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猫コネ

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「なるほど。分かりました。この敷地に入る事を許可します。あなたの親には大変お世話になりましたからね」
 野良の僕は行くあてもなく雨に濡れて彷徨っていたけど偶然見つけた土管は他の猫のテリトリーであった。しかしその猫は僕の親にお世話になった猫のようだった。そういえば僕の親は地域を纏めていたって噂をちらほらと聞いた事がある。
 虎の威を借る狐じゃないけど、親の威を借る子かもしれないし、親のにゃにゃ光かもしれないけど、生きる為にはなんでも利用して上手く立ち回る事も大事にゃのかもしれないなと思って人間の僕は土管で猫と暮らし始めたのである。
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