5 / 91
第5話 チェックインってどうやんの?
俺と柴乃宮は煌々と輝くネオンに包まれたエロい外装のラブホテルの目の前に立っていた——
マジで来ちゃったけど、どうすんのこれ。入るのにめちゃくちゃ緊張するんだけど…
俺はチラッと柴乃宮の顔を見る。
彼女はこのラブホテルのネオンの明かりに負けないくらい目をキラキラさせている。
恥ずかしさのかけらも感じられない彼女はやはりこういう所には慣れているんだろう。
俺は少し残念に感じながらも彼女に話し掛ける。
「柴乃宮……ここでいいか?」
「ええ、ここでいいわ。行きましょう」
「ああ」
俺たちはホテルの入り口を隠す高い壁の横を抜けて遂にラブホテルへと入った。
すると中には人の気配がしない広い空間と巨大なディスプレイが鎮座していた。
え?フロントは?これどうやってチェックインすんの?
初めての事ばかりで若干テンパっている俺は、慣れているであろう彼女に聞くほか無かった。
「柴乃宮、わるい。俺こういうの初めてで……どうやってこれ部屋はいるの?」
マジで情け無い……こういうのも学校で教えるべきじゃない?
「………そうね、たぶんこのディスプレイでなにかするのかしら?」
少し間を開けて返事を返してくる彼女は、ゆっくりとそのディスプレイへと近づき人差し指で軽くタップをする。
するとディスプレイに沢山の部屋の情報と、休憩や宿泊の金額が表示された。
「この中から選ぶみたいね?鷹村くん、どこがお好みかしら?」
「どれどれ?……」
俺もディスプレイをのぞき込む。
パッと見、同じような間取りの部屋以外にも、コンセプトルームなるものがあるらしい。
正直金額なんてどうでもいい。嫌な言い方だが金ならある。高校生の俺にとっては使い切れないくらい。
「鷹村君もこれは悩むわよね?気持ちわかるわ」
わずかに眉を寄せた美しい顔が、ディスプレイの光に照らされる。
彼女は真剣な眼差しで画面を見据えながら、いかにも真面目そうに言葉を発した。
「大きなジャクジーとマット付きの部屋ならソーププレイも出来そうだし、この電車内コンセプトルームなら痴漢プレイも楽しめる。でも……このSMルームなら全身拘束具なんかもあるし……どれも捨てがたいわね♡鷹村君はソープと痴漢とSMならどれがお好み?♡」
「そうだなぁ………じゃなくて!!なに勝手に3択に絞ってんだよ!?」
「逆にその3択以外に何かあるのかしら?」
「いやいやいや!めちゃくちゃ普通の部屋あんだろ!?これも、これもこれも!!」
「あら、そんなのあるなんて全く気づかなかったわ」
いやコンセプトルームは1部屋しか無いんだが?それ以外ノーマルルームなんだが?
ダメだこの生徒会長。もう脳内が真っピンクで正常に判断出来てない。
「鷹村君が選ばないなら私が選ぶわ……」
しびれを切らしたように彼女の人差し指がSMルームの表示へと吸い込まれるように動きだしたその時——
「させるかぁぁぁあ!!!」
俺は身の危険を感じ、彼女を指をはねのけ無意識にノーマルルームの表示をタップしていた。
ピッ
ディスプレイの下の機械から、なにやら一枚のカードが出てくる。
〔選択されたお部屋のご精算はカードをお取りいただき隣の精算機で行ってください〕
電子音声が鳴り響く。
俺はその音声に従いカードを受け取ろうとした時——
「…………チッ」
俺の横で何やら舌打ちのような音が聞こえた。その音の方向を振り向く。柴乃宮だ。
「……ん?」
「なんでもないわ、早く精算を済ませてお部屋へ行きましょう」
明らかに不満そうな顔をしている彼女。意味がわからない。
しかしなぜかそんな彼女を見てると可愛いと思ってしまう自分がいる。
学校では見たことない表情は俺だけのものかもしれないから。
「柴乃宮、別の部屋がよかったのか?」
「とっ……特にこだわりはないわ」
「そっか………まあ、次来た時はお前の好きな所入ろうな」
「えっ………」
「ん?」
俺の言葉に反応して彼女の頬は朱に染まる。それを見て首をかしげる俺。
「………………アッ!?!?」
そして数秒後、俺は自分が放った言葉の真意を理解すると、頭が爆発しそうなくらい動揺して手が震える。
俺何言ってんの!?またやらかした!!もういっそ殺して……
次来た時はってなんだよ!?なにしれっと次誘ってんだよ俺!?柴乃宮をデートにも誘ったことないのに、ホテル誘うの2回目ってヤリチンムーブじゃねーか!!
「そっ……そうね鷹村君……」
いやいやいや、まんざらでもない顔しないで!?
俺は彼女と顔を合わせるのが恥ずかしすぎて、無言のまま精算を済ますとエレベーターへと向かった。
「柴乃宮………いこう」
「ええ……鷹村君」
「303号室か……」
独り言のようにカードに記載された部屋番号を復唱しているとエレベーターが到着し、そして中から1組のカップルが降りてくる。
俺たちは入れ替わるようにエレベータに乗り込む。そして目的の階を押した時、すれ違ったカップルの会話が聞こえてきた。
「ねぇ!あの2人見た!?」
「みたみた!制服カップルだろ!?羨ましぃ~」
「あれコスプレじゃないよね!?イケメンと美女が制服でホテルとか理想す……」
会話はそこでエレベーターの扉に阻まれ強制的に途切れる。そしてエレベーターの駆動音だけが響く。
「「…………………………」」
2人の間に沈黙が落ちる。
俺たち制服でラブホ来てんじゃん!?気づかなかったけど、これクソ恥ずかしいし誰かに見られたらヤバくないか!?今更だけど!?
俺は急に変な汗が背中につたっていくのがわかった。あの会話は柴乃宮も聴いていたはず。
ふと彼女の反応が気になり視線を送ると、思った通り彼女はそっと視線を伏せ、指先を弄びながらモジモジとしている。
やっぱり恥ずかしいよなぁ……
そんな事を思っていた時彼女の口が微かに動き、小さく何かをつぶやいた。
「……制服……カップル……鷹村君……」
その言葉の断片に、また俺は恥ずかしさがこみ上げてきた——
次回:奴隷のように扱ってくれないかしら?
マジで来ちゃったけど、どうすんのこれ。入るのにめちゃくちゃ緊張するんだけど…
俺はチラッと柴乃宮の顔を見る。
彼女はこのラブホテルのネオンの明かりに負けないくらい目をキラキラさせている。
恥ずかしさのかけらも感じられない彼女はやはりこういう所には慣れているんだろう。
俺は少し残念に感じながらも彼女に話し掛ける。
「柴乃宮……ここでいいか?」
「ええ、ここでいいわ。行きましょう」
「ああ」
俺たちはホテルの入り口を隠す高い壁の横を抜けて遂にラブホテルへと入った。
すると中には人の気配がしない広い空間と巨大なディスプレイが鎮座していた。
え?フロントは?これどうやってチェックインすんの?
初めての事ばかりで若干テンパっている俺は、慣れているであろう彼女に聞くほか無かった。
「柴乃宮、わるい。俺こういうの初めてで……どうやってこれ部屋はいるの?」
マジで情け無い……こういうのも学校で教えるべきじゃない?
「………そうね、たぶんこのディスプレイでなにかするのかしら?」
少し間を開けて返事を返してくる彼女は、ゆっくりとそのディスプレイへと近づき人差し指で軽くタップをする。
するとディスプレイに沢山の部屋の情報と、休憩や宿泊の金額が表示された。
「この中から選ぶみたいね?鷹村くん、どこがお好みかしら?」
「どれどれ?……」
俺もディスプレイをのぞき込む。
パッと見、同じような間取りの部屋以外にも、コンセプトルームなるものがあるらしい。
正直金額なんてどうでもいい。嫌な言い方だが金ならある。高校生の俺にとっては使い切れないくらい。
「鷹村君もこれは悩むわよね?気持ちわかるわ」
わずかに眉を寄せた美しい顔が、ディスプレイの光に照らされる。
彼女は真剣な眼差しで画面を見据えながら、いかにも真面目そうに言葉を発した。
「大きなジャクジーとマット付きの部屋ならソーププレイも出来そうだし、この電車内コンセプトルームなら痴漢プレイも楽しめる。でも……このSMルームなら全身拘束具なんかもあるし……どれも捨てがたいわね♡鷹村君はソープと痴漢とSMならどれがお好み?♡」
「そうだなぁ………じゃなくて!!なに勝手に3択に絞ってんだよ!?」
「逆にその3択以外に何かあるのかしら?」
「いやいやいや!めちゃくちゃ普通の部屋あんだろ!?これも、これもこれも!!」
「あら、そんなのあるなんて全く気づかなかったわ」
いやコンセプトルームは1部屋しか無いんだが?それ以外ノーマルルームなんだが?
ダメだこの生徒会長。もう脳内が真っピンクで正常に判断出来てない。
「鷹村君が選ばないなら私が選ぶわ……」
しびれを切らしたように彼女の人差し指がSMルームの表示へと吸い込まれるように動きだしたその時——
「させるかぁぁぁあ!!!」
俺は身の危険を感じ、彼女を指をはねのけ無意識にノーマルルームの表示をタップしていた。
ピッ
ディスプレイの下の機械から、なにやら一枚のカードが出てくる。
〔選択されたお部屋のご精算はカードをお取りいただき隣の精算機で行ってください〕
電子音声が鳴り響く。
俺はその音声に従いカードを受け取ろうとした時——
「…………チッ」
俺の横で何やら舌打ちのような音が聞こえた。その音の方向を振り向く。柴乃宮だ。
「……ん?」
「なんでもないわ、早く精算を済ませてお部屋へ行きましょう」
明らかに不満そうな顔をしている彼女。意味がわからない。
しかしなぜかそんな彼女を見てると可愛いと思ってしまう自分がいる。
学校では見たことない表情は俺だけのものかもしれないから。
「柴乃宮、別の部屋がよかったのか?」
「とっ……特にこだわりはないわ」
「そっか………まあ、次来た時はお前の好きな所入ろうな」
「えっ………」
「ん?」
俺の言葉に反応して彼女の頬は朱に染まる。それを見て首をかしげる俺。
「………………アッ!?!?」
そして数秒後、俺は自分が放った言葉の真意を理解すると、頭が爆発しそうなくらい動揺して手が震える。
俺何言ってんの!?またやらかした!!もういっそ殺して……
次来た時はってなんだよ!?なにしれっと次誘ってんだよ俺!?柴乃宮をデートにも誘ったことないのに、ホテル誘うの2回目ってヤリチンムーブじゃねーか!!
「そっ……そうね鷹村君……」
いやいやいや、まんざらでもない顔しないで!?
俺は彼女と顔を合わせるのが恥ずかしすぎて、無言のまま精算を済ますとエレベーターへと向かった。
「柴乃宮………いこう」
「ええ……鷹村君」
「303号室か……」
独り言のようにカードに記載された部屋番号を復唱しているとエレベーターが到着し、そして中から1組のカップルが降りてくる。
俺たちは入れ替わるようにエレベータに乗り込む。そして目的の階を押した時、すれ違ったカップルの会話が聞こえてきた。
「ねぇ!あの2人見た!?」
「みたみた!制服カップルだろ!?羨ましぃ~」
「あれコスプレじゃないよね!?イケメンと美女が制服でホテルとか理想す……」
会話はそこでエレベーターの扉に阻まれ強制的に途切れる。そしてエレベーターの駆動音だけが響く。
「「…………………………」」
2人の間に沈黙が落ちる。
俺たち制服でラブホ来てんじゃん!?気づかなかったけど、これクソ恥ずかしいし誰かに見られたらヤバくないか!?今更だけど!?
俺は急に変な汗が背中につたっていくのがわかった。あの会話は柴乃宮も聴いていたはず。
ふと彼女の反応が気になり視線を送ると、思った通り彼女はそっと視線を伏せ、指先を弄びながらモジモジとしている。
やっぱり恥ずかしいよなぁ……
そんな事を思っていた時彼女の口が微かに動き、小さく何かをつぶやいた。
「……制服……カップル……鷹村君……」
その言葉の断片に、また俺は恥ずかしさがこみ上げてきた——
次回:奴隷のように扱ってくれないかしら?
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり