Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第三章 関東大一揆、洛外編

第78話 高島公園襲撃

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 12月7日 9:10–– 

 高島公園にはNFNFエヌフローダーが集結していた。公園中央の心字池しんじいけの北側の覗石松のぞきいしまつと亀石を正面にして三十人が美しく整列して時が来るのを待っていた。諏訪すわ市役所が爆破される瞬間を。


「あと20分で爆破されます。GSDジスドや公安は来るでしょうか?」

「来たところでどうすることもできまい。我々はただ、爆破後にノロノロやって来た無能な馬鹿どもを抹殺するだけだ」


 伍長同士が話をしていたその時、北側の冠木門から太地たいちがとてつもないスピードで突っ込んで来た。

 強烈な蹴りで四、五人が吹っ飛ぶ。

「貴様何者だ!」

 NFNFエヌフの声を無視して更に攻撃体制に入る太地。


possessionポゼッション……type “arm”」


 右腕を大きく引いて一気に発射!


 ドン!


 顔面に強烈な一撃。

「ライフル。三連!」

 更にライフルを打ち込んで白鬼泥眼たちを吹っ飛ばしていく。

GSDジスドだ! 殺せ!」


 白鬼全員の視線が太地に向けられたその時、西側天守閣から月人つきとが現れる。
 素早く詰め寄り強烈な一撃を主犯格に喰らわせる。

「グハァ!」

「久米部伍長! 貴様よくも!」

『知らん。お前も消えろ』

 月人の強烈な蹴りが白鬼生成の側頭部をとらえて吹っ飛ばす。

 前方から太地が、後方から月人がそれぞれ奇襲をかけて完全にパニック状態のNFNFローダーたち。あっという間に三十人を制圧したのだった。

 時計の針は9:28を回っていた。

「月人、そっちの伍長クラスは何人いた?」

『二人だな。どちらも【生成なまなり】だった。四番隊久米部、五番隊富山って言ってたぞ』


「とりあえず自爆阻止のために口元狙って叩いたけど、その辺の処理は月人に任せていい? 僕は高杉さんと連絡とるよ」

『おう、任せろ』


「……き、貴様ら……不意打ちとは卑怯な……」


 伍長富山が倒れながら、こちらに話しかける


『場所の予告なく爆弾テロ起こす方が卑怯だろ』


「な、なんだと……何も知らない政府のバカ犬どもが……だがもう手遅れだ」


 そして諏訪市役所から巨大な爆発音が鳴り響く。爆破による風圧が高島公園の太地たちまで感じるほどだ。

「ギャ~ハッハッハ! 愚民ぐみんども! 全員死ね! 生きる価値のない虫ケラが!」


『そうか。それで、次の場所はどこで爆破する予定なんだ?』

 月人が冷静に質問する。


「お前たちなど我が総帥の前ではただのゴミ同然だ。今のうちに後悔しておけ……このNFNFエヌフに逆らったことをな!」


「道連れだ。くたばれ! この世の無慈悲な愚––」

 その瞬間、月人が伍長富山の首をへし折って殺害した。自爆を阻止するために。そしてその一部始終を目の当たりにして、太地は気分が悪くなる。爆破による死骸ではない、死体を見たのはこれが初めてだった。

『太地、耐えろよ。これはお前も必ず通る道、ヤらなきゃヤられるだ』

「あぁ……頭ではわかっているんだけど……」

 月人は他のNFNFエヌフローダーの自爆装置を全て破壊した。


《太地君、ごめん! 今終わったよ。こっちは全員無事だ。役所の職員も皆ケガなく避難したよ!》

《よし! 作戦成功ですね! さすが高杉さんと天月さん!》



 ––さかのぼること30分前––

 高杉は作戦を伝える。

「今から低空飛行で市役所東側へ向かう。高島公園にいるNFNFエヌフに見つからない様にね。そこで、東側に着いたら全員ミニマルジェットから降りる」


 全員が頷く。高杉が続けて指示を出す。

 「難しい注文なんだけど、太地君と月人はそこから全速力で見つからない様に高島公園に向かってくれ。着いたらNFNFエヌフと派手に交戦だ。できるだけ奇声とか大声で雄叫びとか上げてNFNFの注意を引きつけて欲しいんだ」

「奇声はちょっと……」

 月人がニヤリと笑う。高杉の意図を理解した様だ。

天月あまつきさんとむっちゃんと僕は市役所の職員を全員屋外へ逃がす! 無茶すぎるけど到着後、時間はおそらく15分くらいしかない……そこで天月さん今から市役所職員にスキル使って幻覚見せて外へ出すとか、なんか遠隔で外への誘導ができないかな? むっちゃんは天月さんのサポートよろしく!」

『なるほどな! そうちゃん頭いいな! 爆破は防がずに職員の命を救えばいいのか!』

「うまくいけばいいけどね……天月さんできる? 一階の人から順番に出ることができれば理想だ」

「はい! なんとかやってみます」

『大丈夫だ、千鶴! オイラを信じろ!』


 千鶴が笑顔で頷く。高杉が続けて太地たちに指示を出す。


「市役所に小松部長から連絡をとってもらう様に僕から連絡してみる。あと5分あるから太地君と月人はどう攻め込むか考えてくれ! 相手は三十人、伍長クラスが二、三名だ。公園北側に整列している。君らの連携で敵の意識を公園内に留めてくれ。早めに爆破されるリスクを避けるために!」


「「了解!」」



 ––こうして、市役所は爆破されたが死傷者は奇跡的にゼロという展開に持ち込めた。

 高杉たちが公園へ来て太地たちと合流する。

「うわ~こっちもすごいことになっているね。お疲れ様」

「高杉さん、さすがですね! 大成功じゃないですか!」

「天月さんとむっちゃんのおかげだよ。現場でも避難がスムーズにできたし。あと小松部長から市役所のお偉いさんへの直電が効いたみたいだね。ハハハ」

『高杉。情報を持っている伍長二人とも死んじまった。一人は俺が、もう一人は捕虜になることを拒んでさっき自害した。本当にすまねぇ。俺が注意を怠っているうちに……』


「それは気にしないで。諏訪市が救えただけ良しとしよう! それに、流石に天月さんはしばらくスキルは使えないから。さっきもむっちゃんのサポートがあったからギリギリって感じで。心身共にもう限界だ。僕も含めてね」


『そうちゃんもすげ~頑張ってたしな! 綺麗な女性ばっかり助けてたよな!』


「むっちゃん! いらんこと言わなくていいの! 全員助かったんだからそれで良し! ハハハ」


(さすが高杉さんだ。こんな状況でも美女を優先させるなんて……)


『おい、太地。お前なんか元気ねーな。大丈夫か?』


 六太が太地の表情が暗いことに気づく。

「さっき、爆破ではなく、人が死ぬのを見ちゃってね。ちょっとキツイなぁって」

 高杉も千鶴も静かに頷いている。おそらく同じ様な経験があるのだろう。

『乗り越えるしかないな! オイラは太地が死ぬのを見たくないからな。相手も本気だし、優しさは戦場に持ち込むなよ! 絶対にな!』

 六太にしては辛口のげきを飛ばすなと思う月人。しかしど正論だ。みんなが頷いている。

『とうちゃんを探すんだろ! テロからみんなを救うんだろ! ポメながらオイラも太地を応援してるから頑張れ!』


「あははっ、ありがとう」

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