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第6話 奴隷のように扱ってくれないかしら?
ガチャリ
俺は遂にラブホテルの部屋の重い扉を開けた。
部屋に一歩足を踏み入れると、モダンなデザインの大きなベッドが目に入る。
さらに、壁掛けのTV、ソファ、テーブルが整然と配置され、エロいのに洗練された雰囲気を醸し出していた。
もちろん忘れてはいけないのは、枕元にある例の照明調整パネルと黒いティッシュボックス、意味深な黒く小さな正方形の箱と独特のリネンの香り。
「おお……」
思わずその場に立ち止まり小さな声が出る。
これ、AVで見たままじゃん……
俺だってAVくらいは見る。むしろ一人暮らしだからめちゃくちゃ見やすい環境だ。
エロいことに興味はあるに決まってる。思春期なんだからしょうがないだろ言わせんな。
「鷹村君、荷物はここにおいてもいいかしら?」
「ん?ああ、どこでも柴乃宮の好きな所に置いてくれよ」
俺の後ろから部屋に入って来た柴乃宮は、いつの間にかソファ前まで移動して持っていた鞄を置いている。
やはり慣れている感じだ。俺も彼女に続き、同じ場所に荷物を置く。
しかし、ここからどう動いて良いかマジでわからない。俺はまず、心を落ち着かせる為にソファに腰掛けた。そして彼女に視線を向けると……
「あっ!これはもしやコンドームが入っている例の箱じゃないかしら!?やっぱり!!2個入ってる!!2開戦以上はどうするのかしら?あっ!これは照明をイジれるパネルね!」
彼女はそう言ってポチポチとパネルをいじると、照明がチカチカと暗くなったり明るくなったり、ピンクになったりブルーになったり……
「あら?この箱はなにかしら?………ああっ!これは電マを入れる箱なのね!?♡」
柴乃宮!?どしたのちょっと落ち着いて!?さっきまでの落ち着きは!?
この生徒会長めっっっっちゃノリノリなんだけど!?むしろ男がやりそうな事大体やってるけど!?
彼女は見たことのない程の笑顔で目をキラキラさせながら部屋中をはしゃぎ回っている。そんな彼女を見て俺はつい笑みがこみ上げる。
「ははっ、柴乃宮お前もそんな顔するんだな」
「……へっ?」
俺が何気なく口にした言葉に彼女の肩がピクリと揺れる。
まるで意識していなかったのに、不意を突かれたようなそんな反応。
彼女は急に視線を忙しなく泳がせ、ぎこちない動きでどこか恥ずかしそうに俺の方へと歩いてくる。そして隣に腰掛けると自分を落ち着かせるように小さく「コホンッ」と咳払いをした。
「その、どういう意味かしら?」
「どういう意味?そのままだけど?」
「だからそのままとはどういうこと?」
「だから、そんなに楽しそうに可愛く笑えるんだなって思って。柴乃宮っていつも凜としてて少しカタい感じだろ?でも今はなんていうか、素っていうか、無邪気っていうか……」
俺はそう言って順調に失言カウントを増やしてゆく。
可愛く笑えるってなんだよ!?口説きかよ!?キモすぎだろ俺!でも柴乃宮の前だとついつい気持ちが溢れちまって余計な事言ってしまうのどうにかしないと!!
「ありがと……鷹村君」
「あ、ああ……」
彼女が恥ずかしそうに小さな声でつぶやいたその一言にこっちまで恥ずかしくなる。
俺はついその気恥ずかしい雰囲気を変えたい事もあり、ずっと言いたかった事を切り出す。
「柴乃宮、ここに来たのはいいけどとりあえずどうする?世間話でもする?何かしたいことあるか?ゲームとか、ドラマ見るとか……」
これがオレの限界。というか正直、柴乃宮とその……そういう事を出来る自信が無い。一応気づいていると思うが言っておく。俺は童貞だ。
「どうって……鷹村君。私はあなたに買われたの。だから何でも従う奴隷のように扱ってくれないかしら♡」
「はっ!?バカお前何言って!?奴隷って!?」
「何かおかしい事言ったかしら?ご主人様?」
「ちょっ!?ご主人様!?」
いや、だから急にアクセル踏むのやめない!?マジで何言い出すのこの生徒会長!?奴隷とかご主人様とか、マジで勘弁してくれ!!こんなん大人でもそう言わなくない!?
心なしかハァハァと息を荒くする彼女。強烈な爆弾発言に俺は戸惑うどころか彼女の正気を疑うが、彼女はそんなのどこ吹く風。
「私は何も間違った事なんか言ってないわよ鷹村君?どうする?とりあえず私のおっぱい揉む?挟まる?それともセックスする?鷹村君は匂いフェチみたいだからシャワーは浴びないわ」
そして彼女はまるで俺の反応を伺うかのように身体をこちらに向けてグイッと近づいてくる。少し前屈みになったことで元々デカかった彼女のおっぱいがより強調され、それが今にも当たりそうなほどに俺に迫ってくる。
「ちょっ柴乃宮!?バカ近い近い!!当たる当たる!!おっぱいは揉まないし、挟まらないし!!セックスはちょっと待ってくれって!!心の準備が……ってかそもそも俺匂いフェチじゃないし!?」
「あら?カフェで言ってじゃない?」
「言ってねぇよ!!話の筋が見えてなかっただけだって!」
「ほんとかしらぁ?♡」
そう言いながら、今度は顔を近づけてくる。
そんな彼女の行動に俺の心臓は破裂しそうなほど早く脈打っている。
彼女は妖艶だが恥じらいが混ざるような表情になり小さく囁く。
「ねぇ、とりあえず……キス……してみない?」
「………っ!?」
そして、彼女の顔が俺の眼前に迫ったその時——
ぐぅぅぅぅぅぅ
彼女のお腹が鳴った。
「「あっ」」
俺たちの声が同時に重なり、思わず顔を見合わせる。
……………………
「なぁ、とりあえず腹減ったし、飯でも食わないか?」
「…………ええ、そうね」
この後めちゃくちゃ飯食った——
次回:先にシャワー浴びてこいよ
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