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何か物、生き物へのメッセージ⑩

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 プライドはあった方が良いのか無い方が良いのか。
「お前にはプライドはないのか!」
 小さな頃私は良く言われたの。
 それは正義感ともよく似ている。でも正義感も間違えば悪へと変わる。マスク警察とか最近言われているよね。誰もいないところでマスクを外しているのに、それを見た遠くの人がマスクをしていないと注意する。それは正義感から来る物で、でもそれは正しいのか?
 プライドと正義感は紙一重で、それが傷つけられれば相手に攻撃的になる。
 私にはプライドというプライドはない。でもそれは危険なのかもしれない。私は皮がない桃の果実なのかもしれない。このままでは鳥に食べられてしまう。
 今目の前を歩いているあの教授のような人もプライドは高く持っているのだろう。あの人の果物のプライドを割ったら中身は何が入っているのだろうか。固い身? 渋みのある果実? 種のみ? 毒? もしかして案外甘いかもしれない。でもそれは割ってみないと分からないけど、割ったらあの人が生きて行けなくなってしまうかもしれない。プライドがある人の中身を知ることは難しいね。
 私はプライドを持った方が良いのか。どんなプライドならば私は持てるのか、持つべきなのか。考えて思いついたのはお婆ちゃんや周りの人に優しくしてもらった記憶。
 そうか私が持つプライドは人を救えるような人になりたいという気持ちを持ち、実行する事だ。
 だから、悪い実に私の実が腐食されないように気を付けながら、私は自分のプライドを強い意志で守り、弱っている果実を救おうと思った。
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