3 / 3
Y先生の入学式 第三話 完結
しおりを挟む
いよいよ、廊下の方から、子供たちが賑やかに行進してくる足音が届くようになった。未知の世界への驚きを含んだ笑い声も聴こえる。いままでは静まり返っていた校舎全体が、徐々にざわついてきたような気がする……。まるで、大森林の鳥たちが、一斉に目覚め始めたかのように……。対面の時はもう間近に迫ってきた。私は緊張を解くためのおまじないとして、新品のチョークの封をゆっくりと開けて、それを黒板にセットした。前方の扉が勢いよく開かれると、先導してきた上級生が顔を覗かせて、元気のよい声が響いてきた。私は大勢の生徒たちに満面の笑みだけで反応した。
「はーい、皆さん、ここが1年2組ですよ。番号順に前から座っていってください~」
もちろん、初めて教室の空気に触れる、新入生たちは、そんな単純明解な指令にも、すぐには従うことはない。派手な色彩で飾られた、初めて我が目で見る教室内を、きょろきょろと見回し、入り口付近で、ぼけ~とした顔で立ち尽くす生徒が多かった。出会ったばかりのはずの隣の女の子に早くもちょっかいをだす生徒、自分のとはまったく違う番号の机に堂々と座ってしまう生徒など、彼らの反応は実に様々だ。このまま放置しておくと、数分を待たずに動物園と化してしまうわけだ。だが、私はこの日のことを何度も頭の中でシュミレーションしてきた。校長先生から、扱いの難しい新入生の担任を任されたベテランには、何も恐れる事態ではない。例え、泣き出す生徒や、些細なことで喧嘩を始めてしまう生徒がいたとしても、私がパニックに陥ることはありえない。
「こらこら、君の席はそこじゃないでしょ」
「隣の子にいじわるしちゃだめだよ」
私はそんなふうに優しく声をかけながら、教室内をじんぐりとまわっていく。どんな暴れん坊も、一人ずつ優しく頭を撫でながら席につかせていく。座らされた後も、まだ暴れ足りずに、ブーブー言っている子もいるわけだが、様々なイベントを体験する中で、この場の雰囲気に馴染んでくれば、直に大人しくなるだろう。
生徒全員が無事に席につき、ここまで案内してきた上級生たちが、私の合図によって、役割を終えて立ち去っていくと、それを待っていたかのように教室後方の扉が開き、どやどやと保護者さんたちが入ってきた。本日のもう一方の主役である。そして、生徒たちの後方を取り巻くように、各々の位置を占めて、壁や窓を背にして順序よく並んでおられた。もちろん、この場にいる誰しもが、今日という日を迎えて極度に緊張している。ただし、生徒たちのそれに比べて、父兄さんたちの表情には、若干の余裕がある。これまでの半生の中で相当な場数を踏んでいるからだろう。私が苦労して準備をした、壁紙の飾りつけを興味深く眺めておられる父兄さんもいる。生徒たちはまだ緊張から抜けきれず、なかなか視線も定まらず、みんなそわそわとしていたが、後方に自分の両親の姿を見つけ、嬉しそうに手を振る子もいた。
生徒も親御さんたちも、ここに集まった全員が過度の緊張によって、理解力や認識力が低下している。新入生の担任を任された者として、こんな間の悪いタイミングで、これからの教育方針などの重大なことを話し始めるのは、あまり得策とは言えない。子供は今なにが起きているかもわからずに、ほとんど上の空であるし、父兄の皆さんは我が子の可愛らしさと未来への不安によって、浮ついておられるからだ。この雰囲気の中で、子供たちの将来に関わる大切な話をしても、誰の脳にも受け付けてもらえない可能性の方が高いだろう。記憶に残らない挨拶などは、やるだけ無駄である。今はしばし待つときだ。私は賢明にそう判断して、にこやかに生徒たちを見渡し、その時が来るのを静かに待つことにした。進行役が静寂を保つと、この後にどのようなイベントが待っているかを、知るものはいなくなる。しかし、父兄の方々は、自分が受け持つ生徒と初めて対面する教師の気持ちを多少なりとも理解されているので、この静寂に包まれた空間を不安とは感じていない。やがて、がやがやとうるさく騒いでいた生徒たちも、『何も起こらないことによって』次第に意識を教壇の方に引かれ始め、皆きょとんとした目を私の方へと注ぐようになってきた。
そんなとき、教室の後方で、この様子を見守っていた保護者さんの一人が、肩にかけていたカバンから、用意してきたビデオカメラを取り出そうとしたらしいのだが、相当に慌てていたのか、手が滑って、それを床に落としてしまった。ガツンという大音量が室内に響き渡り、和んだ雰囲気に一瞬の亀裂が入った。一同の視線が当たり前のように、そこに注がれた。その男性は決まり悪そうに床に落としたカメラを拾い上げた。すぐさま、今の落ち度は、なかったことにしようという暖かい空気が、その場に流れたわけだが、私はこの瞬間を己れのチャンスと捉えて、見逃さなかった。
「なんでしょうね。どうも今日のイベントでは、親御さんの方が緊張してらっしゃるようですね?」
私が絶妙のタイミングで教室全体に向けてそう声をかけると、これは上手いことを言うものだ、とばかりに教室内がどっと湧いた。両親らが互いに顔を見合わせ、頷き合い、重苦しい緊張から解かれた笑顔で笑っているのを見て、子供たちを過度の緊張によって縛っていた呪縛も、今や、すっかり解けてきたようだ。まるで、豪雨の後の草原にそれを忘れさせるような明るい光が刺すように、教室内の雰囲気が好転していったわけだ。私はこの弛んだ空気の隙をついて、誰にも悟られぬように、視線を右から左へと動かしていった。父兄の方々の顔を一瞬のあいだに滑るように眺め回した。すると、教室の右奥の方に薄っすらと見覚えのある、見栄えのする中年男性のお顔が確認できた。街角のボードに貼られている、選挙用ポスターやチラシなどで何度も拝見しているお顔だ。やはり、覚悟していた通り、県会議員さまは今日の式に自ら来ておられたのだ。次いで、私の目は出席番号15番の席に座っている、MT君の姿を瞳の中心で確認した。紺色のブレザーを着て、坊ちゃん刈りに整えられた、可愛いお子さんだ。他の庶民臭い騒がしい子たちに囲まれて、少し緊張気味にしておられる……。小さな手を膝の上にきちんと乗せて、とても品がよく、大人しく座っておられた。
『議員様、大丈夫ですよ。あなたのご子息様は確かにお預かり致しました。他の汚れた子供たちの垢のついた手には、決して触れさせはしません。私がきっと守ってみせます』
心の中で強くそう念じてから、大きく息を吸った。いよいよ、この時が来たのだ。
「はーい、皆さん、初めまして! 私がこのクラスの担任のYと申します。今日はね、まだ名前を覚えられなくてもいいんですよ。出来たら、あと一週間くらいで、この名前を覚えてくださいね。皆さんの心は今日の澄んだ空のようにまっさらですが、これからの6年間では、勉強だけじゃなくてね、いろんなことを学んでいくことになります。このクラスでは一切の差別やいじめはありません。周りのお友だちの顔を見てください。悪い子なんてひとりもいないんだよ。学校ではね、みんな平等なんだよね。平等というのは難しい言葉だよね。これは、いつも同じことを学び、同じように遊び、まったく同じチャンスを与えられるということなんです。何があっても、クラスみんなで手をつないで、ジャンプアップしましょう。あとでみんなの夢を先生にきかせてください。その夢が叶うように応援していくのが、私の仕事なんです。学校生活の最初の2年間を、この私と楽しく過ごしましょう」
私が最初の挨拶を言い淀みなく終えると、教室の後方からは、想定していた通りの、大きな拍手が起こった。私は誰にも悟られぬように、ちらっと流し目を右奥の方向へと送った。議員様は感心した様子で、何度か頷きながら、この雰囲気に呼応して、大きく拍手してくださっている。あれはきっと、合格サインの合図だろう。これならば大丈夫。きっとうまくやっていけるはずだ。私はそう確信していた。
「はーい、皆さん、ここが1年2組ですよ。番号順に前から座っていってください~」
もちろん、初めて教室の空気に触れる、新入生たちは、そんな単純明解な指令にも、すぐには従うことはない。派手な色彩で飾られた、初めて我が目で見る教室内を、きょろきょろと見回し、入り口付近で、ぼけ~とした顔で立ち尽くす生徒が多かった。出会ったばかりのはずの隣の女の子に早くもちょっかいをだす生徒、自分のとはまったく違う番号の机に堂々と座ってしまう生徒など、彼らの反応は実に様々だ。このまま放置しておくと、数分を待たずに動物園と化してしまうわけだ。だが、私はこの日のことを何度も頭の中でシュミレーションしてきた。校長先生から、扱いの難しい新入生の担任を任されたベテランには、何も恐れる事態ではない。例え、泣き出す生徒や、些細なことで喧嘩を始めてしまう生徒がいたとしても、私がパニックに陥ることはありえない。
「こらこら、君の席はそこじゃないでしょ」
「隣の子にいじわるしちゃだめだよ」
私はそんなふうに優しく声をかけながら、教室内をじんぐりとまわっていく。どんな暴れん坊も、一人ずつ優しく頭を撫でながら席につかせていく。座らされた後も、まだ暴れ足りずに、ブーブー言っている子もいるわけだが、様々なイベントを体験する中で、この場の雰囲気に馴染んでくれば、直に大人しくなるだろう。
生徒全員が無事に席につき、ここまで案内してきた上級生たちが、私の合図によって、役割を終えて立ち去っていくと、それを待っていたかのように教室後方の扉が開き、どやどやと保護者さんたちが入ってきた。本日のもう一方の主役である。そして、生徒たちの後方を取り巻くように、各々の位置を占めて、壁や窓を背にして順序よく並んでおられた。もちろん、この場にいる誰しもが、今日という日を迎えて極度に緊張している。ただし、生徒たちのそれに比べて、父兄さんたちの表情には、若干の余裕がある。これまでの半生の中で相当な場数を踏んでいるからだろう。私が苦労して準備をした、壁紙の飾りつけを興味深く眺めておられる父兄さんもいる。生徒たちはまだ緊張から抜けきれず、なかなか視線も定まらず、みんなそわそわとしていたが、後方に自分の両親の姿を見つけ、嬉しそうに手を振る子もいた。
生徒も親御さんたちも、ここに集まった全員が過度の緊張によって、理解力や認識力が低下している。新入生の担任を任された者として、こんな間の悪いタイミングで、これからの教育方針などの重大なことを話し始めるのは、あまり得策とは言えない。子供は今なにが起きているかもわからずに、ほとんど上の空であるし、父兄の皆さんは我が子の可愛らしさと未来への不安によって、浮ついておられるからだ。この雰囲気の中で、子供たちの将来に関わる大切な話をしても、誰の脳にも受け付けてもらえない可能性の方が高いだろう。記憶に残らない挨拶などは、やるだけ無駄である。今はしばし待つときだ。私は賢明にそう判断して、にこやかに生徒たちを見渡し、その時が来るのを静かに待つことにした。進行役が静寂を保つと、この後にどのようなイベントが待っているかを、知るものはいなくなる。しかし、父兄の方々は、自分が受け持つ生徒と初めて対面する教師の気持ちを多少なりとも理解されているので、この静寂に包まれた空間を不安とは感じていない。やがて、がやがやとうるさく騒いでいた生徒たちも、『何も起こらないことによって』次第に意識を教壇の方に引かれ始め、皆きょとんとした目を私の方へと注ぐようになってきた。
そんなとき、教室の後方で、この様子を見守っていた保護者さんの一人が、肩にかけていたカバンから、用意してきたビデオカメラを取り出そうとしたらしいのだが、相当に慌てていたのか、手が滑って、それを床に落としてしまった。ガツンという大音量が室内に響き渡り、和んだ雰囲気に一瞬の亀裂が入った。一同の視線が当たり前のように、そこに注がれた。その男性は決まり悪そうに床に落としたカメラを拾い上げた。すぐさま、今の落ち度は、なかったことにしようという暖かい空気が、その場に流れたわけだが、私はこの瞬間を己れのチャンスと捉えて、見逃さなかった。
「なんでしょうね。どうも今日のイベントでは、親御さんの方が緊張してらっしゃるようですね?」
私が絶妙のタイミングで教室全体に向けてそう声をかけると、これは上手いことを言うものだ、とばかりに教室内がどっと湧いた。両親らが互いに顔を見合わせ、頷き合い、重苦しい緊張から解かれた笑顔で笑っているのを見て、子供たちを過度の緊張によって縛っていた呪縛も、今や、すっかり解けてきたようだ。まるで、豪雨の後の草原にそれを忘れさせるような明るい光が刺すように、教室内の雰囲気が好転していったわけだ。私はこの弛んだ空気の隙をついて、誰にも悟られぬように、視線を右から左へと動かしていった。父兄の方々の顔を一瞬のあいだに滑るように眺め回した。すると、教室の右奥の方に薄っすらと見覚えのある、見栄えのする中年男性のお顔が確認できた。街角のボードに貼られている、選挙用ポスターやチラシなどで何度も拝見しているお顔だ。やはり、覚悟していた通り、県会議員さまは今日の式に自ら来ておられたのだ。次いで、私の目は出席番号15番の席に座っている、MT君の姿を瞳の中心で確認した。紺色のブレザーを着て、坊ちゃん刈りに整えられた、可愛いお子さんだ。他の庶民臭い騒がしい子たちに囲まれて、少し緊張気味にしておられる……。小さな手を膝の上にきちんと乗せて、とても品がよく、大人しく座っておられた。
『議員様、大丈夫ですよ。あなたのご子息様は確かにお預かり致しました。他の汚れた子供たちの垢のついた手には、決して触れさせはしません。私がきっと守ってみせます』
心の中で強くそう念じてから、大きく息を吸った。いよいよ、この時が来たのだ。
「はーい、皆さん、初めまして! 私がこのクラスの担任のYと申します。今日はね、まだ名前を覚えられなくてもいいんですよ。出来たら、あと一週間くらいで、この名前を覚えてくださいね。皆さんの心は今日の澄んだ空のようにまっさらですが、これからの6年間では、勉強だけじゃなくてね、いろんなことを学んでいくことになります。このクラスでは一切の差別やいじめはありません。周りのお友だちの顔を見てください。悪い子なんてひとりもいないんだよ。学校ではね、みんな平等なんだよね。平等というのは難しい言葉だよね。これは、いつも同じことを学び、同じように遊び、まったく同じチャンスを与えられるということなんです。何があっても、クラスみんなで手をつないで、ジャンプアップしましょう。あとでみんなの夢を先生にきかせてください。その夢が叶うように応援していくのが、私の仕事なんです。学校生活の最初の2年間を、この私と楽しく過ごしましょう」
私が最初の挨拶を言い淀みなく終えると、教室の後方からは、想定していた通りの、大きな拍手が起こった。私は誰にも悟られぬように、ちらっと流し目を右奥の方向へと送った。議員様は感心した様子で、何度か頷きながら、この雰囲気に呼応して、大きく拍手してくださっている。あれはきっと、合格サインの合図だろう。これならば大丈夫。きっとうまくやっていけるはずだ。私はそう確信していた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる