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第4章 最高神 編
第173話 【攻略対象 最高神リュザス】土の宝珠、飲まれる(前)
しおりを挟む玲於奈は、世界崩壊の完全回避ルートが最高神リュザスの隠しルートにあるのではないかと推測していた。それを見付けるために条件を変え、何度もゲームをクリアした。
ただ、その12回の軌跡を攻略対象らを前に説明するのは辛い。シルヴィアとのラブゲームを、組み合わせを変えて色々試みたのだ。本人が、現実となって目の前に居る今、それを赤裸々に語るのはなんとも居た堪れない心地になる。
(しかも、その全部がリュザス様ルートを見付けるためだけの消化試合だったなんて。なおさら申し訳ない気がするし!?)
結果、はっきりと説明が出来ない状況に陥っている。推測の域を出ない行動原理と、推しを求める本能的な気持ちを、集った面々へ整然と言語化して説得するのは難しい。
だがこのまま口籠っていたのでは、陽の宝珠の化身討伐の隊が編成され、レーナを城に残して出陣が行われるのは明らかだ。
(でも、それじゃあダンテフォールの崩壊は止められなくって、リュザス様にも逢いに行けなくってっ!!)
結果、レーナは――
「そんなの嫌なんだからーーーーー!!!」
ただ、感情を爆発させた。
「んもぉ! 何て言われようが、行かなきゃいけないのよ!! って言うか、この世界が手遅れにならないうちに、リュザス様に逢わせて!! どのルートをとって、どんな攻略をしても、衰退滅亡ルートは避けられなかったもの! だったら、全部知ってるわたしが、まだ見たことのないルートを見付けるしかないでしょ!! リュザス様にも逢いたいし、利害の一致よ!!!」
冷静な説得が出来なくなったレーナは、ただ我儘の様に、自分の思いの丈をそのままぶちまけた。唖然とする面々に向かって、推しへの愛を大声で叫ぶレーナは、興奮のあまりフーフーと荒く息を吐く。
その間、彼女の髪に光る虹色の蝶の髪飾りが嬉し気にキラキラ輝いているのも、面々の眼に入っている。正しく、想いを寄せられて喜ぶ男の心情そのもの。崇高な最高神とは思えない人間臭すぎる反応だ。
レーナの剣幕と、下種な心情を表わす蝶の反応に、唖然とした視線が集まる。
「はっ!!?」
その視線をどう捉えたのか、俄に我に返ったレーナは首まで真っ赤に染めてフリーズした。きょろりと周囲に視線を走らせると、はわわと両手を振り回してカーテンに巻き付く。
大袈裟すぎる照れ隠しの反応に、集った面々の間に一瞬弛緩した空気が漂った。
――が、
『ぅぁあっっ!!!』
即座に響いたアルマジロの悲鳴が、一同を危機に瀕した世界へ引き戻した。
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