皮膚

あらき恵実

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皮膚

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朝、目が覚めて、
私はブルブルとふるえながら、
泣いていました。

身の毛がよだつような、
怖い夢をみました。

とても、怖い夢でした。

夢の中で、
私の腕は、異様な様になっていました。

パンパンに腫れて、
かゆくてかゆくて
たまらないのです。

私が、腕をかきむしると、
表皮がペロリとはげて、
中にびっしりと、
ヤングコーンのようなブツブツとした植物が
つまっていました。

私はあまりのグロテスクさに、
ビックリして、悲鳴をあげました。

それから、一心不乱に、
植物をブチブチ、ブチブチと抜きました。
庭の雑草をむしるように、
ブチブチ、ブチブチと。

植物は、
私の腕の血管に根を張り、
骨にからみつき、
筋肉はいつの間にか、
植物と同化していました。

それでも私は、
びっしりと腕に植物が生えている光景に
耐えられず、
ブチブチ、ブチブチと抜きました。

そして、
ハッと気がつくと、
腕の中が空っぽになっていました。

そこには、
骨も、
筋肉も、
血管もなく、
がらんどうの空間と、
表皮だけがありました。

その光景が、
あまりにリアルで、
私は目が覚めてから、
腕をさすりながら泣きました。

腕は腫れてもおらず、
かゆくもなく、
私は、健常な腕が愛しくて、
いつまでも腕をさすっていました。
さすりながら、
おいおいと泣きました。

だんだんとその涙は安堵の涙に変わっていきました。

しかし、私は、
ふと腕をさする手のひらに、
異様な感覚を覚えたのです。

私は嫌な予感を感じながら、
腕を見つめました。

すると、
私の両腕の前腕に、
プツプツと均等にならんだ
発疹が見えました。

両手の前腕の内側に、
縦にも横にも一センチくらい間隔を空けて、
発疹が並んでいました。

均等に盛り上がったさまに、
私は畑を思い浮かべました。

もしくは、均等に種を植え、
芽が吹き出すばかりになった、
花壇を。

私は、
手のひらにジワッと嫌な汗をかきながら、
爪の先で、発疹をひっかきました。

すると、
めくれた皮膚の下に、
新緑の色をした何かが見えました。

それは、まるで、
植物の芽のようでした。

ザワザワと胸騒ぎがし、
皮膚の下でも、
何かがうごめくのを感じました。






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