イメチェン

超絶ラビリンスコーヒースライム隊長Lv3

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イメチェン

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 学年で成績トップ3に入る華舞幻はなまいげんはイメージチェンジしたいと思っていた。 

 そこで、クラスのマブダチの大海広おおうみひろしに相談した。 

「俺、イメチェンしたいんだよね」

 幻は休み時間、黒ぶちの眼鏡をクイッと上げて広に言った。 

「イメチェン? どんな風にしたいんだい?」

 広が興味津々で聞いた。 

「俺って、眼鏡掛けてるし体も線が細いだろ? もっとワイルドな男になりたいんだよ。どうしたらいいかな?」 

「幻がそんな事考えていたとは意外だな。そうだな、まずは見た目から変えてみたらどうだい?」 

「どこを変えたらいいかな」 

「そうだな、まずはコンタクトにして、髪もおかっぱ頭やめて髪の毛を立たせるとか」 

「広、サンキュー」 

 次の日、幻は眼鏡をコンタクトにし、ツンツン頭で登校した。 

「似合ってるじゃん。一皮むけたよ」

 広は興奮気味に言った。 

 しかし、幻の表情はまだ暗い。 

 広が幻にどうしたのか訊ねると幻は「まだだ、もっとワイルドになりたい」と言った。 

 広はじゃあ、体でも鍛えたらどうだと幻に提案した。 

 次の日から、幻は学校にプロテインを持って来た。そして休み時間に腹筋、背筋、腕立て伏せをやり始めた。 

 広は日に日にマッチョと化していく幻をなんとも言えない気持ちで眺めていた。 

 先生や周りの生徒達は、幻の変わりように驚愕していたが、幻の鬼気迫る顔に圧倒され、何も言えないでいた。

 さらに数ヶ月が過ぎた。幻はまだ不満そうだ。 

「くそっ、なんで思い通りにワイルドな男になれないんだ」

 昼食の時間、幻は持参した巨大な骨付き肉をむしゃぶりつきながら言った。 

「何が、そんなに不満なんだよ。もう十分ワイルドじゃないか。どんなワイルドが理想なんだよ」

 広はあきれて言った。 

「もっと、見た目だけじゃなく厳しい世の中を渡っていける野性味溢れる力強い男になりたいんだ」 

 次の日、教室で広は幻に話しかけた。

「もういい加減にやめれば? 見てるこっちが、疲れるよ」 

「ウホッ?」

 幻は言った。 

「ウホッ? て何だ、ふざけてるのか?」 

「ウホッ、ウホウホッ」 

 広はそれ以上追及しなかった。 

 それは、ワイルドじゃなくてただの退化だろう。 

 下校時刻になり、広はウホウホ言いながら胸を叩き帰宅する幻をどこか遠い目で眺めていた。 




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