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寒気歓喜

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 少年は歓喜した。強い寒気が近づいてきているからだ。初めて見る雪の到来に心を躍らせていた。
「雪にシロップをかけて食べるんだ」
 少年は意気込んでいた。
 コツコツ貯めていたお小遣いでシロップを買い、保管していたら、母親が気付き「あらっ、何このシロップ」と言われたので事情を説明すると、「やめなさい! 雪は一見綺麗に見えるけど、空気中のチリや埃が付いてい足りして汚いのよ」と言われたので少年はショックを受けた。
 そして少年にとっての初めての雪が降った。空から降る雪を眺めながら少年はかき氷を食べ、大人への道のりはまだまだ長いなとふと心の中で思うのであった。
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