6 / 13
6
しおりを挟む
バタン…。
扉が閉まった。
あぁ、エマが行っちゃった。
ハリトンが玄関の扉をぼーっと見つめていると、
ドガッ!!!
後ろから衝撃が与えられた。
「ハリー、ほら早くお部屋に戻ってください。仕事溜まってるでしょ。さっさと片付けてくださいよ。私だってあなたに付き合っていられるほど暇ではないのですよ。」
「おい、ウィル!今、背中蹴ったのか?俺、お前のご主人だよな?」
「はい、そうですよ。ハリーがあまりに動かないので足の我慢がきかなかったようです。もう一度足を暴走させたくなかったら、早く部屋に戻ったらいかがですか?」
「わかったよ。戻ればいいんだろっ、戻れば!」
ウィルことウィリアムは、ハリトンと幼い頃から一緒に育ち、今では侍従としてそばにいて、やり手で働き者である。
ただ、足グセが(口も?)ハリトン限定で悪いようだ。
拗ねつつハリトンは部屋に戻った。
仕事を始めて、たった5分…
「ねぇ、ウィル。なんでエマはあんなに天使なんだろう。俺も一緒にお茶買いに行きたかった。
絶対レオのやつお茶会に参加してやがるよな!
クソッ!!俺の天使の視界に入りやがって!」
「エマ様がお美しいのは当たり前で自然の摂理のようなものですね。ハリーがお茶会に行ってもエマ様に暴言吐いて、クソほど嫌われるだけでしょう。無駄なことペラペラ言ってないで手を動かしてください。レオンハルト殿下は婚約者なのですから、あなたに文句を言われる筋合いはありませんよ。」
「うるさいなぁ、わかってるよ。
俺だってエマへの暴言は言いたくて言ってるわけじゃないんだ!
そして、レオとはいい友人だが、エマの婚約者とは断じて認めていない!!」
はぁぁぁ
ウィリアムは深いため息をつく。
(こんなのが兄でエマ様はとてもお可哀想に…。
まずはハリーが普通にエマ様と話せるようにならないとどうにもならないよな。)
「ハリー、仕事が終わったら、エマ様と普通に話せるように特訓しますよ。
だから、早く手を動かしてください。」
扉が閉まった。
あぁ、エマが行っちゃった。
ハリトンが玄関の扉をぼーっと見つめていると、
ドガッ!!!
後ろから衝撃が与えられた。
「ハリー、ほら早くお部屋に戻ってください。仕事溜まってるでしょ。さっさと片付けてくださいよ。私だってあなたに付き合っていられるほど暇ではないのですよ。」
「おい、ウィル!今、背中蹴ったのか?俺、お前のご主人だよな?」
「はい、そうですよ。ハリーがあまりに動かないので足の我慢がきかなかったようです。もう一度足を暴走させたくなかったら、早く部屋に戻ったらいかがですか?」
「わかったよ。戻ればいいんだろっ、戻れば!」
ウィルことウィリアムは、ハリトンと幼い頃から一緒に育ち、今では侍従としてそばにいて、やり手で働き者である。
ただ、足グセが(口も?)ハリトン限定で悪いようだ。
拗ねつつハリトンは部屋に戻った。
仕事を始めて、たった5分…
「ねぇ、ウィル。なんでエマはあんなに天使なんだろう。俺も一緒にお茶買いに行きたかった。
絶対レオのやつお茶会に参加してやがるよな!
クソッ!!俺の天使の視界に入りやがって!」
「エマ様がお美しいのは当たり前で自然の摂理のようなものですね。ハリーがお茶会に行ってもエマ様に暴言吐いて、クソほど嫌われるだけでしょう。無駄なことペラペラ言ってないで手を動かしてください。レオンハルト殿下は婚約者なのですから、あなたに文句を言われる筋合いはありませんよ。」
「うるさいなぁ、わかってるよ。
俺だってエマへの暴言は言いたくて言ってるわけじゃないんだ!
そして、レオとはいい友人だが、エマの婚約者とは断じて認めていない!!」
はぁぁぁ
ウィリアムは深いため息をつく。
(こんなのが兄でエマ様はとてもお可哀想に…。
まずはハリーが普通にエマ様と話せるようにならないとどうにもならないよな。)
「ハリー、仕事が終わったら、エマ様と普通に話せるように特訓しますよ。
だから、早く手を動かしてください。」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!
キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。
だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。
「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」
そこからいろいろな人に愛されていく。
作者のキムチ鍋です!
不定期で投稿していきます‼️
19時投稿です‼️
彼氏がヤンデレてることに気付いたのでデッドエンド回避します
八
恋愛
ヤンデレ乙女ゲー主人公に転生した女の子が好かれたいやら殺されたくないやらでわたわたする話。基本ほのぼのしてます。食べてばっかり。
なろうに別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたものなので今と芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
一部加筆修正しています。
2025/9/9完結しました。ありがとうございました。
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる