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三十二話 「母親と父親」
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三十二話 「母親と父親」
木下は湊に全てを話した
「さっきの会話で分かったと思うけど、俺とアイツは実の兄弟なんだ。
俺達の両親が離婚したのは俺達が小学生の時だった。
似てないけど俺達は双子なんだ。
お袋は酒癖が悪くて毎晩、飲み歩く日々でそんなお袋に親父はいつも
激怒して喧嘩ばかりしていた。あの日も朝、目が覚めたら親父だけが
家にいた。「お母さんは?」っていう問いには答えずに、
「早く学校に行きなさい」って言われて俺は疑問を
持ちつつ学校に行ったんだ。洋平(林)がいない事も分かってはいたけど
なんとなく親父には聞けなかった。その後、親父から母親は洋平を
連れて出て行ったことを聞いた。
かなりショックだったけど幼い俺にはどうすることも出来なかったんだ。
その時「母さんは俺を捨てて出て行ったのか?」と思ったよ・・
だけど本当はそうじゃなかったんだという事がさっきの会話で分かった。
多分親父が無理やり追い出したんだと思う。洋平の耳には俺達が追い出したんだとお袋が言っていたのかもしれないな・・・。
俺も洋平が嫌いなんだと・・・俺はそんなことちっとも知らなかったし
いつか絶対に二人を探し出して一緒に暮らしたいとずっと思っていたよ。
木下は裏庭の隅にある小さなベンチに腰を下ろしていた。
俺も隣で話を聞いていた。
つづく
木下は湊に全てを話した
「さっきの会話で分かったと思うけど、俺とアイツは実の兄弟なんだ。
俺達の両親が離婚したのは俺達が小学生の時だった。
似てないけど俺達は双子なんだ。
お袋は酒癖が悪くて毎晩、飲み歩く日々でそんなお袋に親父はいつも
激怒して喧嘩ばかりしていた。あの日も朝、目が覚めたら親父だけが
家にいた。「お母さんは?」っていう問いには答えずに、
「早く学校に行きなさい」って言われて俺は疑問を
持ちつつ学校に行ったんだ。洋平(林)がいない事も分かってはいたけど
なんとなく親父には聞けなかった。その後、親父から母親は洋平を
連れて出て行ったことを聞いた。
かなりショックだったけど幼い俺にはどうすることも出来なかったんだ。
その時「母さんは俺を捨てて出て行ったのか?」と思ったよ・・
だけど本当はそうじゃなかったんだという事がさっきの会話で分かった。
多分親父が無理やり追い出したんだと思う。洋平の耳には俺達が追い出したんだとお袋が言っていたのかもしれないな・・・。
俺も洋平が嫌いなんだと・・・俺はそんなことちっとも知らなかったし
いつか絶対に二人を探し出して一緒に暮らしたいとずっと思っていたよ。
木下は裏庭の隅にある小さなベンチに腰を下ろしていた。
俺も隣で話を聞いていた。
つづく
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