独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第4章 最高神 編

第233話 【攻略対象 平凡村娘】アルルク、エドヴィンとの再会

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 突然、ガタンガシャと音がして、ワーワーと人々が騒ぐ声が近付いて来る。
 次の瞬間、城の中庭に面した大窓を突き破って赤龍が飛び込んで来た。

「レーナ! 逢いたかった!!」

「あ、おい! オレに乗っかってきておいて、抜け駆けすんなよ! レーナぁぁっ、オレだってずっとずぅっとぉぉぉ!!」

 破片の雨が止まぬ間に赤龍の陰からエドヴィンが飛び出し、一瞬で人化したアルルクと、先を争って勢いよくレーナの目の前までやって来る。

 二人の勢いに、大型犬に飛び掛かられる幻影が見えて、グッと全身に力を込めて身構えるレーナだったが、意外にも彼らは彼女の目前で静止した。おや、と目を瞬かせるレーナに、赤緑の2人は神妙な表情で揃って並び立ち、彼女を見詰めながらゆっくりと跪く。

「あれからずっと、生きた心地がしなかった。レーナを思わなかった日なんて一日もない。ご先祖様や……最高神様、化身みんなが力を貸してくれていると信じてはいたが、それでもこうして会えるまで不安で堪らなかった」

 切なげに眉を寄せつつも、安堵の柔らかな笑みを向けるエドヴィンが、そっとレーナの手を取る。「よかった」と一言、万感の思いを込めて呟いて、その手を自らの額に押し頂く。

 アルルクは、エドヴィンとは逆の手を取ると、両手で包み込んでぎゅうと握り締めた。

「あ゛い゛だがっ……だ! だずげだがっだんだのに゛、オレ、な゛んもでぎなぐで……」

 ごめんと繰り返すアルルクは、嗚咽でそれ以上言葉が紡げない。だから、レーナはアルルクに握り込まれた手を、拍子を取る様に左右に優しく揺すって彼を宥める。

「アルルク、何にも謝らないで? 貴方は悪くないでしょ。それよりわたしは、また皆に会うことが出来て嬉しいの」

 言えば、両目からぶわりと滂沱の涙を滴らせたアルルクが「レーナぁ」と叫びながら突撃して来る。幼いアルルクをあやしたことなら何度もあるレーナだが、さすがに身長も追い越され、軽装鎧姿となった今の彼を受け止められる自信は無い。弾き飛ばされまいと、ぐっと全身に力を込めて迎え撃つ姿勢を取る。

「はいはーい、そこまでだよ」

 と、ふいに軽薄な声と言葉が何もない空間から響くと同時に、レーナの目の前に迫っていたアルルクがファルークの膝の上に瞬間移動した。代わりに彼女の前には虹色の長髪を宙に揺蕩わせる美貌の青年が顕現している。

「レーナ復活の一番の功労者は僕だと思わなぁい? そんな僕を差し置いて、レーナに触れようなんて図々しいにも程があるよ」

「元凶の間違いだろ」

 すかさず苦々しい表情で呟いたのはエドヴィンだ。麗しい微笑を湛えたままのリュザスが、横目でチロリとエドヴィンを見遣ると、未だレーナの片手を握ったままだったエドヴィンは、精霊姫ドライアドの前に瞬間移動させられている。

「チッ! この性悪最高神!」

「そぉ? けど気にしないよ。愛するレーナの唯一になるために、僕は滅茶苦茶努力することにしたんだ。それが実を結ぶなら、何を言われようと気にもならないなぁ。あっちの世界も、こっちの世界も、僕はレーナの為に幾らでも界を渡って尽くすんだ」

すかさず悪態を吐いたエドヴィンに、余裕に満ちてゆったりと腕を広げたリュザスが、笑顔を浮かべた。
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