学校に潜む恐怖。

超絶ラビリンスコーヒースライム隊長Lv3

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学校に潜む恐怖。

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「なあ、この学校出るらしいぞ」

 そんな噂をどこにでもいるような少年Aから聞きつけた中学一年生の大和 登は好奇心をえらい刺激された。

「おい、いったい何が出るって言うんだい?」

 大和は語気の強い口調で言った。

「や、大和さん。この学校にはお化けやら何やら出ちゃうらしいですよ」

「な……、何だと……。この学校を仕切っているのは、この中学1年の大和 登だ。お化けか何か知らないが、我が縄張りを荒らすものは許さん」

 大和の顔はゆでダコのように真っ赤だ。

 どうしても我慢できなかった大和は夏休みになったら学校に侵入して、そのお化けやらを退治しようと計画した。夏休みまではあと一週間だ。

 大和は半ば強制的にクラスメイトの女、五月雨 加奈と親友の大仏 次郎を誘った。

 超インテリジェンスな大和はお化けに襲われた時のことを考えて、爆弾製作を開始した。

 大和 登が通う学校は超マンモス学校だ。生徒数は300万人いる。クラスの数もそりゃあもう半端ない。学校はまるで巨大な要塞で、様々な最新鋭の設備が備えられている。先生の数も尋常じゃない。生徒は入学すると小さなICチップを体内に埋め込まれ管理される。廊下には廊下専用のマイクロバスや、誰でも借りられる自転車が走っている。学校の校庭には専用ジェットが配備されていて、移動時間は苦にはならない。校庭には他に遊園地や巨大な流れるプールなどがあり、休み時間は子供達が戯れる。自由な校風を掲げているので、常時学校は開け放たれている。ただもし学校が終わった後、学校に入り、何か問題が起きても学校の責任ではなく、自己責任ということだ。今までに学校が終わった後に学校に入り、行方不明になっている生徒も多数いると言う。

「完成したぞ」

 大和 登は強力で、高性能な米粒ほどのミニ爆弾を完成させた。今度はそれらの大量生産にかかる。

 大和は不眠不休で取り掛かり、夏休み前に一万個の爆弾を完成させた。その爆弾を大きな白い布製の袋に詰める。

「はい、明日から夏休みだよー。宿題忘れんなよー」

 包丁をちらつかし、一クラス100人の生徒に向かって先生は脅しをかける。

「ひいいー」と言う声があちこちから聞こえ、先生は満足げに頬を緩めた。

 ホームルームが終わり下校時刻だ。さあいよいよ明日から夏休みだ。

 大和は加奈と次郎を自宅に招待した。秘密の作戦会議をするためだ。

「どうすればお化けをやっつけられると思う?」

 大和が聞いた。

 加奈と次郎は頭の中をフル回転して、一生懸命考えに考えた。そして、ある一つの結論に辿り着いた。

「攻撃あるのみだと思う」

 大和はその意見を聞いて感情を高ぶらせた。

「確かにそれしかないよな。攻撃あるのみだ。カカカカカ」

 大和が、狂気ような笑いを浮かべる。

「で、いつ学校に侵入するの?」

 長髪で黒髪、伊達眼鏡、様々な格闘技の全国チャンピオンの五月雨 加奈が言う。

「お前はいつがいいと思う?」

 大和が大仏 次郎に問う。

「じゃあ、雰囲気が出るから満月の日はどうだい?」

「わかった」と大和。

 そして、夏休み真っ只中の満月の日の夜。三人は学校に侵入することにした。

 蝉の鳴き声が辺りに響き渡っている。大和達は恐る恐る学校の門を潜った。

 門を潜ると同時に空気が裂かれるような音が聞こえた。

「危ない」

 反射神経の良い、五月雨 加奈が大和 登と大仏 次郎の背中を力強く押す。

 直後、空から無数の矢の雨が降り注ぎ地面に突き刺さり、物凄い音を立てる。

「くっ、まさか学校の門を潜っただけで、こんな怪奇現象が起きるとは……。この学校舐めてたぜ」

 大和 登が険しい表情で口元を歪めて言う。

 大和は「油断するなよ」と言い、大仏 次郎の方を見る。すると、大仏 次郎が泣いていた。

「ひっく! ひっく! 加奈、加奈ーーーーーー」

 大仏 次郎は五月雨 加奈の頭を支えている。

「ど、どうした。加奈」

 大和は2人に近づく。加奈の背中には無数の矢が突き刺さっていた。

「くっ! ぬかったわ。私はもうだめ。後は2人に任せたわ」

 五月雨 加奈はそう言った後、ガクッと息絶えた。

 五月雨 加奈、享年13歳。ここに死す。

 大和は死んだ加奈の首を切り取り背負って来たリュックサックに入れた。

「加奈。お前の敵は必ず取る」

 大和は歯が折れるくらい口を噛み締め、血が出るくらい拳を力いっぱい握った。

 慎重に学校の内部への扉を開けた2人の前に、いきなり吸血鬼が現れた。

 無数の小型爆弾を吸血鬼に投げつける。この爆弾は人工知能付きの爆弾で、投げつけた相手の弱点を瞬時に理解し、爆弾の効能を変化させる。吸血鬼に投げつけたので、爆弾の中身がにんにくに変化した。

 無数のにんにく爆弾を食らった吸血鬼は苦しみ悶えながら消滅して行った。

 学校の廊下を歩いていると、口裂け女が現れた。ものすごい速さで走ってくる女に大仏 次郎はあっという間に羽交い絞めにされた。

「大和、俺のことは気にするな。俺ごと吹っ飛ばせ」

 大仏 次郎が苦しげな表情で息を荒げながら言う。

「できるのかな? お友だちを犠牲に……。ウフフフフフ」

 ヘビのような目つきの口裂け女が大きな口で笑う。

「わかった」

 大和 登は何のためらいもなく、袋から小型爆弾を一掴みし、口裂け女に投げつけた。

 爆弾が爆発し、口裂け女、大仏 次郎の肉体が木っ端微塵に破壊される。

「馬、馬鹿な……。何の躊躇も見せないなんて」

 頭だけになった口裂け女が驚愕の表情で言う。

 大和はフンッと軽くいい、口裂け女の頭を足でぐしゃと踏み潰した。

 大和は頭だけになった大仏 次郎の前にしゃがみ込む。

「大仏 次郎、いままでありがとう」

 大和の頬から一筋の涙が流れる。

 大和は大仏 次郎の頭を手に取りリュックサックに入れた。

 大仏 次郎享年13歳ここに死す。

 一人になった、大和の中で何かが吹っ切れた。次々と襲い掛かってくるお化け、妖怪、教師達を狂ったように殺し続ける。

 ヒャハハハハハー。

 大和は声を上げひたすらに学校内を進んでいく。殺した妖怪の首を廊下の両端に次々に並べていく。その数、千は下らないだろう。殺した教師達は見つけた縄で一体一体、首に縄を掛け、教室一部屋ごとに遺体を吊るした。殺した妖怪や教師達の内臓は取り出し、教室内でバーベキューをして食べた。

 大和は止まらないまま学校を突き進み、気づけば夜が明けようとしていた。

 夜が明けた時、大和の体に異変が起こった。

 髪の毛は抜け落ち、目は飛び出し、爪は鋭く伸び、皮膚の色は緑色に変化し、身長が数倍に伸び、筋肉が肥大し、口には鋭い歯が生えてきた。妖怪の内臓を食ったことによって体が妖怪に変化しようとしているのだ。

「な、何が起きたんだ」

 大和はフガフガとした口調で言った。

 その様子を廊下に取り付けられた監視カメラが捕らえていて、それを見ていた警備員がすぐにその映像を防衛省あたりに送った。

 すぐに自衛隊が出動され、学校周辺は皆、避難指示が出された。

 妖怪になった大和は学校内をさらに暴れ回り、学校内の妖怪、幽霊、先生を全て殺した。

 満足した大和は学校の屋上に上がり、屋上の真ん中で大きな雄たけびを上げた。

 周辺住民が皆、避難したことを確認した自衛隊は、学校上空に戦闘機で向かう。

 そして、学校の屋上目掛けて、巨大爆弾を投下した。

 爆弾は見事に大和の体に命中した。

 巨大な爆発。爆音や爆風が学校一帯を包む。学校は跡形もなく崩れ去った。

 ニュースではその事件は大々的に報道され、世界中の関心を誘った。

 間もなくして、学校は再び建設された。今度は妖怪や、幽霊が出ることは二度となかったということだ。




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