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第二章 東京都区別対抗学戦祭編
第30話 姿が見える
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––数日後––
『そこですぐに攻撃しろ! こうだよ!こう!』
『その異常な頭の良さで相手の攻撃を読め! そこからどう転じて相手を打つかお前なりに考えろ!』
「ゼェ~ゼェ~、……わかった。やってみる」
動きの中で指示を出す月人。それになんとか応えようと必死に食らいつく太地。ものすごい集中力だ。尋常ではない速さで月人の動きを学んでいく太地。
ドールと再びトレーニングを始める太地。
(もう少しで何かを……)
ゴゴン! 顔面に衝撃が走る。2発連続でドールの攻撃を食らって吹っ飛ぶ太地。
「ゼェ~ゼェ~」
(太地のやつ、突然、もらいやがったな。どうした……もう今日は限界か?)
月人が太地に声を掛けようとしたが、太地の表情をみて思わずとどまる。
「ハァ~ハァ~。ハァ~ハァ~」
立ち上がってトレーニングドールに対して集中する太地。
異常なまでの静けさに攻撃用プログラムを組まれたはずのドールが動けない。
「ハァ~ハァ~ハァ……フゥ……」
「……」
「……オレならやれる……」
『……!!』
「……さっさと来い」
太地にしては珍しい荒めの挑発に反応するかのように、ドールが動き出す。
シュシュ! バババババッ!
ドールの連続攻撃が全く当たらない。太地が全て躱す。深く……ずっと深く集中している太地に声を掛けられない月人。
『太地のやつ……イドのレベルまで潜りやがった……』
この瞬間エンドサーフェイスを介して太地と月人を繋げるBloody Codeが共鳴し始める。
ドン!
アイドルであるはずのトレーニングドールが太地の拳を横っ腹にまともに食らって吹っ飛んだ。穴が開くかのような凹みがドールに見られる。ドールは動けないようだ。
『破壊されただと? どうやって生身の人間が……』
更に月人が驚いたのはそのスピードだ。これまでと違って、月人にも目で追えない動きだったのだ。
『技術を吸収するのが早過ぎる。まるで乾いたスポンジが水を吸い上げるようにどんどん習得していきやがる……これもBloody Codeの力なのか?
いや、むしろ太地の天才的な学習能力によるものなのか……。何れにしてもスゲーやつだな。』
パンチを叩き込んでそのまま動かなかった太地がゆっくりと姿勢を戻し、振り返って月人の目を見る。
「これでどうかな?」
ニコッと笑う太地にサムズアップで返す月人。オレンジの光で正面から太地を包み込む満月。
月人の目にはその光景がまるで懸命な努力を労っているかのように映った。
* * *
10月16日
トレーニングを終えて太地の部屋で色祭り当日のテロ対策を練る二人。ベッドに寝っ転がる月人と椅子に座って机に寄りかかっている太地が考えを出し合う。
『まず、テロ組織NFNFと政府特務機関GSDにはローダーがいる。そして俺がエンドサーフェイスから出れば、その存在は奴らに確実に見つかってしまう。
次に、ローダーといっても俺のようなアイドルと組んでいるわけではない。一般のローダーはエンドサーフェイスを介して身体能力を強化できる程度のレベルだ』
「月人の様なアイドルは稀なんだね」
頷きながら話を続ける月人。
『極少数……アイドルを生み出せる厄介な存在が現れるかもしれないがな。』
「一番の問題は現れたローダーがテロリストなのか、GSDの人間かどうかが分からないってことだね。 ローダーかどうかは月人にはわかるんだったよね?」
『あぁ、わかるぜ。エンドサーフェイスに入っていてもそれは判断できる』
「なるほど……やれることの限界があるなぁ。足りない部分をどのピースでどう埋めていくかだな……」
太地がブツブツ考える前に、月人が忠告する。
『今回、俺はどこかのタイミングでエンドサーフェイスから出て、遠隔で太地と念話で状況を共有する展開になると思う。それは太地もわかっているとは思うんだが……間違いなく他のローダーにその存在がバレる』
「そうだろうね。アイドルの相棒を持つ人間が少ないなら余計に月人の存在は目を引くだろうしね。」
『もし、テロリストに太地がローダーだと知られたら、六条家ごと襲撃されるリスクもある』
「いや、母さんが狙われるのは絶対にダメだ。それだけは防がないと」
太地が焦りながら拒否する。これ以上家族を失いたくないという強い気持ちの表れだろう。
『あぁ、もちろんだ。俺だって同じ気持ちだ。そこで太地に一つ提案がある』
「何?」
『離れた距離に俺をロードするトレーニングをしてみないか?
単独で俺だけ見つかったとしても太地がローダーと判断するのはテロリストには難しいだろ? GSDにはバレるかもしれないが……そこは問題にならね~だろ?』
「なるほどね。確かにそうだね。GSDにはむしろ知ってもらった方がいいかもしれないしね……わかった!トレーニングしてみよう!」
太地がさらに話を続ける。
「今回のテロの可能性について、成美先輩とチームのメンバーに伝えようと思っているんだ。理由は権田財閥の所有施設だし、民間警備は財閥の手配だと思うんだよ。GSDとの連携も含めて、競技とは全く別の「警備強化の提案」をしてみるのは有効かもしれない。あと、僕が当日突然いなくなった時にチームが混乱しない様にね」
『確かにそれは名案だ。ですわシスターズなら太地の意見を聞いてくれるかもな。流石にテロが起こると断定はできないから、民間の警備会社がどこまで力になってくれるか疑問ではあるがな』
一つ一つ対策を詰めていく二人。
「テロの手口は、観客と出場選手に紛れ込んでの自爆テロの可能性が高くないか?」
『俺もそう思う。あの都庁のテロと手口を重ねてきそうだってな。ただ、今回は明確に狙うポイントがねぇんだ』
「都庁テロの時は構造コアを狙って爆破で倒壊を狙ったけど、今回は……人が密集しているところを狙うつもりか?」
『……もしくは永遠の都知事だろうな』
『そこですぐに攻撃しろ! こうだよ!こう!』
『その異常な頭の良さで相手の攻撃を読め! そこからどう転じて相手を打つかお前なりに考えろ!』
「ゼェ~ゼェ~、……わかった。やってみる」
動きの中で指示を出す月人。それになんとか応えようと必死に食らいつく太地。ものすごい集中力だ。尋常ではない速さで月人の動きを学んでいく太地。
ドールと再びトレーニングを始める太地。
(もう少しで何かを……)
ゴゴン! 顔面に衝撃が走る。2発連続でドールの攻撃を食らって吹っ飛ぶ太地。
「ゼェ~ゼェ~」
(太地のやつ、突然、もらいやがったな。どうした……もう今日は限界か?)
月人が太地に声を掛けようとしたが、太地の表情をみて思わずとどまる。
「ハァ~ハァ~。ハァ~ハァ~」
立ち上がってトレーニングドールに対して集中する太地。
異常なまでの静けさに攻撃用プログラムを組まれたはずのドールが動けない。
「ハァ~ハァ~ハァ……フゥ……」
「……」
「……オレならやれる……」
『……!!』
「……さっさと来い」
太地にしては珍しい荒めの挑発に反応するかのように、ドールが動き出す。
シュシュ! バババババッ!
ドールの連続攻撃が全く当たらない。太地が全て躱す。深く……ずっと深く集中している太地に声を掛けられない月人。
『太地のやつ……イドのレベルまで潜りやがった……』
この瞬間エンドサーフェイスを介して太地と月人を繋げるBloody Codeが共鳴し始める。
ドン!
アイドルであるはずのトレーニングドールが太地の拳を横っ腹にまともに食らって吹っ飛んだ。穴が開くかのような凹みがドールに見られる。ドールは動けないようだ。
『破壊されただと? どうやって生身の人間が……』
更に月人が驚いたのはそのスピードだ。これまでと違って、月人にも目で追えない動きだったのだ。
『技術を吸収するのが早過ぎる。まるで乾いたスポンジが水を吸い上げるようにどんどん習得していきやがる……これもBloody Codeの力なのか?
いや、むしろ太地の天才的な学習能力によるものなのか……。何れにしてもスゲーやつだな。』
パンチを叩き込んでそのまま動かなかった太地がゆっくりと姿勢を戻し、振り返って月人の目を見る。
「これでどうかな?」
ニコッと笑う太地にサムズアップで返す月人。オレンジの光で正面から太地を包み込む満月。
月人の目にはその光景がまるで懸命な努力を労っているかのように映った。
* * *
10月16日
トレーニングを終えて太地の部屋で色祭り当日のテロ対策を練る二人。ベッドに寝っ転がる月人と椅子に座って机に寄りかかっている太地が考えを出し合う。
『まず、テロ組織NFNFと政府特務機関GSDにはローダーがいる。そして俺がエンドサーフェイスから出れば、その存在は奴らに確実に見つかってしまう。
次に、ローダーといっても俺のようなアイドルと組んでいるわけではない。一般のローダーはエンドサーフェイスを介して身体能力を強化できる程度のレベルだ』
「月人の様なアイドルは稀なんだね」
頷きながら話を続ける月人。
『極少数……アイドルを生み出せる厄介な存在が現れるかもしれないがな。』
「一番の問題は現れたローダーがテロリストなのか、GSDの人間かどうかが分からないってことだね。 ローダーかどうかは月人にはわかるんだったよね?」
『あぁ、わかるぜ。エンドサーフェイスに入っていてもそれは判断できる』
「なるほど……やれることの限界があるなぁ。足りない部分をどのピースでどう埋めていくかだな……」
太地がブツブツ考える前に、月人が忠告する。
『今回、俺はどこかのタイミングでエンドサーフェイスから出て、遠隔で太地と念話で状況を共有する展開になると思う。それは太地もわかっているとは思うんだが……間違いなく他のローダーにその存在がバレる』
「そうだろうね。アイドルの相棒を持つ人間が少ないなら余計に月人の存在は目を引くだろうしね。」
『もし、テロリストに太地がローダーだと知られたら、六条家ごと襲撃されるリスクもある』
「いや、母さんが狙われるのは絶対にダメだ。それだけは防がないと」
太地が焦りながら拒否する。これ以上家族を失いたくないという強い気持ちの表れだろう。
『あぁ、もちろんだ。俺だって同じ気持ちだ。そこで太地に一つ提案がある』
「何?」
『離れた距離に俺をロードするトレーニングをしてみないか?
単独で俺だけ見つかったとしても太地がローダーと判断するのはテロリストには難しいだろ? GSDにはバレるかもしれないが……そこは問題にならね~だろ?』
「なるほどね。確かにそうだね。GSDにはむしろ知ってもらった方がいいかもしれないしね……わかった!トレーニングしてみよう!」
太地がさらに話を続ける。
「今回のテロの可能性について、成美先輩とチームのメンバーに伝えようと思っているんだ。理由は権田財閥の所有施設だし、民間警備は財閥の手配だと思うんだよ。GSDとの連携も含めて、競技とは全く別の「警備強化の提案」をしてみるのは有効かもしれない。あと、僕が当日突然いなくなった時にチームが混乱しない様にね」
『確かにそれは名案だ。ですわシスターズなら太地の意見を聞いてくれるかもな。流石にテロが起こると断定はできないから、民間の警備会社がどこまで力になってくれるか疑問ではあるがな』
一つ一つ対策を詰めていく二人。
「テロの手口は、観客と出場選手に紛れ込んでの自爆テロの可能性が高くないか?」
『俺もそう思う。あの都庁のテロと手口を重ねてきそうだってな。ただ、今回は明確に狙うポイントがねぇんだ』
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