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11 甘えるのは
陸のリクエストを聞いて、僕はキッチンに立った。
いつもなら、陸はソファでスマホをいじりながら待っている。
けれど今日は、違った。
背中に、陸の体温がある。
僕の腰に回された腕が、離れない。
「陸、ご飯作るの邪魔しないで。危ないよ」
「やだ。ここにいる。」
「……好きにしなよ」
呆れたふりをして、包丁を握る。
トントントン——音が、いつもより近く響いた。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「俺のこと、いつから好きだった?」
「——っ!」
思わず手が滑って、指先を切った。
「痛っ」
「ちょっと見せて」
陸が慌てて僕の手を取り、そのまま指先を口に含んだ。
「っ、な、なにして——」
舌先が傷口をかすめる。
その熱さと、濡れた感触に息が詰まる。
見上げると、陸と目が合った。
真っ直ぐで、どこか挑むような目。
「も……もう大丈夫だから」
必死に笑って手を引こうとしたけれど、陸は手を離さなかった。
「陸、それ以上したら……僕、怒るよ」
僕の声に、陸はようやく指を離し、
「絆創膏、持ってくる」
そう言って立ち上がり、キッチンを出ていった。
残された僕は、熱くなった顔を両手で覆った。
陸の舌の感触が、まだ残っている。
……陸の雄の顔、初めて見た。
絆創膏を貼って手を洗い終えると、僕は「リビングで待ってて」と言って陸を座らせた。
陸は素直にうなずき、静かにソファへ戻っていった。
「はい、できたよ。今日はオムライスでいいよね」
「湊、こっち」
陸が指差したのは、自分の前。
「そこに座ると食べにくいでしょ?」
「食べにくくない。」
促されて、僕は陸に包まれる形で座った。
背中から感じる鼓動と呼吸。
「どうしたの? 陸。今日、なんか……変だよ?」
いつもなら、陸はソファでスマホをいじりながら待っている。
けれど今日は、違った。
背中に、陸の体温がある。
僕の腰に回された腕が、離れない。
「陸、ご飯作るの邪魔しないで。危ないよ」
「やだ。ここにいる。」
「……好きにしなよ」
呆れたふりをして、包丁を握る。
トントントン——音が、いつもより近く響いた。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「俺のこと、いつから好きだった?」
「——っ!」
思わず手が滑って、指先を切った。
「痛っ」
「ちょっと見せて」
陸が慌てて僕の手を取り、そのまま指先を口に含んだ。
「っ、な、なにして——」
舌先が傷口をかすめる。
その熱さと、濡れた感触に息が詰まる。
見上げると、陸と目が合った。
真っ直ぐで、どこか挑むような目。
「も……もう大丈夫だから」
必死に笑って手を引こうとしたけれど、陸は手を離さなかった。
「陸、それ以上したら……僕、怒るよ」
僕の声に、陸はようやく指を離し、
「絆創膏、持ってくる」
そう言って立ち上がり、キッチンを出ていった。
残された僕は、熱くなった顔を両手で覆った。
陸の舌の感触が、まだ残っている。
……陸の雄の顔、初めて見た。
絆創膏を貼って手を洗い終えると、僕は「リビングで待ってて」と言って陸を座らせた。
陸は素直にうなずき、静かにソファへ戻っていった。
「はい、できたよ。今日はオムライスでいいよね」
「湊、こっち」
陸が指差したのは、自分の前。
「そこに座ると食べにくいでしょ?」
「食べにくくない。」
促されて、僕は陸に包まれる形で座った。
背中から感じる鼓動と呼吸。
「どうしたの? 陸。今日、なんか……変だよ?」
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