独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第1章 精霊姫 編

第59話 【閑話】それぞれの決意

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 彼女の考えは全く分からないが、「形状の変化」と「分離」などと云うとんでもない迷惑を掛けた自覚もあるレーナは、批判的な言葉も甘んじて受け入れようと、じっと聞き入る。エドヴィンの確認事項も誤りはなかったので、神妙に首を縦に振る。

「そこで、だ」

 内緒話をするように、円座の中央に顔を突き出すエドヴィンに釣られて全員が自然、前のめりになる。

「レーナにこれ以上攻略対象が近付かないよう……いや、レーナ自身が聖女に祀り上げられて、平民モブ村娘的な立ち位置で無くならないよう、共同戦線を張りたいんだが――どうだ?」

「わたしとしては、全く異存はないわ。聖女にならなくて、旅に出られるフリーな平民モブ村娘でいられるなら」

「良くわかんねーけど、レーナに 変な奴らが4人近付かない様にするってことだな。おれは賛成だ。おれはレーナを守る勇者だからな!」

『赤髪、意外にしっかり分かってんじゃないの。あたしも巻き込まれちゃったし、しょうがないから付き合ったげるわ』

 思い思いに参加表明をする。

「ならば決まりだ。試練とされる問題が起こったなら、攻略対象を絡めずに私たちで解決してしまう。首尾よく聖女とやらが現れて、解決に努めてくれるなら尚よし!」

 冷笑を浮かべてエドヴィンが告げる。

「警戒すべきは のこる4人の攻略対象で、火龍の変化体、水の精霊王、王子、大魔法使い だったな!」

 アルルクが力強く言って、エドヴィンと頷き合う。

『ふふふ、あんたも大変ねぇ』

 小さな精霊姫プチ・ドライアドは、息巻く少年2人とレーナの右耳の後ろに光る蝶の髪飾りを順に眺めながら笑っている。

(なんだろう、味方してくれるみたいなんだけど、どうにも色々引っ掛かるのよね……。何で、わたしを助けるのに他の攻略対象の話が出て来るの? モブには全然関係無いのにね。まぁ、リュザス様探しの味方が増えたと思えば、大したことない引っ掛かりよね!)

 一つの大きな試練を無事(?)乗り越えたことで、レーナは自分の解決力に少しばかりの自信を持ち、前向きになっていた。

「じゃあ、みんなで頑張ろうねっ!」

「ああ!!」「おう!!」

 レーナの言葉に、少年2人が力強く応え、再び緑の小さな少女は腹を抱えて笑い転げた。

 こうしてレーナ平民モブ村娘保存共同戦線は締結された。





 レーナはただ、モブには過ぎたる修繕リペア能力を隠し、聖女とされずに最推しであるリュザスを探す旅に出る望みを叶えたかった。攻略対象2人を前にしても、彼女の揺ぎ無い思いは、ダンテフォールに彼女を召喚したリュザスの思惑通りだ。

 しかし、最高神はひとつ大きな間違いを犯していた。

 外ならぬ最高神自身が、功を焦ったことにより、定型路線から外れ始めた物語の辿る先は、彼の思惑からも大きく外れ始めていたのだけれど―――


 それに気付くのはもう少し先。





 蛙化の洗礼が、彼を待ち受けるのだ。
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