風呂あまり好きじゃないから今日は入らないかもしれない・・・。
もう七時過ぎだから外は暗いから夜の海もいいけど薄暗くてちょっと不気味だと
要は感じた。エレベーターで一階まで下りた。一階のロビーの隣がお土産屋さんで
熱海の色んなお土産が売っていた。
わたしはすぐ隼人を見つけたがやっぱり優里さんと一緒にいた。
「隼人!!!」わたしは今度は隼人に声をかけた
「あ、要」隼人がこちらを見た。「あら、要さんじゃない、こないだはどうも」
「・・・・・。隼人と話したいだけどいいかな?」わたしは隼人を見ながら言った
「ごめんなさいね。隼人は今あたしと話してるから、無理かな」
隼人に言ったのに優里さんがすかさずわたしに言ってきた
隼人の腕にまた両手を回してわたしに見せつけるように・・・・。
わたしは帰ろうか悩んだけど「優里さんには聞いてません、わたしは隼人に聞いてるんです」
と言い返した。「あの、すみません、何故優里さんがここにいるんですか?」
わたしの質問を無視して優里さんは「隼人行こう」また隼人の腕を両手でひっぱった
わたしはイラっとして、「隼人!!なんで優里さんといるのよ!!」って言った
隼人は「・・要ごめん、悪いんだけど話なら明日にしてくれよ。疲れてるんだ」
それだけ言って隼人と優里さんはその場から居なくなった。
そんな隼人酷いよ!!わたしより優里さんのほうがすきになったの?
わたしはそう心の中で思った。
つづく
第十四章 「すれ違い」
わたしが旅館に戻った時はもう夕飯が和室にすでに運ばれていて
七海とカイ、隼人の三人が揃っていた
「要、遅かったね、隼人の後を追っていったんじゃなかったの?」
七海が言った。
「えっ??」隼人が驚いた顔でわたしを見た
「もう、七海ってば。確かに窓から隼人の姿をみたけど、隼人を追いかけたわけじゃないよ
ちょっと、散歩をしたかっただけだから・・」わたしは焦って否定した・・。
「そうなのか?随分慌てた様子だったけどな」カイが夕飯の煮魚を食べながら言った。
「あ、カイもう食べてるのね。要も早く座ってご飯食べよう。ご飯が冷めちゃう」
今日の旅館の夕食は白いご飯に若芽の味噌汁、そして煮魚、あとお刺身と漬物というシンプルな和食だった。
「うん、そうだね」わたしはそういい隼人の隣を避けてカイの隣にまた座った。
「・・・なあ、要、もしかして俺のこと避けてる?」隼人がカイの隣に座った
わたしをじっと見ながら言った。「え、そんなことないよ、隼人気にしすぎ」
わたしはご飯を食べ始めた
前にも隼人の隣を避けたことがあったけど今は隼人の顔を見たくないと思った
ご飯を食べ終えた後はわたしと七海は自室に戻った
「ねえ、要、本当は隼人を追いかけて外に出たんでしょ?
隼人見つからなかったの?それとも何かあった?」七海がわたしの顔を覗き込んだ
「うん。あのね・・」わたしは七海に隼人と優里さんが会って話をしていたこと、
恐喝事件の事を話そうかと迷ったけどやめた。
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でも隼人と優里さんが一緒にいたのは事実だった・・・。
いろんなことを考えて頭が混乱したわたしは思い切って隼人に聞こうと思った
「七海、ごめん。ちょっと飲み物自販で買ってくる」わたしはそう言って
急いで廊下に出た
「あ、要、飲み物なら、夕方カイが人数分買ってきたのよ」
七海がそう言っていたがわたしには聞こえなかった・・。
わたしは廊下に出て隣の和室のドアをノックした
「ごめん、カイ、隼人いる?」わたしがドア越しに言った
ガチャと音がしてドア越しにカイが「隼人ならいないよ、どこ行ったんだろう?」
「えっそうなんだ?どこに行ったか知らない?」
「夕飯食ってちょっと出かけてくるって」「そうなんだ。ありがとう」
わたしはそれだけ言ってドアを閉めた
隼人、まさかまた優里さんと?わたしは隼人を探しに行くことにした
五階の部屋を出たわたしは一階のお土産コーナーがあるフロアに行くことにした
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二階~五階までが客室だった。だから館内にいるとしたら、一階のロビーになる。
隼人はお風呂あまり好きじゃないから今日は入らないかもしれない・・・。
もう七時過ぎだから外は暗いから夜の海もいいけど薄暗くてちょっと不気味だと
要は感じた。エレベーターで一階まで下りた。一階のロビーの隣がお土産屋さんで
熱海の色んなお土産が売っていた。
わたしはすぐ隼人を見つけたがやっぱり優里さんと一緒にいた。
「隼人!!!」わたしは今度は隼人に声をかけた
「あ、要」隼人がこちらを見た。「あら、要さんじゃない、こないだはどうも」
「・・・・・。隼人と話したいだけどいいかな?」わたしは隼人を見ながら言った
「ごめんなさいね。隼人は今あたしと話してるから、無理かな」
隼人に言ったのに優里さんがすかさずわたしに言ってきた
隼人の腕にまた両手を回してわたしに見せつけるように・・・・。
わたしは帰ろうか悩んだけど「優里さんには聞いてません、わたしは隼人に聞いてるんです」
と言い返した。「あの、すみません、何故優里さんがここにいるんですか?」
わたしの質問を無視して優里さんは「隼人行こう」また隼人の腕を両手でひっぱった
わたしはイラっとして、「隼人!!なんで優里さんといるのよ!!」って言った
隼人は「・・要ごめん、悪いんだけど話なら明日にしてくれよ。疲れてるんだ」
それだけ言って隼人と優里さんはその場から居なくなった。
そんな隼人酷いよ!!わたしより優里さんのほうがすきになったの?
わたしはそう心の中で思った。
つづく
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