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第17話 男女の夜って、まあそうなっちゃうよね。後編
「そっ、そんなことより!霞、お前の荷物とか寝る部屋どうする!?」
我ながらよい話題を出せたと思う。グッジョブ俺。
実際そこらへんの重要な部分はまだ決めていなかったので、このなんともエロい状況を打破する最良の話題と考えてもいい。
「私の部屋?」
「ああ、俺ん家2部屋余ってるんだけど片方物置みたいになっちゃってて……すぐに布団敷くならその使ってない部屋に案内するけど……」
俺の提案を聞いた彼女は、何が引っかかったのか目をパチパチとさせて首をかしげている。
「恭介?あなた何を言っているのかしら?」
「何って、お前の部屋の話だけど……?」
「部屋ならもうあるじゃない」
「ん?あるってここか?ここリビングだぞ?」
「違うわ、あなたの部屋よ」
「俺の部屋……………?どういうこと?」
話とは一度食い違うと意外と理解が難しいものだ。俺は本気で理解出来ていなかった。というかもしかしたら一種の防衛反応かもしれない。
「だから…私はあなたの部屋で一緒に寝るから部屋なんて要らないって言っているのよ」
「ああ、なんだそういうことか……………えっ、お前マジで言ってる?」
俺は驚きそうになるのをどうにか沈めて冷静に対処をする。
そもそもそれくらい肝を据えておかないと今後の生活に必ず障害が出ると思ったから。
「ええ、マジよ。なんでご主人様と離れて寝なきゃいけないのよ。私はあなたのモノなのよ?そもそも……せっかく一緒に住んでるのに、寂しいじゃない…」
少し口を尖らせながらいじけるようにしている彼女。可愛いから悔しい。
「そっ…そうか、ご主人様ではないけどな……じゃあそうするか」
「あら、意外と今日はものわかりがいいのね」
「なんか、慣れってあるじゃん?」
まあ一緒の部屋で寝るくらいなんてことはない。数日前も寝たじゃないか。今更……
いやただのやせ我慢だわ!問題しかないわ!隣でこんなあられもない姿の巨乳女子高生が寝てたらどうにかなっちまうだろ普通!!
そんな心の叫びに俺は耳を塞ぐ。大丈夫。まだギリいける……たぶん。
こめかみに静かに冷や汗を滲ませる俺を気にも止めず、彼女はスマホを手に取ると画面を軽く眺めながら俺に言ってくる。
「もう11時近いのね、そろそろ寝室に行きましょう。恭介」
その言い回しが色々と想像をかき立ててくる事を彼女はわかってやっているのだろうか?
「わかったよ、俺の部屋ちょっと汚れてるけど勘弁してくれな?」
そう言って俺は彼女を連れて寝室、もとい俺の部屋へと向かった。
リビングに隣接する俺の部屋は10畳ほどの広さ。壁際に収納と洋服ダンス、小さな勉強机と大きなビーズクッションが2つ置かれているだけの、正直かなり味気ない空間だ。
唯一のこだわりといえば、狭くなるのを嫌ってベッドではなく布団を敷いていることくらい。フローリングなのに。
「やっぱり綺麗じゃない…」
やはり俺の部屋をウロウロと歩き回って物珍しそうに見る彼女。俺も彼女の立場なら同じ事をしてしまうと思う。
「俺布団派なんだけど、もし霞ベッドがよければすぐに通販で頼むから言ってくれ」
「奇遇ね、私も布団派なのよ。私寝相が悪くて、昔ベッドから落ちてから布団にしたの」
「そうなんだ、お前意外だな……」
ベッドから落ちる霞なんて想像出来ない、そもそもお姫様みたいにお淑やかに寝ているイメージしかない…
「じゃあ布団2つ敷く感じで横並びでいいか?」
「……………………………………ええ、いいわ」
えっ?なに今の間?若干ご機嫌悪そうな感じになってますけど?えっ?
俺はできるだけ彼女を気にしないよう数分ほどで布団を敷き終えると、そのまま片方の上にあぐらをかいて座った。
ぴったり並んだ二つの布団が置かれた部屋は、思っていたよりも余裕があってスペースが残っている。これなら夜中にトイレに起きてもお互いを起こさずに済みそうだ。
「じゃあ霞はこっちでいいか?」
「ええ、ありがとう」
彼女も俺の隣の布団に腰を下ろす。そんなさりげない姿さえも色っぽいのが辛い。
見えそうで見えない下着にぷるぷる揺れるおっぱい。それに危険なムラつきを覚えた俺は、すぐに視線を外し悟られないように彼女に話し掛ける。
「じゃあそろそろ寝るか?明日も学校だし」
「ええ、そうね」
そう言って同時に布団へと滑り込んだ俺たち。彼女が無事に落ち着いたのを見て、俺はそっと明かりを消した。
途端に広がる闇と静けさ。
唯一月の光だけがカーテンの隙間から差し込んで、彼女のシルエットをぼんやりと浮かび上がらせていた。
「…………ねぇ恭介」
「……ん?」
「あなた、いままで時々学校を休んでた時は何をしていたの?」
俺は静寂の中から聞こえる彼女の声に答える。
「バイトだよ」
「バイト?学校休んで?」
「……まあな、あまりよくないとは思ってるけどバイトの方が気が楽でさ」
「そう…学校は苦手なの?」
「まあ……俺、居場所無いっていうか、転校してきてからずっと怖がられてるだろ?だからちょっと……」
自分の心をほんの少し見せた感じがして妙に恥ずかしい。
そもそも自ら動いてもいない俺がこんなことを言うなんて、図々しいかもしれない。
静寂が支配する部屋の中で、彼女はしばらく沈黙を守ったあとぽつりと俺につぶやく。
「恭介……あなたの学校の居場所、私じゃダメかしら?」
「霞?それは……」
「恭介が嫌なら仕方ないけれど……もし嫌じゃなければ、私あなたの居場所になりたい」
「……………」
あまりに唐突な彼女の優しい言葉に俺の心は震えた。意図せず涙が自然と瞳に滲んでくる。俺にはもったいない言葉だ。
彼女のその優しさに触れたい。頼りたい。でも怖い。
「霞……お前も立場があるだろ?」
「立場?そんなものただの虚像よ……みんな私の事も、恭介の事も誤解しているわ」
「……ありがとう………でも、ゆっくりでいいか?……」
「もちろん恭介のペースでいいわ。でも忘れないで、私はいつでもあなたの味方よ。あなたは私の恩人だもの」
「………ああ」
俺はあふれ出しそうになる涙を仰向けになったまま袖でそっと拭い、こぼれそうになる声を必死に喉の奥で押し殺した。
そしてそのまま、闇の中に沈み込むようにしばらく黙りこんだ。
………………
いつの間にか時間が流れていた。彼女からはなんの言葉も返ってこない。
眠ってしまったのだろうと思っていたその時、彼女から小さく声が漏れた。
「恭介……起きてる?」
「ああ……」
「ねぇ……そっちの布団、いってもいい?やっぱり恭介のそばにいきたい」
「……………ああ」
俺はいつもと違い、彼女のそんな言葉に動揺せずに返す。
今は俺が彼女を近くに感じたいと強く思っているから……
布団が微かに擦れる音がして、彼女の温もりがゆっくりと隣へ滑り込んでくる。
それに反応して少しだけ俺の鼓動は速まる。
そっと顔を向けると、微かな月明かりに照らされた彼女が間近でふわっと微笑んでいた。
「枕……使うか?」
「ありがとう……」
一つの枕にふたりの頭が並ぶ。
息が触れそうなほどの距離で彼女の美しい顔がある。
俺たちは同じ気持ちなのか自然と見つめ合ってしまう。そして彼女は切なそうに俺に囁《ささや》いた。
「恭介、わがままなのはわかってる……でも私、あなたとキス……」
彼女がその言葉を言い切る前に、俺はそっと彼女の唇に唇を重ねた。
「………っん♡…………」
その後の記憶はほとんど霞んでいる。
ただ何度も口づけを交わし、心の距離を埋めるように服を脱ぎ肌を重ねて深く抱き合った。
そして気づけば、温もりに包まれながらまどろみに落ちていったのだった——
次回:2度目の朝チュンはしっとりと…始まるふたりの学園生活
我ながらよい話題を出せたと思う。グッジョブ俺。
実際そこらへんの重要な部分はまだ決めていなかったので、このなんともエロい状況を打破する最良の話題と考えてもいい。
「私の部屋?」
「ああ、俺ん家2部屋余ってるんだけど片方物置みたいになっちゃってて……すぐに布団敷くならその使ってない部屋に案内するけど……」
俺の提案を聞いた彼女は、何が引っかかったのか目をパチパチとさせて首をかしげている。
「恭介?あなた何を言っているのかしら?」
「何って、お前の部屋の話だけど……?」
「部屋ならもうあるじゃない」
「ん?あるってここか?ここリビングだぞ?」
「違うわ、あなたの部屋よ」
「俺の部屋……………?どういうこと?」
話とは一度食い違うと意外と理解が難しいものだ。俺は本気で理解出来ていなかった。というかもしかしたら一種の防衛反応かもしれない。
「だから…私はあなたの部屋で一緒に寝るから部屋なんて要らないって言っているのよ」
「ああ、なんだそういうことか……………えっ、お前マジで言ってる?」
俺は驚きそうになるのをどうにか沈めて冷静に対処をする。
そもそもそれくらい肝を据えておかないと今後の生活に必ず障害が出ると思ったから。
「ええ、マジよ。なんでご主人様と離れて寝なきゃいけないのよ。私はあなたのモノなのよ?そもそも……せっかく一緒に住んでるのに、寂しいじゃない…」
少し口を尖らせながらいじけるようにしている彼女。可愛いから悔しい。
「そっ…そうか、ご主人様ではないけどな……じゃあそうするか」
「あら、意外と今日はものわかりがいいのね」
「なんか、慣れってあるじゃん?」
まあ一緒の部屋で寝るくらいなんてことはない。数日前も寝たじゃないか。今更……
いやただのやせ我慢だわ!問題しかないわ!隣でこんなあられもない姿の巨乳女子高生が寝てたらどうにかなっちまうだろ普通!!
そんな心の叫びに俺は耳を塞ぐ。大丈夫。まだギリいける……たぶん。
こめかみに静かに冷や汗を滲ませる俺を気にも止めず、彼女はスマホを手に取ると画面を軽く眺めながら俺に言ってくる。
「もう11時近いのね、そろそろ寝室に行きましょう。恭介」
その言い回しが色々と想像をかき立ててくる事を彼女はわかってやっているのだろうか?
「わかったよ、俺の部屋ちょっと汚れてるけど勘弁してくれな?」
そう言って俺は彼女を連れて寝室、もとい俺の部屋へと向かった。
リビングに隣接する俺の部屋は10畳ほどの広さ。壁際に収納と洋服ダンス、小さな勉強机と大きなビーズクッションが2つ置かれているだけの、正直かなり味気ない空間だ。
唯一のこだわりといえば、狭くなるのを嫌ってベッドではなく布団を敷いていることくらい。フローリングなのに。
「やっぱり綺麗じゃない…」
やはり俺の部屋をウロウロと歩き回って物珍しそうに見る彼女。俺も彼女の立場なら同じ事をしてしまうと思う。
「俺布団派なんだけど、もし霞ベッドがよければすぐに通販で頼むから言ってくれ」
「奇遇ね、私も布団派なのよ。私寝相が悪くて、昔ベッドから落ちてから布団にしたの」
「そうなんだ、お前意外だな……」
ベッドから落ちる霞なんて想像出来ない、そもそもお姫様みたいにお淑やかに寝ているイメージしかない…
「じゃあ布団2つ敷く感じで横並びでいいか?」
「……………………………………ええ、いいわ」
えっ?なに今の間?若干ご機嫌悪そうな感じになってますけど?えっ?
俺はできるだけ彼女を気にしないよう数分ほどで布団を敷き終えると、そのまま片方の上にあぐらをかいて座った。
ぴったり並んだ二つの布団が置かれた部屋は、思っていたよりも余裕があってスペースが残っている。これなら夜中にトイレに起きてもお互いを起こさずに済みそうだ。
「じゃあ霞はこっちでいいか?」
「ええ、ありがとう」
彼女も俺の隣の布団に腰を下ろす。そんなさりげない姿さえも色っぽいのが辛い。
見えそうで見えない下着にぷるぷる揺れるおっぱい。それに危険なムラつきを覚えた俺は、すぐに視線を外し悟られないように彼女に話し掛ける。
「じゃあそろそろ寝るか?明日も学校だし」
「ええ、そうね」
そう言って同時に布団へと滑り込んだ俺たち。彼女が無事に落ち着いたのを見て、俺はそっと明かりを消した。
途端に広がる闇と静けさ。
唯一月の光だけがカーテンの隙間から差し込んで、彼女のシルエットをぼんやりと浮かび上がらせていた。
「…………ねぇ恭介」
「……ん?」
「あなた、いままで時々学校を休んでた時は何をしていたの?」
俺は静寂の中から聞こえる彼女の声に答える。
「バイトだよ」
「バイト?学校休んで?」
「……まあな、あまりよくないとは思ってるけどバイトの方が気が楽でさ」
「そう…学校は苦手なの?」
「まあ……俺、居場所無いっていうか、転校してきてからずっと怖がられてるだろ?だからちょっと……」
自分の心をほんの少し見せた感じがして妙に恥ずかしい。
そもそも自ら動いてもいない俺がこんなことを言うなんて、図々しいかもしれない。
静寂が支配する部屋の中で、彼女はしばらく沈黙を守ったあとぽつりと俺につぶやく。
「恭介……あなたの学校の居場所、私じゃダメかしら?」
「霞?それは……」
「恭介が嫌なら仕方ないけれど……もし嫌じゃなければ、私あなたの居場所になりたい」
「……………」
あまりに唐突な彼女の優しい言葉に俺の心は震えた。意図せず涙が自然と瞳に滲んでくる。俺にはもったいない言葉だ。
彼女のその優しさに触れたい。頼りたい。でも怖い。
「霞……お前も立場があるだろ?」
「立場?そんなものただの虚像よ……みんな私の事も、恭介の事も誤解しているわ」
「……ありがとう………でも、ゆっくりでいいか?……」
「もちろん恭介のペースでいいわ。でも忘れないで、私はいつでもあなたの味方よ。あなたは私の恩人だもの」
「………ああ」
俺はあふれ出しそうになる涙を仰向けになったまま袖でそっと拭い、こぼれそうになる声を必死に喉の奥で押し殺した。
そしてそのまま、闇の中に沈み込むようにしばらく黙りこんだ。
………………
いつの間にか時間が流れていた。彼女からはなんの言葉も返ってこない。
眠ってしまったのだろうと思っていたその時、彼女から小さく声が漏れた。
「恭介……起きてる?」
「ああ……」
「ねぇ……そっちの布団、いってもいい?やっぱり恭介のそばにいきたい」
「……………ああ」
俺はいつもと違い、彼女のそんな言葉に動揺せずに返す。
今は俺が彼女を近くに感じたいと強く思っているから……
布団が微かに擦れる音がして、彼女の温もりがゆっくりと隣へ滑り込んでくる。
それに反応して少しだけ俺の鼓動は速まる。
そっと顔を向けると、微かな月明かりに照らされた彼女が間近でふわっと微笑んでいた。
「枕……使うか?」
「ありがとう……」
一つの枕にふたりの頭が並ぶ。
息が触れそうなほどの距離で彼女の美しい顔がある。
俺たちは同じ気持ちなのか自然と見つめ合ってしまう。そして彼女は切なそうに俺に囁《ささや》いた。
「恭介、わがままなのはわかってる……でも私、あなたとキス……」
彼女がその言葉を言い切る前に、俺はそっと彼女の唇に唇を重ねた。
「………っん♡…………」
その後の記憶はほとんど霞んでいる。
ただ何度も口づけを交わし、心の距離を埋めるように服を脱ぎ肌を重ねて深く抱き合った。
そして気づけば、温もりに包まれながらまどろみに落ちていったのだった——
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