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第68話 朝の目覚めはパイキッス、パイサンドと共に…
柔らかくてあたたかな人肌。それに混じる、静かな寝息——
意識がまだぼんやりしてる俺は本能のままにその温もりにすり寄っていく。
霞と過ごす、変わらぬ朝のしあわせな一瞬。
手探りで彼女の頭を見つけ、ポンと手を置いて撫でてやる。
すると次の瞬間、顔に触れた柔らかく大きな感触。
俺はそこにやさしく口づけを落とした。
「……あっ♡」
そんな聞き慣れない甘い声が漏れ、俺の鼻孔にいつもと違うエロい香水の匂いが……………ん?
あれ?なんだこの香り……霞?いや、そもそもなんで誰かと寝てるんだ?ここホテルだった気が……
どことなく不穏な感覚に襲われて俺はまどろみから一気に目覚める。
瞼を開き最初に映ったもの。それは間違いなくおっぱいだった。
しかも、でっっっかい……
額にじわりと脂汗が浮かび、鼓動が嫌なほど早まっていく。
息を飲み込み、恐る恐る視線を上に……そのおっぱいの持ち主へ向けた。
そこには、頬をわずかに染めながら気持ちよさそうに眠る唯先輩の顔があった……
えっ、えっえっ!?俺何した!?おれもしかして先輩のおっぱいに……えっ!?てかなんで先輩が!?
急に思考がはっきりしてくる。確か昨日、俺は——
————
昨日の夜、酔って暴走した唯先輩を霞と楓と一緒になんとか落ち着かせたその直後。
先輩はまるで糸が切れたようにそのままスヤスヤと眠ってしまった。
どれだけ呼んでも起きる気配すらない先輩を見て、俺たちは諦めてそっとそのまま寝かせてあげることにした。
しかし、霞はあんなことがあって不安に思ったのか先輩の横で寝ると言いだし、それを聞いた楓も『じゃああたしみんなとこの部屋で寝る!』と言いだし……
流石に女子3人と同じ部屋で寝るのは気が引けた俺は、『霞か楓の部屋で寝るよ』と申し出たのだが。荷物をや部屋を見られるのが恥ずかしいだの、色々と理由を並べられて却下され、結局全員で一つの部屋に寝る羽目になってしまった。
しかし……なぜ今俺の目の前に唯先輩がいるのかが全くわからない……
————
思考を断ち切るように、俺の背中にぴたりと柔らかなぬくもりとすべすべの肌が触れる。
えっ……まさか、後ろにも誰かいる!?
パニック寸前の俺は、前の先輩と背後の誰かを起こさないよう細心の注意を払いながらゆっくりと体勢を変えてゆく。
そこにいたのは、いつもと同じ穏やかな寝顔でスヤスヤと寝息を立てる霞だった。
そんな彼女が急に俺の首に腕をまわし、ぐっと引き寄せてきた。
安らぐ香りが漂い、そして彼女の唇がそっと俺の首筋を這い始める。
ちうぅぅぅ~~♡
「っっっ!?」
危うく声を漏らしそうになったがなんとか飲み込む。
今ここで声を出したら、二人とも目を覚ましてしまう。
しかもこの状況、誤解を招くには十分すぎる。
霞は寝ていると無意識のうちによく俺の首筋を吸ってくる癖がある。
そしてそれがまさに今、再発している。
肌に感じるほどよい吸引、湿った舌の刺激、そして脇腹に押し当てられた柔らかいおっぱいの感触。俺の理性はすでに危うい。
必死に理性を保ちこの場を離れようとそっと動こうとした瞬間、背中に想像以上に強烈で柔らかな刺激が押し寄せた。
むにゅ~ぺたぁ~~♡
「恭くん、おねぇさんゴム無しがいいなぁ♡……いいよ出来ちゃっても、おねぇさん大人だから……むにゃ…じゅる……」
「っっひっ!?」
思わず小さな悲鳴のような声が漏れた。
唯先輩が背後から抱きついたまま背中にそっと唇を這わせている……どうやら、そんな状況らしい。
なんつー夢見てるの先輩!?ゴムは大事だって!学校で習うだろ!?この状況はマズい……非常にマズい……
もう俺の息子はほぼアウトになっていた。
前には霞の巨乳おっぱい、後ろには先輩の爆乳おっぱい。
まるでハンバーガーのバンズになったような気分だ……ふわふわに包まれて幸せぇ……じゃないんだよ!急に男の本能が顔出すな!負けるな俺っ!!
無理だ、このままじゃ本当にヤバい。そんな考えが脳裏をよぎる。
そして、忘れてはならない。楓もこの部屋のどこかにいる。
万が一、彼女にこの光景を見られたら取り返しのつかないことになる。
理性が叫び思考が駆け巡る。
しかしその間にも全身を包む二重の柔らかな感触が脳を侵食してくる。
幸せ、でも辛い。そんな矛盾した幸福感は初めてだった。
そして、俺は単純にこの部屋から逃げることを決めた。
ただひたすら全力でここを抜け出す、それだけを目指して……
俺はできる限りゆっくりと霞と唯先輩の体から離れ、絡まっていた腕をそっとほどいていく。すると、ふたりの瞼が微かに揺れはじめた。
このままでは起きてしまう。でも、もう迷っている余裕はない。
覚悟を決めて一気に身体を起こしスリッパを履いてソファ横のテーブルへ。
手を伸ばしてルームキーを掴んだ瞬間、視界の隅にはだけた浴衣姿で下着丸出しで眠る楓の姿が映る。
だが、今はそれどころではない。
背後から『ふぁ?』という間抜けな声が聞こえた気がしたが、それすらも振り切って俺は勢いよくドアを開け外へと飛び出した。
目指すは男用大浴場。
そんなふうに命からがら男の園へと逃げ込んだ俺の波乱に満ちた朝は静かに幕を下ろした——
次回:逆ナンでも俺が悪いらしい…
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