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色々と終わった。

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「まあ、このダンジョンでここに暮していた以上、この宝は全て私の物である事は疑いようがない。しかし君達もそれでは納得出来ないだろうから今手にした武器と防具だけはあげよう」
「ねえ、ここで諦めさせようとしているつて事はもっといい武器がある証拠じゃない?」
 魔女が小さな声で呟いた。
「そうだな」
 そして皆の意見が固まった。
「私達は冒険者、やっぱりここのお宝は全て貰うわよ」
「そうか、どうやら戦うしかなさそうだな」
 冬眠者はそう言うと、ある武器へと一直線へ走り、その武器を手に取った。
「これはこのフロア一番の武器だ」
「おお、自分から秘密を暴露した。どんな武器なのだろうか」
「多分魔法効果がありそうね」
「その通り、使うのはこれが初めてだがこの武器は武器として作られた最初の武器だ」
「それだけ?」
「それだけだ」
「つまり一番の武器と言うのは一番価値がある武器ってだけで武器その物としての価値はないって事ね」
「そんな事はない。オリジナルが一番偉いのだ。つまり他は全てこの武器のパクリであり二番煎じである」
「あなたね。オリジナルが一番価値があるのは分かるけど、性能っていうのはそうじゃないのよ。まあいいわ。その武器はいらないから、他の武器は全て頂戴?」
「何とこの武器がいらないと申すか。確かに私はこの武器さえあれば実際はいらない思っている事は事実だ。しかし、それではあまりに私が冬眠していたこの時間が無駄になる」
 魔女は極大炎魔法を壁にぶっ放した。
「まだやるつもり?」
「なるほど、私の敵う相手ではないという訳か。よし、この武器もあげよう」
「だからいらないって」
 そして魔女達は最初に作られたと言われている武器以外の武器防具全てを収納袋に収めたのであった。
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