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23 これからのこと
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「千尋も、そのままうちの大学だろ? 大学に入ったら、企業のインターンも始まるだろ?」
一織の言葉に、俺の学校のシステムを思い出す。
うちの大学は、企業へのインターンが義務付けられている。
でも、基本的には金持ちしかいないから、親の会社に行くか、起業するかが大半だ。
俺みたいな庶民は、インターン先を大学と相談することになっている。
まあ、自分の希望に応じたインターン先を斡旋してくれるのも、この学校のありがたいところだけど。
「千尋は、もう目星はつけてる?」
「ん~。まだ決めてないけど……やっぱりAI分野の……」
「俺が今やっていることとか?」
「一織のしていることは、俺には難しすぎる!」
「興味ない?」
「あるけど……」
「じゃあさ」
一織が、少しだけ楽しそうに続ける。
「じゃあさ、これから一緒に俺のそばで勉強して、来年のインターンでうちに来れば?そのまま就職の道もあるし……」
「え……」
マジか。
すごい。ありがたい提案だ。
でも、急に、天下の佐久間グループに入る道が現れた。
でも……。
「でもさ、他のみんなはちゃんと試験を受けて入るのに、俺だけズルしてるみたいで、気が引ける」
「千尋は自分の能力をまだわかっていないんだな。」
「え?」
「この間の資料の指摘、かなり助かった。経験を積めば、うちの強みにもなる。他の企業に取られる前にスカウトしたいってことだよ」
「一織……」
思いがけず褒められて、素直に嬉しく思った。
この高校にいると、本当に自分が平凡で、何もできない人間なんだって劣等感を感じることが多かったから。
「あ、でもさ」
俺は、ふと疑問に思ったことを口にする。
「それと、一織の家に住むって、どう関係してるの?」
「ん?」
一織は、当たり前みたいな顔で言う。
「インターン始まる前に勉強するなら、うちのほうがセキュリティもしっかりしてるし、環境も整ってる。始まってからは、一緒に会社まで行けばいいだろ。そのほうが効率的だし」
「そっか……」
納得はできるけど。
「でも、一織にばっかり迷惑かけてる気がする……」
「千尋が一緒に寝てくれて、一緒にごはん食べてくれると助かる」
そう言って、一織は俺の肩に頭を乗せてきた。
「俺、忙しくなると、もっと眠れなくなるから。あと、たまにご飯作ってほしい」
「……俺がいても、邪魔にならない?」
「千尋がいてくれるほうがいい」
即答だった。当たり前のように俺が受け入れられ散る気がした。
「そっか。考えてみる。」
「うん。ゆっくりでいいから。」
一織の優しい声が耳元で響く。
一織の提案と、一織からの評価を聞けて、悪い気はしなかった。
それに、このカリキュラムが終わったら一織と離れるのが、少し寂しいと思っていたのも事実だ。
「一織、今日は眠れそう?」
俺は一織のほうを向いた。
「ん。大丈夫。ありがと。おやすみ。」
そう言って一織が俺のおでこにキスをした。
「ちょ…。」
不意打ちに驚いてしまう。
「えっ…さっき、イヤじゃなかったって‥‥。」
「あっ…あれは。」
確かに嫌じゃなかったとは言ったけど…だからって、当たり前にするか?
「ダメだった?」
「‥‥ダメじゃないけど。」
「他の場所のほうがいい?」
そう言って一織の顔がどんどん近づいてくる。
「ちょっ…。」
慌てる俺をみてふっと笑いながら、俺をギュっと抱きしめる。
「大丈夫。他の場所には、しないよ。まだ。」
そう言って一織は目を瞑った。
まだ?まだってなんだ?他の場所ってどこだ?
急に自分の心臓の音が大きくなって俺はしばらく眠れなかった。
一織の言葉に、俺の学校のシステムを思い出す。
うちの大学は、企業へのインターンが義務付けられている。
でも、基本的には金持ちしかいないから、親の会社に行くか、起業するかが大半だ。
俺みたいな庶民は、インターン先を大学と相談することになっている。
まあ、自分の希望に応じたインターン先を斡旋してくれるのも、この学校のありがたいところだけど。
「千尋は、もう目星はつけてる?」
「ん~。まだ決めてないけど……やっぱりAI分野の……」
「俺が今やっていることとか?」
「一織のしていることは、俺には難しすぎる!」
「興味ない?」
「あるけど……」
「じゃあさ」
一織が、少しだけ楽しそうに続ける。
「じゃあさ、これから一緒に俺のそばで勉強して、来年のインターンでうちに来れば?そのまま就職の道もあるし……」
「え……」
マジか。
すごい。ありがたい提案だ。
でも、急に、天下の佐久間グループに入る道が現れた。
でも……。
「でもさ、他のみんなはちゃんと試験を受けて入るのに、俺だけズルしてるみたいで、気が引ける」
「千尋は自分の能力をまだわかっていないんだな。」
「え?」
「この間の資料の指摘、かなり助かった。経験を積めば、うちの強みにもなる。他の企業に取られる前にスカウトしたいってことだよ」
「一織……」
思いがけず褒められて、素直に嬉しく思った。
この高校にいると、本当に自分が平凡で、何もできない人間なんだって劣等感を感じることが多かったから。
「あ、でもさ」
俺は、ふと疑問に思ったことを口にする。
「それと、一織の家に住むって、どう関係してるの?」
「ん?」
一織は、当たり前みたいな顔で言う。
「インターン始まる前に勉強するなら、うちのほうがセキュリティもしっかりしてるし、環境も整ってる。始まってからは、一緒に会社まで行けばいいだろ。そのほうが効率的だし」
「そっか……」
納得はできるけど。
「でも、一織にばっかり迷惑かけてる気がする……」
「千尋が一緒に寝てくれて、一緒にごはん食べてくれると助かる」
そう言って、一織は俺の肩に頭を乗せてきた。
「俺、忙しくなると、もっと眠れなくなるから。あと、たまにご飯作ってほしい」
「……俺がいても、邪魔にならない?」
「千尋がいてくれるほうがいい」
即答だった。当たり前のように俺が受け入れられ散る気がした。
「そっか。考えてみる。」
「うん。ゆっくりでいいから。」
一織の優しい声が耳元で響く。
一織の提案と、一織からの評価を聞けて、悪い気はしなかった。
それに、このカリキュラムが終わったら一織と離れるのが、少し寂しいと思っていたのも事実だ。
「一織、今日は眠れそう?」
俺は一織のほうを向いた。
「ん。大丈夫。ありがと。おやすみ。」
そう言って一織が俺のおでこにキスをした。
「ちょ…。」
不意打ちに驚いてしまう。
「えっ…さっき、イヤじゃなかったって‥‥。」
「あっ…あれは。」
確かに嫌じゃなかったとは言ったけど…だからって、当たり前にするか?
「ダメだった?」
「‥‥ダメじゃないけど。」
「他の場所のほうがいい?」
そう言って一織の顔がどんどん近づいてくる。
「ちょっ…。」
慌てる俺をみてふっと笑いながら、俺をギュっと抱きしめる。
「大丈夫。他の場所には、しないよ。まだ。」
そう言って一織は目を瞑った。
まだ?まだってなんだ?他の場所ってどこだ?
急に自分の心臓の音が大きくなって俺はしばらく眠れなかった。
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