庶民の俺が金持ちグループに入ったら、完璧な御曹司になぜか異常に懐かれた【目線の先には。一織×千尋編】

綾波絢斗

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88 当たり前

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トレイはその男性が持って、一織のいる部屋に向かった。
部屋に入ると、ソファに一織とさっきの女性が座っていた。

ぴったりとくっついて。

なんだ?その距離。
一織はどうして離れないんだ?

テーブルに、その男性は俺の作った料理を置いた。
一織が手を付けないのを見て、その男性はフッと笑って俺を見た。

なんかムカつくな。

一織もさ、俺が作ったってのもわかんないのか?
なんだよ…

あっ…
ニンジンのカナッペは初めて作ったんだった。

……
……

俺は静かに、その女性と反対側の一織の隣に座った。
ニンジンのカナッペをひとくち。

「ん。おいしっ。ちゃんとできた」
一織が俺を見てくる。

「食べる?」

俺が聞くと、その女性が
「一織はニンジンが嫌いなの。そんなことも知らないの?」
と笑いながら煽ってくる。

それを無視して、いる?って顔をして、俺が口をつけたフォークを一織に向ける。

「やだっ。一織は人が口をつけたもの食べられるわけないじゃない」
その女性が笑って言う。

で、いるの?って顔をすると、一織がパクリと食べた。

「おいし」
一織が俺に微笑むのを見て、男性は唖然とし、女性は「うそでしょ?」とつぶやいた。

「だろ?この間、陸に教えてもらったんだ。あと、サラダの上に載ってるカッテージチーズ、手作りしたんだ。トマトと一緒に食べてみて」

「やだっ。一織はトマトが…えっ。食べた」

そりゃ驚くよな。一織がトマト食べてるんだから。

2人がすごい驚いているのを無視して、俺は続けて話す。
「オムライス食べて」
「ん」

一織が食べたタイミングで、
「俺にもひとくち」
って頼むと、一織はいつもと変わらない感じで、俺の口にオムライスを運んでくれた。

その時の、2人の顔ったら。ほんと、面白い。
俺は、その顔を横目に、俺は爽快な気分。

知ってるから。
一織がニンジンが嫌いなのもトマトが嫌いなのも。
でも、少なくとも俺といるときは食べるから。

でも自慢気にはしないよ?

だってこれが俺たちの普通だから。

ってか…そう言えば、この2人、誰だ。
一織とすごく親しい感じだけど。
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