宝くじが当たったボッチの俺が高嶺の花で隠れドスケベな巨乳生徒会長を買ったら、日々エロく迫られて人生が変わった。

ファッション@スカリー

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第55話 結局霞は策士で可愛い……

まさかバイト先の面接に霞が来るなんて考えもしなかった——

その日、俺は唯先輩に顔面パイ○リをかまされていた場面を霞に見られ、ガクブルしながら残りの業務に就いていた。
その間も頭の中ではどうやって謝罪をしようかずっと考え中。

今日のラストはいつも以上に優しい唯先輩がなぜか担当を変わってくれた。
だから俺はいつもよりだいぶ早くバイトを終えられ、19時にはバイト先を出て足早に帰った。
ほんの数分でたどり着くはずの場所なのにやけに遠く感じるのはきっと気のせいじゃない。

玄関前に着くと一度大きく深呼吸をして頭を謝罪モードに切り替える。
とにかく誠心誠意謝って彼女の話を最後まで聞いて……
脳内シュミレーションを終えた俺は、目の前のドアにそっと手を掛けるとゆっくりと開いた。

「たっ………ただいまぁ………」

自分でも驚くほど情けない声が出た。それでもその声に応じるように奥から霞が現れる。

「お帰り恭介。今ちょうどご飯出来た所だから一緒に食べましょ」

霞の笑顔はあまりにも自然で優しかった。
その背中を追いかけてリビングへと向かい手を洗い席に着く。
目の前にはきれいに並んだ料理。湯気も香りも完璧。
でもそれが逆に怖い。全部が何もなかったように用意されていたから。

俺は流されるように『いただきます』と呟き箸を動かす。
気づけば食事は終わり、俺の謝罪の言葉は口の中でくるくると迷子になっていた。
でもこのままじゃ終われない。
モヤモヤした気持ちが胸の奥で燻り続けてじっとなんかしていられなかった。

食器を洗い終えいつものように2人分のドリンクを用意した俺はそのまま彼女の座るソファーへまっすぐ向かった。
そして彼女の横に腰を下ろした瞬間、迷いを捨てて話し始める。

「あのさ霞……」
「どうしたの恭介?」
「今日唯先輩と変な所見せちゃって本当にごめん!!霞怒ってるよな?……本当にごめん!一切浮気とかそういうつもりはないから、俺は霞が大好きだから!!怒ってるならそう言って欲しいし、霞の気持ちが収まるまで何でもするから!だから……」

俺の必死な言葉が空気を切り裂く前に、突然霞がプッと吹き出した。
そして次の瞬間には堪えきれないように肩を揺らして笑い出す。
ポカンとした俺をよそに目尻に涙をにじませながらひとしきり笑うと、彼女は俺のすぐ横まで寄ってきて俺の頬に優しくキスをした。

「大丈夫よ、恭介のことはわかってるもの。今日の事はもう気にしてないわ………それより、恭介私の事が大好きなのね、嬉しい♡」

俺の頬を優しく撫でながら見つめてくる彼女の甘い視線と、自分の放った言葉を思い返して恥ずかしさがこみ上げてしまい、思わず気持ちを隠すように不器用な言葉が口を突いて出てしまう。

「………そんなの当たり前だろ……」
「ふふっ照れちゃって、可愛い♡………私も好きよ♡」
「………頼む、恥ずかしくて死にそうだから一旦ストップ……」

照れくさすぎて思わず手で口元を覆ってしまう。まだこんなやり取りに慣れない自分がもどかしい。
でも、今はそんな事をしている場合じゃない。飲み会の件も伝えなければいけないのだから。
俺は言いにくい雰囲気に呑まれそうになりながらも言葉を絞り出す。

「霞……ちょっと相談があってさ……」
「相談?なにかしら?」
「それが、唯先輩に大学の飲み会に一緒に来て欲しいって誘われてて……」

ほんの一瞬、霞の表情が揺れた気がした。
でも彼女は相変わらず俺の隣にぴたりと寄り添って、じっと黙って話を聞いてくれている。そんな彼女に俺は息を整えゆっくりと話を続けた。

「なんかボディーガードみたいな感じで、変な男から守って欲しいから俺を誘ったみたいなんだけど……いつもお世話になりっぱなしで力を貸してあげたくて……行ってあげてもいいか?もし霞が嫌なら行かないしちゃんと断るけど……」

霞は何かを考えるようにふと視線を遠くにやった。
その横顔はどこか複雑で言葉にならない想いが滲んでいる気がする。
沈黙の数秒後、ゆっくりと俺の方へ視線を戻し静かに目を合わせてきた。

「わかったわ、いいわよ行ってきて」
「本当に大丈夫か?」
「ええ、ちゃんと恭介が私の事考えてくれてるのがわかるし、それなら安心して送り出せるもの」
「そうか……ありがとう霞」

ふと彼女の方を見やると霞は静かに、けれどあたたかく笑ってくれていた。
その優しさがじわりと心に染みて俺は自然と笑みを返していた。
しかしそんな時間も長くは続かない、なんせ霞だから。

「ちなみにその会は何時までなの?日を跨いだりしたらダメよ?色んな意味で」
「大丈夫、それは先輩に確認してあるから」
「ならいいわ。ずるずる飲み会引き延ばして神山先輩に終電逃させて、お持ち帰りしてエッチとかしたらダメよ?逆に恭介がお持ち帰りされるのもダメ!ホテルお持ち帰りは私が恭介にされたいんだから!そんな事されたら私泣くわよ」

妙に生々しい想像しないでくれよ!?しかも俺がお持ち帰りされるってあり得なくない!?しかもぶっ殺すじゃなくて泣くほうがもっと心に刺さるな……

「そんな事しないって!そもそもお持ち帰りから先輩守る為に俺がいるんだから!」
「わかったわ、信じてあげる。その代わり……」

その一言に思わず全神経がピンと張る。明らかにあの口調は何か企んでる顔だった。
まずい。こういう時の霞は本気で怖い……俺は静かに呼吸を整えつつ身構える。

「その代わり……私のお願いも聞いてくれるかしら?」
「お願い??どんな?」
「それはその時になってからのお楽しみよ……」

霞がゆっくりと笑った。けれどその笑顔は今までの優しさじゃない。
どこか底が見えない不敵さを孕んでいて、ゾクッと背中を撫でる冷気に似た感覚が走る……嫌な予感しかしない。
経験上、霞がああいう笑い方をする時は十中八九ロクでもない事になる。

「お楽しみって、せめて内容くらい教えてくれじゃないと判断出来ないだろ?」
「判断?恭介……あなた少し前に言ったこと、もう忘れたのかしら?」
「………?」
「私の気持ちが収まるまでは何でもするのよね??何でも?ね、恭介♡?」

全身から血の気が引いてゆく。確かに何でもするって言ったわ俺……

「……………………」
「黙り込んでも無駄よ恭介、大人しく諦めなさい……往生際が悪いわよ」

またしても完全にしてやられた。でも言った事は取り消せない。
俺は観念して霞のいつ発動されるか分からないお願いに付き合う覚悟を決める。

「わかったよ………」
「そう、それでいいのよ」

彼女の瞳が俺を逃がさないと言わんばかりに捉えてくる。
その瞳に甘さと支配欲が入り混じっていた。
そして次の瞬間、柔らかな感触が俺の唇をそっと塞ぐ。
まるで当然かのように彼女は俺にキスをしたのだ。

「楽しみにしてるわね……恭介♡」

不敵に笑って甘えてくる霞に俺は苦笑いを浮かべた。
少しだけ言わなきゃよかったなって思いながらも、結局彼女のペースに乗せられていく。
そして、ゆっくりと甘くて少しだけ危うい夜が始まっていった——



次回:例のアレが再び目の前に。さよならノーマルな俺……
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