独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第4章 最高神 編

第167話 【攻略対象 最高神リュザス】クラウディオ王子の好感度爆上がりイベント?

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「プチドラちゃんっ、鳥籠を展開! クロおとこにぶつけて!! エド、防御盾の魔法陣を蔓薔薇に被せて、プチドラちゃんと呼吸を合わせて大きく振る! バルザック先生とシルヴィアさん、クラウディオ王子は防御魔法を目の前に展開!! クロおとこを捕まえるわ!!!」

 立て続けに指示を出すレーナに、エドヴィンは「なにが平凡のやり方だ。人使いが荒いだけだろ」と苦笑しながら掌中に魔力を漲らせる。

「できないものは仕方がないもの。適材適所はゲーム攻略の基本よ!」

 言い切るレーナに迷いはない。言葉の力に押されるように、名指しされた面々は黒い青年を捕えるべく魔法を発動させた。





 激しい光を纏った、4者と1柱の魔法は真っすぐに青年を捕えたが、黒い靄の霧散と共に青年の姿はその場から掻き消えてしまった。

 ―― あ~あ、折角手に入れた力が随分削られちゃった。光に木、土、火まで揃われたんじゃあ、僕にもちょっと分が悪いかな。
 けどここまで力を手に入れたんだ。成り代わるには、あともう少し……。楽しみにしていて ――

 消え入りそうな青年の声が最後に「玲於奈れおな」と愛しげに呟いて、その場から完全に気配が消え去った。

 倒せた訳ではないのだろう。

 それに、ただならぬ含みを持たせた、最後の呟きが何なのか。どんなニュアンスが込められていたのかは、鈍いレーナにも伝わった。だが、なぜ前世のその名の自分に執着を持たれているのか、意味がわからない。

(玲於奈を知ってる誰かが、転生してるってこと? けど、そこまで想われる覚えも無ければ、誰かに関わった記憶もないわ)

 そうでなければ、貴重な休みに三徹までしてゲームにのめり込んでなどいない。


「レーナ嬢、君のお陰で目が醒めた。確かに私には私のやり方がある!」


 うんうんと考えを巡らせるレーナの集中を断ち切る、力強く晴れやかな声が向けられた。思考の底から一本釣りのごとく、勢いよく引っ張りあげられたレーナの視界に、王子様スマイルのクラウディオが、花を背負ったキラキラエフェクトと共に飛び込んでくる。

「なっ……なんでしょぅ、王子? 何か開眼したみたいですけ……ど?」

 いつかのスマホ画面で見たような既視感に、嫌な予感しかしないレーナだ。もしそうなら、このビジュアルはプレイヤーであるヒロイン目線での物のはずだ。

「君のおかげで、私の迷いが晴れたんだ! これまで魔力で劣る自分に劣等感を抱いていたが、君の言うように、君が私に見せてくれたようにっ……私にも目的を遂げることができる! 私を永きにわたる悩みから解き放ってくれたんだ! 聖女レーナ、君こそ私のっ」

「ちっ」「みぎゃぎゃぎゃぎぎゃーーー!!」

 エドヴィンの舌打ちと同時に、アルルクの奇声が響き渡って、クラウディオ王子の言葉は強制中断させられる。

(危なかった! 今のって、好感度爆上がりイベントが成功した時に、王子が言う確定セリフでしょ!? 言い終わらせてないからセーフよね!?)

 王子の言葉を、息の止まる思いで聞いていたレーナは、全身の力が抜けるのを感じていた。
 彼女の意思に反して、クラウディオ王子の視線は熱いのだが、当の本人はエドヴィンらの妨害の成功を疑ってはいない。

『子孫! 赤髪! ナイス・ブロックだわっ!!』

 ビシッと親指を立てるプチドラに、アルルクは上機嫌にひと鳴きし、エドヴィンは重い溜息を吐く。

「普通なら気付くとこだけど、レーナだからな。まぁ誤魔化せたんだろ。若干同情するがな」

 既にレーナの意識の外に追い遣られて、呆然とするクラウディオ王子に向けて呟いたのだった。
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