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新たな経験値を獲得する場所を探す事にした。

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「俺達が行けば未来は変わるのか?」
「ええ、もちろんよ。私達が行けば家城での戦いは有利になるわ。でも私達が行かなくても彼らが死ぬ事はない。つまり、彼らの成長を促す為には行かない方が良いのよ」
「そうなのかな。彼らって他人みたいに言うけど、俺らの息子もいるからな」
「ええ、可愛い子には旅をさせよ。可愛い子には修行をさせよ、よ」
「確かに同じような意味かもしれないな」
「そうでしょ。それに私は魔女だから怪我をしても全員を癒せるから問題ないわ」
「分かった。俺も腹をくくったよ。忍者ハンターの偵察、あるいは戦いはあいつらに任せよう」
「ありがとう。そして私達はまた修行に赴くわよ」
「了解」
 魔女達はクラーケン討伐の目的は果たしたので、実際には倒しているわけではないが、ある意味、経験値無限獲得という契約を交わしたので目的は達したと言えるから次なる経験値稼ぎをどうしたら行えるかを考えた。
「やはり伝説の魔物を探した方が良いと思うのよ」
「まあそうだな。でもその分、危険は付き物だけど」
「でもね。危険と言うのは常にあるのよ。人間生きているだけで危険とも言えるのよ。常に死と隣り合わせなのよ」
「そうなの?」
「そうよ。どこにいたって何が次の瞬間起こるか分からないんだから」
「でも、それじゃあ未来予知出来ないんじゃないか?」
「その予知をした時点での未来は分かっているけど、その未来までの間の行動で未来は変わるのよ」
「じゃあ明日、皆が死なないという未来も俺達の行動で変わるのか」
「まあ、未来を知ってしまった私達が行動する事で未来は若干変わるでしょうね」
「それであいつらが死んだらどうする?」
「うるさいわね。少しはあいつらを信じなさいよ。私達の仲間はたった一人の忍者もどきにやられるほど弱くはないわ。それにその後、もっと大勢のハンターが攻めて来るんだからその心配をした方が良いのよ。その為には私達が強くならなければいけないの」
 魔女は強い口調で言った。
「今度こそ本当に覚悟を決めたぞ。さあ行こう。新たな経験値獲得を得る為の場へ」
 魔男はそう言って口を強く結んだ。
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